呆冗記
呆冗記 人生に有益なことは何一つ書かず、どーでもいいことばかり書いてあるぺえじ。


クリスタルについて考えた

 というわけで、FF9をどうこう言っている最中にFF5である。前にも言ったが、私が一番好きなFFが5だったりする。(7のエアリス除く)残念ながら、SFCとカートリッジを弟に取られているので(実は現在、弟がFF4〜6をやっている)実際問題として友人Sから入手したPS版をPS2で行うという変則的なプレイであることをまずお断りしておく。
 冒頭のムービーシーンはパスして、始めると、なんというか実にFFらしい世界がそこに広がっている。チョコボと旅をする主人公。突然発生した天変地異。それに巻き込まれた女の子の危機を見過ごすような男は男ではないのだ。いけいけバッツ。である。実にもって事件への導入がスムーズに入っていて気持ちがいい。なんで、こいつはこういう行動を取らねばならないのか?そういった事に対しての回答がきっちりと成されていることが、実に持ってこのゲームの感情移入を容易ならしめているのだ。
 レナとガラフを仲間にして海賊のアジトに侵入する。一応その時点でのヒロインの父親を助けるために船が必要。船をどこから入手するか? 目的が実に明快である。海賊の親分のファリスとレナのペンダントが同じという演出もいい。何かがある。初めての人間には空想の余地があるのだ。
 そして、風の塔へ。ここでこの世界を維持するクリスタルの異変を目の当たりにした主人公達一行は、自分たちが大きな事件に巻き込まれてしまったことを知る。『もう、後には引けない』のである。そして、事態は一気呵成に進んでいく。水のクリスタルの破壊、火のクリスタルの破壊。ガラフの予想だにしない告白に驚きながらも、土のクリスタルを守るために一行は進む。
 彼らに逃げ場はないのである。

 と、まあ、ここまでで5時間である。たったの5時間。それでこの密度・・・。ため息が出る。FF9で5時間と言ったらどのあたりだっただろうか? 確か森に落っこちた程度か? FF8では? FF7では? 今、こうして考えてみるとFF4〜6の密度の高さはやはり嘆息するしかない。やはり名作はいつまでも語り継がれるのだろう。そう。きっと。

 次にシステムを見てみよう。3で始まり、5で完成の域に達したジョブとアビリティ。あまり使わないジョブやアビリティもあるものの(当然FF6では淘汰された)そのゲームの自由性には舌を巻く。相手の隙を衝くようにジョブをチェンジし撃破していく快感。もしくは正統的にバッツを「シーフ」、ガラフを「モンク」。レナを「白魔導士」、ファリスを「ナイト」にしてそのジョブを最高レベルにするまで話を進めてもいい。(「海賊」がなかったり「竜騎士」が最初からないのが残念だ。更に私はひよってファリスを「黒魔導士」にしてしまったが)
 また、エンカウントはひたす凶悪である。何かやろうとしたらポーションは山ほどもって行かねばならない。それでも冒険行の後半はポーションを使い果たしてびくびくしながらの冒険になる。死にそうになりながらやって来た街の一歩手前でエンカウントが増える(ような気がする)DQ対して、FFは常にエンカウントがなされる。もう、非道いときには一歩でエンカウントである。それこそがFFの醍醐味だったはずだ。

 更に、世界観は明確である。風水火土の4つのクリスタルに守られた世界。そして、異世界の勇者達が異世界の悪をそのクリスタルの力を借りて封印する。その封印が解かれ砕けていく中で主人公がいかに動き、いかに戦うのか? 
 確かに導入は少女を助けるというわかりやすい目的であったが、その動機は次々と現れる事実の前により大きな大儀となっていく。
 むろん、そんなお為ごかしの大儀を否定する方々がいることは否定しないし、恋愛こそが人間の行動の全てだと主張する方々もいることは認めよう。しかし、男という者は、いや漢というものは大儀のために生きるモノだと、アニメと電脳遊技の中ぐらいは思いたいではないか。(現実で疲れ果てている人間としてはだ)そうして、ここにはそんな世界が広がっている。
 だから、私は睡眠時間を削ってラストフロアまで、過去に進んだ道を進むのだろう。
 果たして8月3日までに終わらせることが出来るのだろうか? 8月3日に何があるのか? それは秘密である。(00,7,20)


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