呆冗記　人生に有益なことは何一つ書かず、どーでもいいことばかり書いてあるぺえじ。

情けは人のためならず

　『情けは人のためならず』
　この言葉の意味は決して
　『情けをかけるのはその人のためにならないのでかけてはならない』
　ということではない。
　これは、
　『人生至る所に青山あり』
　の青山が『墓場』であることを誤解している人が多いのと同様である。
　決して、
　『人生、どこでもすばらしいところはあるんんだ』
　という意味ではないのである。
　むろん、それを確信犯で、
　『人生どこでも死に場所だ』
　と、この言葉を連呼する困った人間、朱雀のような男もいるのだが・・・。
　「いやあ、『人生、いたるところに青山ありすから』」
　などと明るく笑いながら、そろそろ死に場所であろうか。そう考えていることなど職場の先生方の誰が知ろうか。
　今年も歴史持てなかったようであるし。哀れな男である。
　これが、
　『虎穴に入らずんば、虎児を得ず』
　を、高校のテストで
　「違う穴に入れると子供ができない」
　と書いて職員室に呼ばれたりすると、非常におもしろかったりするのだが。ま、朱雀に言わせると、高校生の現在の学力は凄まじいものがあるのだそうだ。
　なんと言っても、アメリカの北にある国の名前がわからないのである。酷いのになるとロシアなどという答えもあるのだそうだ。
　私としても、若いのに第二次世界大戦は、日本とロシアが戦い、原爆を落としたのはロシアである。などと答えられると、歴史教育の不備をまざまざと見せつけられるようで、胸が痛むのだが。
　ま、１０年以上も昔に教育の道を断念した私としては何も言えないのだ。だから朱雀には頑張って欲しいのだが。果たしてあ奴はいつの日か歴史を持てるようになるのであろうか。どうも望み薄なのだが。

　閑話休題。

　さて、冒頭の『情けは人のためならず』は、まさかここを読みに来られている方々ならば誤解のしようもないと思われるのだが、
　『かけた情けは回り回って自分に戻ってくるので、決して他人の為にかけるのではない』
　という意味である。
　というわけで、まったく、その通りの経験をつい前日したのであった。
　私はようやく計画表を作成後、自分の仕事に追いまくられていたのだ。
　夕方６時、まだまだこれからが私の仕事時間である。もう一仕事も、ふた仕事もこなせるではないか。ああ、少しでもノルマを果たしておかないとまた、日曜出勤なのである。はあ。
　ところがである。某先輩が恐ろしいことをのたまったのだ。
　「実は、パソコンを買おうと思うのだがな。上杉クンよ」
　「はあ、よかったですね。僕なんて当分自宅用の買い換えはできませんよ」
　（仕事が忙しい。ミサイル発射）
　「ところがだ、あんまりありすぎるものだからな。何を買っていいのかわからないんだよ」
　（俺は忙しくないもんね。バリア展開。ミサイルの効果ゼロ）
　「はあ。大変ですね」
　（これ、今日中にやらないと、日曜出勤なんだよ。ビーム発射）
　「そうなんだ、で、どんなのがいいのか、店で教えてくれよ」
　（そんなもん、俺はしらないもんね。シールド展開。ビーム効果ゼロ）
　「だからな、今日はこれでおしまい。ほれ、就業時間はとうに終わってるぞ」
　（おらおら、先輩の言うことは聞くもんだ。レールガン発射）
　「うわあ、資料閉じないでください」
　（防御バリア展開不能。弾体命中。大破。戦闘不能）
　というわけで、泣く泣く、私は『Ｙカメラ』の客となったのだが・・・。
　「でな、上杉クンよ。予算１０万円以下で新品のノートパソコンは買えないもんかね」
　「・・・」
　不可能である。絶対に不可能である。商業理論、無視されているとしか言えないではないか。ＮＥＣの安いＬａｖｉｅ　Ｚだって、１２９，８００円くらいしてしまうのだ。
　「だってな、デスクトップは今、一番安いので７９，８００円くらいだぞ。そんなに高いのなら完全に予算オーバーじゃないかよ」
　もともと無理な予算なのだ。
　「そうかあ、３万くらいなんとかならないのか？」
　私に言われても困るのである。
　結局、お役に立てなかったのだが・・・。先輩と別れて店内をぶらぶらしていると、突然、店内放送がこう告げたではないか。
　「ただいま、１Ｆ、ゲーム売り場におきまして『サクラ大戦４　コンプリート』最終入荷分を販売しております。お買い求めのお客様がいらっしゃいましたら、１Ｆ、ゲーム売り場にお越しください」
　をいをい。どーいうことだ。もう、ぜんぶはけたのではないのか？　私は前に、翌日買いに来てそう言われたのである。にもかかわらず、最終入荷分とは何なのだ？
　しかし、こういう状況になったら、もう、おわかりであろう。ここに、この駄文を読みに来てくださっている方々は長いつきあいである。
　そう、その通りなのだ。１Ｆ、ゲーム売り場に直行である。そして、無事に最後の一つをゲットしたのである。
　はあ、先輩に連れてこられなければ、この幸せはなかったかもしれない。
　本当に『情けは人のためならず』なのだ。
　しかし、魔人学園限定版といい、今回といい、こんなことに運を使っていていいのであろうか？（02,4,8）