呆冗記
呆冗記 人生に有益なことは何一つ書かず、どーでもいいことばかり書いてあるぺえじ。


鬼が哭く

 「上杉、ハイホー」
 朱雀、貴様、最近キャラが変わっていないか?
 「モザイク、4展開、5展開、時間制限ばーりばり。13時間の授業に13時間しかくれない時間講師。これでどうやって時間割を組めるのか。状態だぞ」
 よくわからないがそれは外注さんが上司の意向を盾にあれやこれや都合のいいことばかりまくし立てて計画が成立せず、ようやく成立しても先輩に『配慮がない』とか言われてしまう状況なのだな。
 「なんだかよくわからないがそうだと思う」
 「何を佐藤大輔ごっこしてるニャ。ともかく、朱雀、時間割は完成したのだニャ」
 「ああ、一応完成した。細かい作業はままあるが、仕事は終わったと思ってもいいだろう」
 「上杉、貴様の仕事も終わったニャ」
 うん、もう、今年もボロクソに言われたが、何とかまとめあげたのだ。
 「では、
 諸君 僕は電脳遊技を 煉獄のような電脳遊技望んでいるニャ。
 諸君 呆冗記に生息する諸君、君たちはいったいなにを望んでいるニャ。
 さらなる電脳遊技を望むかニャ?
 情け容赦のない糞のような電脳遊技を望むかニャ?
 鉄風雷火の限りを尽くし、三千世界の電脳ヲタを殺す、嵐のような電脳遊技を望むかニャ?」

 「電脳遊技! 電脳遊技!」
 「電脳遊技! 電脳遊技!」

 「よろしい ならば電脳遊技ニャ
 僕たちは今まさに満身の力を込めて振り下ろさんとする握り拳ニャ
 だが暗い仕事の底で半月もの間、耐え続けてきた僕たちに、ただの電脳遊技ではもはや足りないニャ!!
 虚淵 玄をニャ!! 一心不乱の丸谷秀人をニャ!!
 電脳遊技ニャ 電脳遊技ニャ」
 は、なんか乗せられてしまった。
 「うう、佐藤大輔&ヘルシングで来るか、普通・・・。最近、武田もキャラが変わってないか?」
 ま、一番自由な奴だからな。
 「というわけで『鬼哭街』ニャ。あの虚淵 玄氏の新作ニャ」
 って、それだけのために、この前ふりなのか。
 「ま、ともかく、暇でもあるし、今晩はこれに嵌ってみるか」

 閑話休題

 うぉおおお。虚淵 玄侮りがたし・・・。
 「流石は僕が認めるシナリオライターニャ」
 「サイバーパンク武侠小説か。結局、サイバーパンクなんだよな。しかし、これはゲームではあるまい、スコーンと突き抜けたノベルズではないか。なにせ選択肢が一つもない。これはゲームではないな」
 軟弱な兄属性に一石を投じるニトロプラスの見事な一作なのだ。
 「ルイリー、かわいいニャ。2章のルイリーのまんまで、どこかに隠遁するのもいいアイディアニャ」
 「しかし、諸悪の根元はルイリーだろう。どう見ても他の連中は巻き込まれているとしか思えないな。タオローはいいとしても他の連中はみんな殺され損じゃないのか。ホージュンなんて、哀れすぎないか」
 武田、貴様もようやく、ロリの魅力に開眼したようで重畳なのだ。
 「違うニャ。違うニャ。僕は単に一般論として言っているだけニャ。決して上杉のテリトリーに加わるつもりなんてないニャ」
 「怖いのは幼女の姿であっても女の業か。しかしどう考えても、未消化な伏線があるよな。ホージュンの元にあったルイリーの統合プログラムは一体何だったんだ。あれが絶対に何か意味を成すと考えていたのになんだか肩すかしだよな」
 『あにさま』なんて呼ばれたら。もう、リピドー全開、危ない世界に落ち込んでしまうのだ。私は! うう、ニトロプラスはどうして、キャルといい、モーラといい、こうまで琴線をふるわせるキャラを作り出すのだ。
 「いや、キャラだけじゃないニャ。作品自体がすばらしいのニャ。そう、でも、悲しいニャ。もう少し、もう少し長い時間、この世界を漂っていたかったニャ。4,400円の作品だから仕方がないけれど、再ゲーム化の予定はないのかニャ」
 「それは無意味だろう。結局の所、この作品はここへ、このラストへ収束するしかないゲームだからな。女の業に翻弄された男達の、悲しい結末。これはタオローにとっては凄まじいアン・ハッピーエンドだよな。唯一ハッピーになったのはルイリーだけ。それも、随分と粘着的な手段でだ。ルイリーとキャル、モーラを同一と捉えることには非常な無理が存在しないか?」
 そうか、確かに悲劇的ではあるかもしれないが、悲劇ではあるまい。二人は魂までも一緒になって、悠久の時を生きるのだ。これこそ、得難い幸せとは思わないか。
 「そうニャ。好きあう二人で永遠を生きるのニャ。現実世界で得られない幸せを電脳世界で追求して何が悪いニャ」
 「そうか、わかった。この違和感の原因」
 「どうしたニャ」
 どうしたんだ。
 「我々自身が、現実の世界で得られないものを求めて電脳世界に浸り込んでしまっているんだ。その目の前で、我々がしていることを物語のキャラクターにされてしまったということが大きな違和感として存在したんだ。そうか。そういうことか」
 おごおお。
 「どうした? 上杉」
 「どーして、言うてはならないことを言うニャ。上杉は、そのことから現実逃避しているのに、どーしてそんな酷いことを言うのかニャ」
 武田、貴様の方がもっとキツイぞ。(02,4,4)


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