呆冗記
呆冗記 人生に有益なことは何一つ書かず、どーでもいいことばかり書いてあるぺえじ。

ああ衝動買い

 さて、春は転勤のシーズンである。というわけで、私の職場でもあっちこっちで送別会が開かれている。ま、そんなことはどうでもいい。今回の話は酔った勢いとその結果についてである。
 友人Sの友人にも、
酔った勢いで同期の女学生を嫁さんにしてしまった男がいるそうだし、私の友人にも、酔った勢いで先輩を口説いてしまい素面になって大慌てという愉快な奴がいる。
 私はと言うと酒の失敗は山ほどあるが、色っぽい話は皆無と言っていい。
 ま、酔った勢いで衝動買いと言った程度が関の山である。
 と言うわけで今回の呑み会のあとに寄ったゲームショップで今回もまた、衝動買いしてしまった。
 PS2ソフト『ボクと魔王』である。
 このソフトを知ったのは、『ガンパレードマーチ』の情報を得るために購入した『電撃プレイステーション』である。新作紹介に書いてあった情報から、何となく気になっていたのだが、予約もせずにいたら『Yカメラ』にも『はい電気』にも商品がなくなってしまった。そんなこんなで、縁がなかった。そう思っていたのだが。呑んで帰る途中のゲームショップに転がっているではないか。思わずゲットしてしまった。今月は今後、『サクラ大戦3』『スーパーロボット大戦アルファ 外伝』を買わなければならないと言うのにである。
 早速帰宅して一人三次会のビールを啜りながら、PS2の電源を入れる。
 あっさりとしたオープニングに続いて主人公の名前を入れる。
 さあ、開始である。
 しかし・・・。この主人公。全くもって影が薄い。薄すぎる。ここまで影の薄い主人公は未だかつて見たことがない。
 妹にはいいようにあしらわれ、父親には魔王の生け贄にされる。三択があるのだが、どれを選んでもどうやら同じように話が進んでいくようなのだ。(何か隠しパラメータがあるようだが・・・)
 挙げ句の果てに少しイベントをこなし、レベルが上がると、憧れていた女の子から「あなたの影が薄くて、尻に敷けそうで、冷たいご飯も文句を言わずに食べてくれて、服を衝動買いしても文句を言わなそうなところが好きだったのに。変わっちゃったのね。さよなら」
(意訳)などと言われてしまうのである。こんな主人公、未だかつていただろうか? いや絶対にいない。
 では、逆に主人公の父親が、おばけに襲われた妹の呪いを解くために封印を解いてしまった(解いたではない。念のため)魔王、スタン(サタンではない。念のため)はというと、魔王の威厳のかけらもない2D魔王なのである。影の薄い主人公の影に宿る300年前に壺に封印された威厳のない魔王。この二人組がどうやら封印の間に失った魔力を得て魔王を名乗る中ボスを倒しながら世界を行脚する話のようである。
 しかし、主人公にその動機意識が全くないのが非常に笑える。勇者の血筋も、勇者たらんとする動機も、主人公には何もないのだ。何もしたくない主人公はしかし、他者に流されて旅をするのである。こんなどーしようもない設定はかつてなかったのではないだろうか。しかし、このどーしようもなさが心地よいのだ。
 この二人よりも、行く村や町の住人の方がはるかに個性的なのである。
 いったい「Rの女」さんの重い過去とは何なのだろうか? 赤い浮きの釣り竿の持ち主は誰なのか? 暗号を解きまくった末に得られるものは? などなど、どーでもいいところに凝っているのも好感が持てる。
 更に特色があるのは途中で仲間になった勇者様。彼女は過去にスタンと関わり、その影をピンクにされているのだが、彼女が言う台詞が
 「主人公君、死んでくれる」
 なのである。これが勇者の台詞だろうか?
 これは当たりかもしれない。ただ、少しばかりマップが見にくいのが難だろうか? あと、第三話でお姫様はどこにいるのだろうか? 片手間にやっているとどうも、さくさく進まないのである。(01,3,23)


backindexnext