呆冗記
呆冗記 人生に有益なことは何一つ書かず、どーでもいいことばかり書いてあるぺえじ。


人はどんどんバカになる?

 さて、いよいよ年末も押し迫ってきたのである。このままあと10日。何事もなく過ぎ去ってくれればいいのだが。もう、祈るようにして日々を送っているのである。
 こういう時の神頼みなのだ。いや、うちは真宗大谷派の敬虔な檀家であるから、阿弥陀様にお縋りするしか法はない。うむ。南無阿弥陀仏である。どうか、ご先祖様、お祖父さま、お祖母様よろしく阿弥陀様にお願いしていただきたいのだが。なにせ不肖の孫であるから、望み薄かも知れない。
 なんといっても私は不肖の孫である。
 うむ、数え上げればあんなこともこんなこともあるのだが、まず、お祖母様をガッカリさせたことからはじめよう。私は某N高3代同窓生計画を挫折させた張本人なのだ。
 お祖母様は、札幌で2番目に古い高校である元女学校の卒業生である。そして、我が父は制度が変わり、名も変わったN高の卒業生。伝統あるN高では2代同窓はあたりまえ、しかし、3代となると俄然価値が出てくるらしい。(良く知らないが)ところがである、この不肖の孫はものの見事にN高に入れなかったのだ。あはははのはである。結局、お祖母様のちいさな希望をうち砕いたのは私に間違いないのである。
 次にお祖父様のがっかりネタ。
 我がお祖父様は、札幌師範の卒業生である。親父様は同じ学校の名前が変わった札幌学芸大学の卒業生。名は違えど、この二つの大学は同窓なのだ。しかし、その孫と言ったら空知青年師範に入ってしまったのである。お祖父様の希望した3代同窓はまたしても不肖の孫によって破られたのである。
 冗談じゃないのだ。
 「ま、人生そんなもんだぞ」
 おお、朱雀。
 「俺なんて、人生紙風船だからな」
 なんだ、それ。
 「一族でN高、H大に入れなかったのは俺が最初だから」
 へ・・・。それはそれで凄い一族様だな。
 「で、結局、O高に入学したわけだが・・・」
 1年の時に私と会ったのが運の尽きか?
 「ああ、間違いない。でもま、3年の冴速との出会いで、あっちが人生に致命的な損傷を受けたに違いないから人のことは言えないがな」
 ともかく、何が言いたいのだ?
 「後に続く東区在住の孫連中がみんなO高校でな」
 諸悪の根元だな。貴様。
 「ま、じんせいなんて、そんなものなのだ」
 「そうニャ、間違いなく、人生、そう言うものニャ。人間どんどんバカになるニャ」
 おお、武田、お前も何か言いたいのか?
 「僕のひいばあさまという方は、その昔でありながら、小学校の校長先生をやってひいじいさまを頭に片手ほどの子供を育て上げ、袴まで自分で縫ったというすーぱぁれでぃニャ」
 念のため確認しておくが、袴というのは難しいらしいな。
 「ああ、あれは縫うのも、畳むのも非常な能力が必要らしいが、うちの母は和裁するが、袴は縫えないぞ」
 「ぼくのおばあさまは、専業主婦でお爺さまを頭に5人の子供を育て上げ、袷だろうが一重だろうが、絽だろうが、紬だろうが一晩で縫ったという話ニャ」
 しかし、さっきから必ず旦那さんまで数に入れているが、そういう一族なのか? 武田家は。
 「子供より手がかかるのが、旦那だった。ということでひいおばあさま、おばあさまの意見は一致を見たニャ。かあさまだけは、どうも違う意見のようだけどニャ」
 「そうだろうなあ。35で猫言葉の子供がいてはなあ」
 ああ、間違いなく、おじさんよりは手がかかったであろう。可哀想に。
 「だからこれは、上杉のレトリックニャ! ともかく、かあさまはそこまで縫えないニャ。でもって、僕は和裁のわの字もできないニャ。だから間違いなく人間どんどんバカになってるニャ」
 というか、貴様、和裁する気があるのか? おい。(01,12,18)


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