呆冗記
呆冗記 人生に有益なことは何一つ書かず、どーでもいいことばかり書いてあるぺえじ。


スパイ大作戦見て考えた

 久しぶりに映画に行って来た。この前見たのはいつだっただろうか。記憶をたぐってみると、少なくともこのサイトを立ち上げてからは見に行った記憶がない。というわけで、久しぶりの映画が『MI2』である。トム・クルーズ主演の『スパイ大作戦 2』である。
 で、感想だが。

 見に行った俺が莫迦だった!

 のだ。
 いや、凄まじく期待したのだ。監督がジョン・ウーである。『男達の晩歌』である。『ハード・ターゲット』である『フェイス/オフ』である。で、トム・クルーズである。
 確かに前回の『ミッション・インポッシブル』は駄作だった。しかし、それは前作の脚本家が、裏切り者の名前にジム・フェルプスの名を使ったからであり、それ以外の面では私はそこそこ評価していたのだ。(その一点で許し難いのもまた確かである)
 しかし・・・。しかし・・・。ジョン・ウーである。ジョン・ウーなのだ。一大スペクタクル・スパイ・アクション・スリラー映画『MI2』を私は見に行ったつもりだった。
 しかし、冒頭から笑わせてもらった。ロッククライミングをするイーサン・ハント。わかる人だけわかって欲しいが、私は思わずミスター・スポックを探してしまったほどである。
 で、冗長なヒロインとの出会いとカーチェイス。ここらへんで違和感ばりばりである。で、気がつけばちっとも怖くない敵との立ち回り。
 ビルの屋上からの侵入は前回のコンピュータへのハッキングの焼き直し。割れたガラスの上での戦闘は、『ダイ・ハード』の方が遙かに効果的。なんかどこかで見た映像が続くような気がする。
 うーん。どうも世界的陰謀とは思えないのだ。いや1時間TV枠なら充分なのかも知れないが、2時間の映画としては、事件自体が物足りないのかもしれない。今日日、致死性ウィルスというネタは漫画でも垂れ流している話である。ハリウッドの大作としてはもう少し頑張って欲しかった気がするわけだ。
 確かに『マスク』を使った敵味方の化かし合いはおもしろかったが、予測がきいてしまって今ひとつ効果が薄い。
 最後は予想通り最後のウィルスをヒロインが自分の体に注入。時間との競争になるのだが・・・、ヒロインの病気の進行が、事前の例と異なっているのも興ざめだ。(たしかに女優さんの顔にぶつぶつは付けられないだろうが・・・。しかし)
 それに、最後のバイクチェイス。
 タイヤをアスファルトにこすりつけたぐらいで煙幕になるか?

 おお、アスファルトと砂浜ではバイクのタイヤのトレッドパターンが自動的に変化するのか? まるっきり『マッハGO GO GO』のマッハ号みたいだ。ボンドカーより進んでるんと違うか?
 とか、あらを探して椅子に座っているしかなかったのである。
 そして、最後のボテクリ合い。
 彼女が死にかけているのだ。何はともあれ追っ手をぶち殺して彼女の元に駆けつけるのが筋ではないのか? それが延々とお互いボテクリ合うのだ。
 追っ手も追ってである。ハントが上着に入れたウィルスとワクチンを砂浜に置いたら、その上着ひっつかんで逃げたっていいではないか。
 ヒロインもヒロインで、海に飛び込んだ場合、ウィルスが海で繁殖したらどうする気なのだ?
 気になってしょうがないのだ。

 結局、がっくり疲れて映画館を後にしたのだった。

 しかし、たどり着いた行きつけの喫茶店で映画のパンフ(800円もする豪華版だが・・・内容は薄い)を開いて私は私と映画の食い違いを納得したのだ。
 パンフレットの作品紹介にあった文字。それはロマンティック・アクション・スリラー映画『MI2』だったのだ。
 これでは期待が裏切られて当たり前である。誰が悪いのでもない。私が悪いのだ。
 かくて、私の久しぶりの映画鑑賞は失敗に終わってしまった。次はなんだろう。実は、悪役見たさで『ホワイト・アウト』など見に行きたいとは思っているのだが・・・今度はおもしろいといいのだが。
(00,7,23)


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