5インチの恐怖
しかし・・・。
「上杉サンはいったいいつ小説を書くんだわ?」
ふあ?
「予定だけでも聞かせて欲しいんだわ」
あの・・・冴速さん?
なんで・・・私ごときの小説が読みたいんですか?
「そりゃあ読みたいからなんだわ・・・」
そ・・・そんなあ・・・。いや・・朱雀や武田の問い合わせなら百年でも平気なのだが・・・冴速さんにまで言われるとなると・・・。一寸辛いものがあるのだ・・・。でも・・・某『戦艦少女』? あれでもろネタ抜かれてしまったのだ。もう、回復不能の大ダメージって奴なのだ。
だから・・・。
だから・・・。書けないのだよ・・・。きっともう・・・。
あの時、私の童心は冷たい土の中に封じ込められてしまったのだから・・・。
まじめな話・・・。
きっと・・・。
わかってくれるか? 小白滝・・・。
「なあ、上杉、なくしたものは今あるものでは取り返しがつかないことはわかるのだ・・・」
・・・。
「今あるものは全て捨ててしまってもいいのか?」
なんか、マジになってないか? 伊予柑酒飲んでる割には・・・。
「上杉だって、テキーラサンライズをかき混ぜながら、マジなこと言っているのだ。ま、ともかく、例の本編が原稿用紙20枚に満たないのに、外伝が全部で200枚以上ある冴速さんと、小生と貴様の合作話、あれ、本文だけでいいから欲しいのだ」
どうして・・・。
「いやあ・・・久しぶりに小説など書いてみようかと思うのだ」
四捨五入四〇の冷や水というわけか? まあ良かろう・・・。
と、快諾したのはいいのだが・・・。その頃、私はばりばりの5インチ主義者に感化を受け、5インチFDドライブマシンしか持っていなかったので、データは全て5インチではないか・・・。
「や・ば・い。(はあと)」
しかし安心あれ、過去の資産。大量のPCげえむはほとんどがNEC98用5インチである・・・。そして、そのためにNECの98アーキテクチャマシンで一台動くのがあるのだ。(386の20M、メモリはたったの16M!)。そこにつながった外付け5インチドライブ・・・。ああ、このマシンに電源を入れるのは何年ぶりだろうか・・・。
ところが・・・。外付けドライブが動かないのだ・・・。本体は起動する・・・しかし・・・FDを認識しない・・・。
畜生・・・。モーターが固着したか?
知ったかぶりの単語を並べて腕を組む。
どっちにしろ、壊れたドライブは、メーカーはもう撤退した修理も何も効かない代物である。そこで、5インチFDドライブをインターネットで検索する。あの凄まじい資産を満足に運用するためには5インチドライブは必須なのだ・・・。
しかし、オークションにはジャンクしか出ていない。
しかたない・・・。新品を・・・。まあ、2万までなら許そう・・・そう思ったのだが・・・。
検索結果は無情だった・・・。
5インチFDドライブ12万8千円也!
明日は・・・どっちだ?(たぶん続く)(01,9,8)