呆冗記
呆冗記 人生に有益なことは何一つ書かず、どーでもいいことばかり書いてあるぺえじ。


やっぱり業なのだ
 (宇宙戦艦ヤマト)

 さて、最近、このサイトで友人Sをさんざん虐めたのだが、なんと、この日曜、友人Sのオリジナルである、朱雀龍樹から呼び出しを喰らったのである。
 やっぱり、あれかな、あそこで虐めすぎたかな? どきどき
 と彼の部屋に出頭した私を迎えたのは友人Tだった。
 「今日はとんでもないことになるニャ」
 なんなのだろう・・・。
 私の心は千々に乱れたのである。
 ほとんど本しかない朱雀の部屋・・・。そこには3畳ばかりの畳の小上がりがある。そこに、この部屋の主が座っていた。
 「お、来たな、今日は面白い趣向でな・・・」
 朱雀が言う。
 「ちょっと待てぃ!」
 私は思わず叫んでしまった。
 そ、それは・・・。
 「そう」
 朱雀の口が優越感にゆがむ。
 「『宇宙戦艦ヤマト』DVDニャ・・・」
 そのあとを友人Tがつなげた。
 宇宙戦艦ヤマトのDVD・・・私の行きつけのレンタルビデオ屋でいちきゅっぱで売りに出されていた、そして、臨時収入が入って買いに行ったらもう、二つとも売れていた代物である。
 「にいよんぱで売っていたものだからな、思わず買ってしまったのだよ」
 ぐぉおおおおおおおお! 畜生、畜生、畜生・・・。
 何故だ! 何故だ! どうしてなのだ・・・。最近、随分と調子がいいではないか。朱雀龍樹! この前はデジカメを貰ったり、鮎食いに行ったり、宇宙戦艦ヤマトのDVDを入手したり・・・。それに引き替え・・・。
 仏様、私が何をしたというのですか。
 「自覚がないのか・・・。こいつ・・・」
 「無いみたいだニャ・・・」
 三島由紀夫の時代から、物書きの近辺はネタにされるときまっているのだ・・・。
 「『宴のあと』は敗訴したはずだが・・・三島は・・・」
 「僕は、三島も太宰も嫌いだニャ・・・」
 そんなことはどうでもいい、うろうろしていたら、「古代君が死んじゃう」のだ。
 「テストはまだだが、行けるぞ古代」
 「朱雀、それ、コマーシャル知らないとわからないネタニャ」
 そして・・・。物語が始まる・・・。
 「をい・・・。突撃駆逐艦で、ガミラス突撃艇、やっつけられたんだな・・・」
 第一話を見ての素朴な感想である・・・。
 「ああ、買ってきて一度見たときにビックリした。どーもイメージ的に一方的にやられる宇宙防衛艦隊というのがあったんだが・・・。地球の技術のミサイルで充分に突撃艦クラスは撃破できたんだな・・・」
 「駆逐艦が突撃艦を撃破かニャ。オーバースペックではないのかニャ?」
 「いや・・・」
 「歴史的には正しい。駆逐艦の『駆逐』とは魚雷艇やなんやらを駆逐しようとしたところから付いた名前だ」
 ああ・・・。私が言おうと思ったのにぃ!
 ともかく。ワンランクからツーランクはおちる訳だ。冥王星会戦時の地球の技術は・・・。
 「しかし・・・、一応効果があるのがミサイルまでというのが痛いな」
 「レーザービームでは完全にガミラスの独擅場状態だったわけだニャ」
 そういうことになるな・・・。しかし、ミサイルで戦艦はやれないか?
 「難しいだろう。レーザーに比べればミサイルなんぞ這っているようなものだしな・・・」
 「やるとしたら飽和攻撃に持っていくしかないニャ」
 「大量のミサイルで迎撃能力を麻痺させてやるしかない。しかし、それだけの力が地球にはない・・・」
 「戦略ドクトリンを間違えたかニャ。『マクロス』のVFと反応弾のほうが効果はありそうニャ」
 「いや、そうは言えないだろう。本来軍艦というのは非常に応用の利く兵器だからな。『マクロス』があのようにゆがんだ兵器体系になったのはマクロスが落下してきて「敵」のデータがある程度入手できたからだろう? 1200メーターの戦艦が標準以下なんて世界で、単惑星が大量の戦艦の維持は不可能だ。貧者の兵器だったんだな、VFは」
 などなど一日『ヤマト』だったのだ・・・。
 しかし・・・。
 「どうした、上杉・・・」
 いや、少し哀しくなってな・・・私達、日曜に何をしているのだろうかと思って・・・。彼女とかいないのか? お前ら。
 「だれも、人のことは言えないニャ!」
 それはそうだが・・・。 (00,6,25)


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