呆冗記
呆冗記 人生に有益なことは何一つ書かず、どーでもいいことばかり書いてあるぺえじ。


元気に生きていこう

 人間なんていうものは実際、生きているんじゃなくて生かされていると思うことがままあるのだ。私なんぞまったくもって幸運と思いこみ。これだけで生きている。たぶんそうなのだろう。
 でなければ、私のようなへたれリーマンが生きているはずがない。
 今日も今日とて、パソコンがフリーズした。今年入ったばかりの新人さんが悲鳴をあげる。
 「上杉さーん。パソコン死んじゃいました」
 「え、死んじゃったの」
 そこへ通りかかった専務が一言。
 「なんなら上杉も殺しちゃっていいぞ」
 うーむ、今の職場で私の立場は何なのだろう・・・。職務としてやっていることと、私の立場が言わせていることを、私個人のことと誤解をされているのではあるまいな。いや、専務ともあろうものがそんな事が解らないはずがない。で、あるならば、私、専務に何か殺されるようなことをしたのだろうか? 意外と夜中に藁人形に五寸釘ぶっさされていたりするのではあるまいな。
 それでも死なない上杉一族。
 うーん。なんて無神経な人間なのだろう。繊細でナイーブでデリケート。ではない。がさつでバーバリアンでバリケードなのだ。私だけではない。今回は、私と友人達のがさつでバーバリアンでバリケードな一端をお見せしよう。

 まったく、医者の言うことなんぞあてにはならないのだ。
 私にはアデノイドがない。アデノイドとは鼻の奥の扁桃腺のようなものらしい。私は小学校時代、あんまり鼻水が出るので医者に診てもらったらこれが肥大していると言われてしまった。
 早速手術である。局部麻酔でごりごりごりと取ってしまった。キツイ薬で傷口を灼いておしまい。
 「飲料水ならすぐにでも。30分たったら食事も出来ますよ」
 で、コーラ飲んで30分後にデパートの食堂でハンバーグランチ喰って帰ってきたのである。うーむ、小学校高学年のある日のことであった。
 ところがだ、10年近く後、従兄弟がやはり小学生時代にアデノイドが肥大してしまった。即手術。ところがである。その後が全然違うのだ。1週間入院。完全看護で、点滴、重湯、三分粥、六分粥・・・。なんか扱いが全然違うのである。
 私のことを知っていた叔母が医者に私の例をあげて何故入院しなければならないのか、聞いたそうだ。
 医者の答えは明快だった。
 「感染症が出たらどうするんですか!」
 私は感染症が出ても良かったのだろうか。
 が、話はこれで終わらない。更に10年近く後、また下の従兄弟がアデノイド肥大症になった。
 「薬で散らします」
 「手術はしないんでしょうか」
 「アデノイドは人体の免疫を司る器官の一つです。簡単に切るなんてとんでもない! 平均寿命に関わってくるんですよ」
 なんでも、アデノイドを切ってしまった人間は2年ほど寿命が短くなるのだそうだ。
 そう言えば、切ってから風邪引くと必ず喉に来るのである。
 しかし、そう言いきられてしまうと、切ってしまった私と従兄弟はどうすればいいのだろう。
 かように、医者の言葉などあてにはならないのだ。まったく。
 武田なんぞ、生まれた時の某病気で体力がつくまで手術は出来ないという話だったのだが、彼が大学時代には、体力も何も即手術しないと命に関わる。という状況になっていたのだそうだ。
 よく、生きていたものである。
 朱雀にしても、中学時代に骨折。骨がずれてしまったが為、手術が必要になったのだが、骨の成長線が小学校5年生並みと言うことで、検査している間に癒着。手術不能になってしまった。
 だから、奴の骨はひんまがってくっついたままなのである。きっと、その時に根性もひん曲がったに違いない。
 ま、そんなこんなでも人間、死なないで生きているのだ。
 だから、人間、思うがままに、元気に生きていけば充分なのだ。そう、思うのである。(02,6,4)


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