黒い鶏の羽
『ノワール』の第4話を見て、私がふとつぶやいた。
「やっぱり美少女は白いワンピースに麦わら帽子ですかね」
「ああ、じゃあ、若い頃のモンスリーが好きなんだ」
そういえばそうである・・・。うーむ。朱雀龍樹・・・。貴様、実はロリコンで私とキャラが被っていたのか? 侮りがたし・・・。
「侮りがたしといえば・・・『ヤマト』の再放送。いま、七色星団やってるんだけどね。ドメルが使ってるのってタイプライターなんだよね」
「はあ・・・」
「今の地球より科学技術が発達していない・・・。ガミラスもたいしたことないんだね」
スパロボネタで2題。
その1
「いや、今度バーニー、カツ、キースを主力にして攻略してみようかと思うんですが・・・」
「上杉君、それは敵に失礼だと思わないかい。たとえコンピュータとはいえ礼を失ってはいけないよ」
そこまで言いますか。そこまで。
その2
「しかし、実際に宇宙からの侵略で人類の危機なんてが起きたとしたら、現在のレベルの宇宙開発では対抗できないんじゃないでしょうか」
「心配ないよ。今、一番金持ってるのはオタクだからね。たちまち大量の予算が集まってなんとかなるよ。だいたい、ビル・ゲイツてオタクでしょう」
で、いよいよ『THE 八犬伝』である。無印6話、新章7話。かの昔、朱雀の奴が冴速さんの社宅で笑い死にかけた代物であると伝え聞く。いや、ギャグではない。ギャグではないのだそうだが・・・。だって、声優さんがすごい。関氏、山口氏、山寺氏、日高氏、西村氏、玄田氏、大塚氏、高山氏・・・。よく集めたものなのだ・・・。しかし・・・。なんでも作画が無茶苦茶な回があるのだそうだ。死ぬほど笑えるらしい。
まずは3話続けてみるが・・・。
「悪いんだけどさ・・・。どこが面白いわけ?」
久部さんの第一声である。
「演出の意図が見えなくて、何がなんだか全くわからない。だいたい『八犬伝』ってもっと面白いものでしょう。どうやったらこうなるかね・・・。いくらだっけ」
「ええと、13話で9600円ですが」
「高い、一桁多いね」
全く同感である。
しかし、作画は必ずしも良くはないが、発狂するほど笑い転げるほどではない。しかたがないので朱雀が笑い転げたという話をサーチで探すが見つからない。
「上杉君・・・。もしかしたら『新章』という言葉に騙されていない?」
「は?」
「第1部でそんなに酷かったら第2部が作られないでしょう・・・」
さもありなんと、『新章』をサーチ。第3話『妖猫憚』でサーチが止まった。
キャラが別人である。犬飼現八の顔が全然違う。まったく中華アニメといった顔である。少なくとも日本人の顔ではない。ヒロインも下ぶくれ・・・。
「これですかね」
「うーむ、凄まじい代物だねえ・・・」
しかし、真実はそんな甘いものではなかったのである。あまりのことに疲れ果て、そのままにしておいて始まってしまった第4話『浜路再臨』それこそが、真の恐ろしい代物だったのだ・・・。
第一、キャラの顔の区別が付かない。第3話はキャラ設定と違う顔でも区別は付いたのだ。ところが・・・この第4話、キャラの区別が付かないのである。
「上杉君、これ誰?」
「山口勝平さんが声をあててますから荘助だと思いますが」
「じゃあ、今出てきたのは?」
「声が関俊彦さんですから信乃ではないかと・・・」
ぶよぶよむくんだ顔のキャラクターが人間とは思えない動きで動き回る悪夢の30分・・・。
しかし、これで笑えたのか? 大人物だな朱雀・・・。
硬直の30分が終わった・・・。あわててスイッチを切る。
「これ・・・人間の見るものじゃないよ」
同感である。
「どこをどうやったら、こんな酷いものが出来るわけ・・・前言撤回。一桁じゃない。二桁多い。そんでもって単位はトルコリラ」
「96トルコリラって・・・。でも、久部さんの一方的な否定の論評って初めて聞きましたが・・・。
「いや、これは冒涜でしょう。これは、あれだよ。人呪うのに鶏の黒い羽の変わりに使えるよ」
「そこまで・・・。しかし久部さん、まじめに怒られてません?」
「いやあ・・・自分でもびっくりした。こんなに悪口の語彙が自分にあったなんて・・・」
「私も初めてお聞きしました」
しかし・・・偉いもの見てしまった・・・。当分悪夢にうなされるかもしれない・・・。(01,8,27)