呆冗記
呆冗記 人生に有益なことは何一つ書かず、どーでもいいことばかり書いてあるぺえじ。


逆賊死すべし

 さて、テンションが下がりっぱなしの今日この頃である。いったい私は何をしているのだろうか? こんな時には読書である。血湧き肉躍るような作品を読んで心を奮い立てるのだ。
 というわけで『皇国の守護者 6 逆賊死すべし』だったりする。佐藤大輔氏の描くファンタジー世界も巻を重ねてはや6冊。全巻は帝国の冬季攻勢に対して引き際を誤った皇国軍、しかも主人公新城の義理の兄でもある総司令官は病魔に倒れる。新城は義兄の替わりに帝国の攻勢をどう防ぐのか? といったあざとすぎるヒキで終わってしまった。待つこと半年近くでようやく続きが読めたのだ。はあ、至福。少し前のひたすら新作を待つ状況よりも遙かに幸せな日々をファンは送っているのだ。
 その分、赤丸黒ペケが読めないのは少し悲しいものがあるが・・・。
 しっかし、この、自分以外全部敵という状況、なんとなく私の現状とあまりにも似ているのだ。おそれおおい話だが・・・。
 この春から上司の上司が替わった。新任の専務は素晴らしき理想主義者なのだった。私の仕事ははっきり言うわけにはいえないが、非常に時間がかかる。故に取りかかる前に条件から判断してパラメータをいじくらねばならない。やってみて駄目だからパラメータをいじくろうというわけにはいかないのだ。しかし、ありがたい話で過去からの蓄積によるアルゴリズムが存在する。本来ならばそのアルゴリズムを通して作業に入る前にパラメーターをだいたいの状況にいじくる必要があるのだ。しかしだ、今回、この仕事に対して専務の命令が下ったのだ。
 「上杉君、このパラメータだが、ベストを尽くしているのかね?」
 「は・・・」
 「このパラメータを動かすことによって、我が社の利益率が大きく変化することはわかっているのだよね」
 「はい・・・」
 「この条件でパラメータを動かさずに作って見たのかね」
 「いえ・・・」
 「作ってもいないのにパラメータを動かすと言うのかね?」
 私は援護射撃を期待して部長の方を見たのだが・・・。
 「解りました、ご指導いただきましたとおりさせていただきます」
 あがあああああああ!
 何のためのパラメータ変更アルゴリズムなのだ。いったいなんのための・・・。先任者が、その先任者から引き継ぎ、もう、20年近く使ってきた(それで会社が十分利益を上げてきた)アルゴリズムなのだろう。しかも、期限というものが存在するのだ・・・。
 しかし、悲しいのは宮仕え・・・。結局、パラメータ変更なしで作ったのだが・・・。やっと完成させた数日後・・・。
 「これは何かね」
 「仰ったとおり、パラメータ変更なしで作成しましたが・・・」
 「これを実行できると考えているのかね?」
 「パラメータ変更なしではこれが精一杯です」
 「そうか・・・使えないな。これでは・・・」
 しかしである・・・。現実問題として期限は確実に存在する。
 部長、ここは一つ効果的な援護射撃を・・・。
 「それでは、従来のパラメータを変更したものを、予定期日までに作成させていただきます」
 「よろしく頼む」
 ぶ、部長・・・。専務ぅ・・・。今回の試作で時間あらから使ってしまったのですぜ・・・。
 孤立無援・・・。これが戦争?
 せめて、かわいい個人副官くらいほしいのだが。両性具有じゃなく、完全女性の・・・。
 仏様、これって贅沢ですか?(01,7,7)


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