呆冗記 人生に有益なことは何一つ書かず、どーでもいいことばかり書いてあるぺえじ。
ROCK YOU
なんだかとっても元気である。その原因は一本の映画にあった。『ROCK YOU』、これがもう、公開が終わってしまうというので、映画の日の11月1日に少し無理をして見に行ったのだ。で、たった今、帰ってきて、途中コンビニで買ってきた酒を飲みながらこの文章を書いている。本当の発表予定日は明日なのだが、それまで待てないおもしろさである。
文字通り『決闘値、上がる』なのだ。
いやあ、やっぱりあれである。やる気パルス(著作権 島本和彦氏)はこういう映画を見ないと駄目なのだ。
15才の少年が殺し屋になったり、美女と美少女が殺し屋やってたり、古都で少女が殺し屋さんと同居したりというものばかりやったり見たりしていると、そういうのはやる気パルスを下げてしまうのだ。やる気パルスをあげるにはこういう明朗快活な映画を見るに限るのである。(観葉植物とミルクの好きな殺し屋さんの話は私の前でしないで欲しい)
いやあ、面白かった。真面目に面白かった。思わず、帰りがけレコード屋(今はCDショップというらしい)に飛び込んで「サントラ」買ってしまったのである。今もガンガン鳴っている。
物語は簡単だ。
騎士に憧れていた少年が従者となり、やがて青年となったときに騎士が馬上試合の途中で死ぬ。その賞金ほしさと少年の日の憧れをかなえるべく、身分を偽って騎士となった彼は、その後も馬上試合で連戦連勝。美しき王女の愛を得る。しかし、ライバルが現れ、彼の秘密である身分詐称を暴かれ全てを失う羽目になる。しかし、最後はハッピーエンド。
もう、明朗快活を絵に描いたような物語である。ここまで単純でいいのか? そう思ってしまうのだが・・・。いいのだろう。きっとこれでいいのだ。
しかし、物語というのはやっぱりセオリーを守るというのも大切なのだろう。最近、どうもセオリーを破る作品が多すぎる。
主人公はあくまでも主人公らしく。恐れを知らぬ若者(ヒース・レジャー 『パトリオット』のメル・ギブソンの長男役って、私見たことないぞ)だ。まあ、恐れを知らぬ若者自体、最近はずいぶんと減ってしまったのだが、なにせ、携帯で友人と繋がっていないと怖くてたまらないという連中である。(根に持ってるなあ、相当)
そして、ヒロイン(シャニン・サモン 結構可愛い)。これがまた、美人だし、立てるところは立て、拗ねるところは拗ね(しかし、愛の証に『無様に負けろ』とは、男心を知らぬ奴め。ま、可愛いから許す)それが嫌みになっていない。
更に、苦労人の先輩(マーク・アディ)、何かというとすぐ切れる後輩(アラン・テュディック)。亭主を亡くした後、一人で店を切り盛りしているいい女の鍛冶屋(ローラ・フレイザー)。
そして、実在の英文学の大家、チョーサーが博打好きの若者という役柄で出てきている。演じるは気鋭のシェイクスピア役者。ポール・ベタニー。これら3人がほとんど新人の主役とヒロインをしっかりフォローする。
でもって、悪役。黒い髪の傭兵(ルーファス・シーウェル)。これが、もう、最高に鼻持ちならない悪役をクールに演じてくれる。ははは、最初の実力が隔絶しているときの嫌みたっぷりぶりから、実力伯仲の後半の陰謀ぶりまで、もう、この悪役のおかげでぴしりと締まるのだ。
そして、もう一人。身分詐称で絶体絶命の主人公を、一気に救ってしまうことになるもう一人のライバル、黒太子、もう、いいとこ独り占めだ。
これはDVDが出たら買うしかあるまい。そのくらいの嵌りぶりである。
しかし、やっぱり『FFムービー』もこのくらい単純な話の方が良かったのだろうか? たとえ頭の悪いB級SF映画になったとしても・・・。ま、『ビバップ』のほうはこういう単純な話を見たかったのだが。(01,11,1)