呆冗記
呆冗記 人生に有益なことは何一つ書かず、どーでもいいことばかり書いてあるぺえじ。


一ノ蔵ふたたび

 さて、今年もやってきたのである。一ノ蔵の試飲会。美味しいお酒をいただけて、しかも、お土産までいただける・・・。はははははははは。これを幸福といわで、何と言おう。そう、言ってからはや1年。今年もやってきました試飲会。本来なら我々一般人は入れぬ所なれど、友人Sの奴が『M』さんで招待券を貰い、一緒に行ってから、我々の所にも招待券が届くのだ。行くぞ今年も試飲会!
 「今年こそは行くからな・・・」
 去年、行けなかったからって、目尻に涙をためて、拳を握りしめるほどのことか。友人S。
 「ほう・・・。貴様のような奴に人の気持ちを理解しろとは言わないが、じゃあ、自分が行けなかったことを想像してみろ。それくらいなら出来るだろう」
 
うわあああ、血の涙を流して暴れるぞ。私は。
 「勝手にするニャ・・・」
 どうした・・・。友人T。
 「今年も行けないニャ! みんなオイラが悪いのニャ!」
 なんか、偉く屈折しているのである。

 というわけで、Sと私と久部さん。3人で勇躍「一ノ蔵を楽しむ会」へと向かったのであった。
 今年も料理はチケット方式。しかし、ここで我々は味と組み立て。二つの条件に対応せねばならなくなってしまった。
 「最初は蕎麦だろうね・・・」
 そうでしょうね・・・。
 「どうしうてです。蕎麦は最後では?」
 甘いぞ、S、蕎麦は去年から鰊蕎麦。刻一刻と伸びるのである。最初に食っておかないと後が辛い。
 「そんな、最後に蕎麦で締めるのがぁ・・・」
 次はたらばか? がびがびに乾く前に食すのが吉だ。
 「おお、ほたてがなくなってる」
 確かに、しかし、去年は同じコンソメ味でしたからね・・・。変わっても大ダメージはないと思います。
 「天ぷらの塩は元に戻ってるね」
 昨年、よっぽど苦情がきたんじゃないですか。
 「宮城名物牛タンスモークだけど、やっぱり炭焼き牛タンとの比較は無理があるね」
 そうですね。今度また、稚内に食いに行きますか。
 「牛タンは稚内に限るかい」
 わはははは。と、どうした? S。
 「ふん、どーせ去年来てない人間や、GW熱出した人間には、わからないことばかり言って・・・。」
 来ない奴が悪いのである。放っておいて、次へ行く。
 「牛肉は最後だろうね」
 そうでしょうね。あんまり味が変わりそうにないですし、味が濃いから酔っぱらってからも十分対応可能です。
 「へ・・・そうか?」
 牛肉くわえたSが素っ頓狂な声をあげる。しかも、それは純米大吟醸のグラスじゃないか。おまえ、本当に酒飲みか? 宮城のつまみでじっくり飲むという態度はないのか?
 「うう、そう言われると、俺の場合大酒飲みであって酒飲みではないのかもしれないなあ・・・」 
 しかし、この件に関しては我々は間違っていた・・・。牛肉の胡椒焼きはあっという間に売り切れ、ホテル側がすぐ来ると言った補給は遂に来ず、私と久部さんは牛肉を食えずに終わったのである・・・。人数の読み違いか、盛り方のミスか、画竜点睛を欠く出来事であった。
 酒は相変わらず美味しい。あったのは11酒。というわけで、一ノ蔵試飲レポートである。

  1. 純米生酒 ひゃっこい まずくはない。しかしなんか日本酒らしからぬ+アルファがある
  2. すず音 去年の試作酒が製品化、カルピスサワーの日本酒版。そう言うのが好きな人にはOK?
  3. 無鑑査辛口 こいつをデフォルトにしてすべてを語ろう。美味。
  4. 山廃純米 円融 去年のマイベストが味も何も変わって来た。大量生産の日本酒の酸味のようなものが「のようなもの」でしかないことを確認することが出来る酒。一般的イメージの日本酒らしい日本酒。しかし、個人的には去年の方がうまかった。
  5. 樽 甘い。しかし、年輩の人に聞くと薦被りの樽酒というのは甘いのだそうだ。
  6. 福坊主 アルコールが先に来る。すっきりはしているが、何を目的に進むつもりなのだろうか? 
  7. 純米大吟醸 流石チケットがないと飲めないお酒。今回の試飲の中では最高級品。ここまでうまい酒があっていいのか? いいのである。いやあ、やっぱりうまい。
  8. 無鑑査超辛口 美味しい。本当に美味しい。コストパフォーマンスから言うとこれが最高かも知れない。ほんと。
  9. 無鑑査甘口 やっぱり鍋物、おでんのつまみを用意すべきだと思う。今日のつまみでは実力を発揮できない。
  10. 松籟 やっぱり微かに苦い。なんなんだろう。
  11. ひめぜん ひめぜんはやっぱりひめぜんなのだ。しかし、これにオレンジピールを漬け込んだハーブ酒にはびっくりした。ひめぜんの隙間にぴったりはまっている。美味。びっくりした。

 そんなこんなで抽選会。どうせ当たるはずがないのだ。そう思って飲んでいると・・・。
 「札幌市E区、朱雀さま。2等当選です」
 ぬぁにいい? なんてこったい!
 「では一ノ蔵、特別限定酒、『玄昌』です、どうぞ」
 なんだと・・・。純米大吟醸より高い奴じゃないか・・・。
 戻ってきたSはたった一言。
 「正義は勝つ」
 
私はグラスをあおるしかなかったのだった。
 しかし、デジカメといい今回といい、最近莫迦ツキの友人Sである。
 まさか、女性運をほかに使う術を覚えたのではあるまいな? もしも、そんなことが出来るなら。即座に、今度ドリームジャンボを買うのだが・・・。どっとわらい。(00,5,18)


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