じゅらるみんへるめっと
吸血懺鬼ヴェドゴニア 3
で、ロードヴァンパイアルートはどうだった? 友人S。
「貴様まで、そう振るのか? え、やっぱりお姉さまコンだというのか? まあ、いい。
確かに下手をすると一番救いのあるラストかも知れないな。逆に一番救われないラストかも知れないが・・・。ともかく。綺麗な終わり方をしてくれたと思う。少しあざといがな? どう思う? 物書き上杉なら」
うーん。確かに。しかし、ああいうラストにしたいという欲望は確かにあるよな・・・。うん。
「で、ヴァンパイアハンターは上杉ニャ」
だから、彼女は18なんだってば・・・。もっと行ってるかと思ったが・・・。ロードヴァンパイアと対の存在だったりしたら凄く面白いと思ったんだが・・・。
まあいい。他の3人とはまったく別個のシナリオだ。こっちも見ないとわからない情報も多々あるし。しかし、なんか、こっちのヒロインの方が、性格が出ているような気がするのだ。ヒロインルートのヒロインは結局お姫様か?
「おお、語る語る」
うるさい。あと、前回も言えることだが、真のヒロインに虚淵さんはきつすぎんだな。前回、キャルにぬくぬくラストがなかったのが残念だったが、あのラスト。乾いた明るさは確かにあったのだ。でも今回のラストは何だ? 結局主人公もフリッツのように変わってしまったのか? あれは悲しすぎるぞ。
「前回のヒロインはアインニャ。ま、それはともかく、あのラストは確かに一種、悲しすぎたニャ」
そうだろう。あと何か言いたいことは?
「じゃあ、いつも通りに敵側について言わせてもらおう」
「行くニャ」
「まず、悪の魅力に欠ける。これが致命的。今回は主人公側が超絶的な力を持っているのに対して敵の力がいまいち大きく描かれていない。これが致命傷だな」
そうか? 三銃士は?
「まあ、待て。問題はそこにもある。三銃士の描き方がシナリオによってばらつきがありすぎる」
「確かにそうニャ」
「一人は姑息な裏切り者。あとの二人はヒロインルートとロードヴァンパイアルートで立場が入れ替わる。うげえ、無茶苦茶強いのが3人もいる。という恐怖感がない。各シナリオで怖いのは1人だけ。もったいない。
あと、女科学者もいまいち姑息。彼女が企業の代表者と言うことで、企業も姑息に感じてしまうのだ」
ううーん。そうか・・・。
「やっぱりケフカニャ?」
「そうだなあ、あれがやっぱり最高かな・・・。絶対的な悪の存在が欲しかったな。なんか『吸血鬼になって疲れて可哀想』。そんなもんじゃないだろう」
でも、原作はそんな感じなのだ。亜流は随分と悪逆非道だが、原作は冴えない田舎貴族ではないか。
「うーむ。そうなんだが・・・」
結局、ロードヴァンパイアは絶対悪で、その下には強力無比な三銃士。ヴァンパイアと協力する企業の生み出すキメラヴァンプをたたきつぶす孤独のヒーロー。ヴェドゴニアそういう話になるのだな?
「仮面ライダーって、そういう話ニャ。それが王道。王道だから面白いニャ」
少しひねりたい願望は誰でも持っているのだがなあ・・・。
「ひねって面白くなればいいのだが、今回はいまいち成功しているとは言い難いな」
そうか、。
「あと、少しお遊びが過ぎたかニャ。『ヘルシング』と世界が一緒って言うのは少しやりすぎじゃないかニャ」
いや、それはありじゃないか逆に『ヘルシング』の方でキメラヴァンプ出たりして・・・。
「あるかも知れないなあ・・・」
「怖い話になったニャ・・・」
まさかとは思うのだが・・・。
「ところで、『じゅらるみんへるめっと』ってなんだ?」
いや、適当だったりする。
「アホニャ」(01,2,15)