呆冗記
呆冗記 人生に有益なことは何一つ書かず、どーでもいいことばかり書いてあるぺえじ。


オリジナルビデオアニメ ヘルシング

 さて、いよいよ終わってしまった『ヘルシング』である。終わってしまったのだ。とうとう終わってしまったのだ。
 某所では『醒めない悪夢』などと言われていたが終わってしまえば・・・。
 「何も終わっていないニャ」
 おお、武田。
 「終わっていないのニャ。これから僕達は歴史の抹殺を行わなければならないニャ」
 「しかし、そんなに酷かったか? あれ」
 今回は実は『旅する奇怪 怒りのみついし』にて、車中での鑑賞会とあいなったのである。よって、運転手だった朱雀も見ているのだが。
 「あれに怒りを感じないなんて、朱雀の感性はゴミ袋以下ニャ」
 ま、はっきり言うと、武田は『原作至高派』、朱雀は『原作知らない派』とでもいおうか。ちなみに私は『原作知ってるが日和見派』だ。
 「ゴミ袋は酷いな」
 「結局、なんだったニャ。どうしてロンドンの地でセトなんて呼べるニャ。なんか絶対に間違ってるニャ。というか制作者はそう言った関係の素養があるのかニャ」
 「そうか。結構動いていたし。声優さんも力入ってたし。ま、深夜アニメの枠としては問題ないのではないのか。もっと酷い作品もあったわけだろう。たとえば『はーめる・・・』」
 わあああ、それは少し不味くないか。いや、少しばっかりどころでなく不味いだろう。天下の紙芝居アニメ。アニメ史に残る金字塔。『マクロス』の火星での話。あれを全編でやってしまったとんでもないアニメ。
 「なんか、上杉の方が酷いことを言っているニャ。
 ま、本筋に戻るニャ。まずインテグラが単なるセフティでアルカードの最終形態承認のための道具という感じなのは許せないのニャ」
 「そういう話じゃないのか?」
 「うぉおおおおおお。原作も読んでいない人間に言われたくないニャ。そういう話ではないニャ」
 「しかし、インテグラさんの判断ミスでヘルシング機関は壊滅したが、ラストで少しは成長したようだし・・・今後が楽しみ・・・」
 「朱雀・・・。英国貴族は、生まれた時から英国貴族ニャ。環境と教育とプライドが本人の高貴なる義務を遂行する力となるニャ。それで成長なんて、成長なんて。そんな日本の青少年みたいな話ではないのだニャ」
 「ふむ、確かに原作を知らない人間の評価とは問題があるかも知れない。しかし、この世の中、原作を知るものだけがこのアニメを見るわけでもないだろう。だからそうそう『原作』『原作』と叫ぶものではないのではないか?」
 「しかしニャ。どういうことを言うならば、何故『原作』付き作品を作るかニャ。それは原作を知っている人間を呼び込みたいからではないのかニャ。ならば、『原作』付きは、その『原作』を愛読する人間にとって納得できるものであって欲しいニャ。残念ながら、この作品はそうではなかった。そういうことニャ」
 「じゃあ、アレキサンダー・ケイ著『残された人々』のファンも、ジュール・ベルヌ著『海底2万マイル』のファンの人々も納得はしてないんじゃないのか」
 ちなみに、『残された人々』は『未来少年コナン』の原作ながら、全然違う話、『海底2万マイル』は『不思議の海のナディア』の原作で・・・、褐色の肌の少女やアトランティスなんぞ出てこない話である。
 「そ、それはそうだニャ。しかし、それらは過去の作品ニャ。現在連載中の作品を『原作』とした場合、問題は異なるのではないかニャ」
 「だが、『原作』付アニメというのはたい・・・。そのくらいは解っていたんじゃないのか」
 「ぐわああ。それを言われるとニャ・・・。しかし、今回、上杉はどうして何も言わないニャ」
 いや、私の意見はもう、表題に書いてあるのだ。
 「オリジナルビデオアニメ ヘルシング?」
 そう、これはもう、オリジナルなのだな。『原作』にした似たようなマンガがあろうが、何だろうが、版権使用料払っていれば法的に問題ないし、で、勝手にオリジナルビデオアニメをつくったと。そういうことなんだろうな。そのオリジナルビデオアニメにどうこう言っても仕方があるまい。残念ながら。
 「なんか、すっごくドライだニャ」
 「どうしたんだ?」
 うぉおおお。ヘレナ殺すことに同意したスタッフは、地獄に堕ちろ!(号泣)(02,5,28)


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