呆冗記
呆冗記 人生に有益なことは何一つ書かず、どーでもいいことばかり書いてあるぺえじ。


最終幻話(ファイナルファンタジー)やって考えた その2

 さて、物語は続く。いやあ、FF9、最高である。もう、ゲームは一日5時間半! 状態で遊んでいる。夜9時に帰ってきて2時近くまで。睡眠時間を5時間に削ってカロリーメイト囓りながら、なぜこんなに嵌るのか? 
 理由は簡単だ。戻ってきたのである。古き懐かしき、SFC版FFの世界が戻ってきたのだ。私にとって。
 単純なシナリオ。そう、7の叙述式トリックほど難しくなく、8の破綻したシナリオでもない。必要にして充分なお約束と、意外な予想を裏切る展開。これはもう、一種の安定調和だろう。
 逆に言うと7から入った人にとってはお約束過ぎて苦痛かも知れないが。これでいいのではあるまいか。
 確かにネット上ではそんなに盛り上がらないFF9だが実際の売上はどうなのだろうか? 単にマニアの口に上らなくなっただけで、充分に売れているのではないか? 一般的なRPGとしてはそれが正しいのではないだろうか。
 話が少しずれた。本論に戻ろう。
 FFの世界における特異性、それは何だろうか? それはまともな大人の存在であろう。主人公を教え導く存在。FFにおいては主人公は絶対ではないのだ。このあたり、主人公が絶対であるDQやその他のRPGとは異なるところではないだろうか?
 ところがだ、PS版FFになってからはまともな大人がでてこない。7ならば、まだしも、8のシドにいたっては高校生の後ろに隠れる体たらくである。まるっきりトミノガンダム(初代、F91除くかな・・・)ではないか。どうしても若造だけのシナリオは底が浅い。そう思うのは私が歳をとったからだろうか?
 ともかく、ガーネット王女に感情移入さえ出来れば、あの純粋な愚かさを肯定できればシナリオに破綻はない。盗賊団の親分も渋い。ブリ虫にされたシド閣下もなかなかの人物であろう。
 細かいところも過去のFFに準じているあたりがオールドファンについては郷愁を呼ぶ。ギル入手のちゃりんちゃりんちゃりん。各所に散在する過去のFFを彷彿とさせるクエスト。戦闘時の音楽、更に新作も決して出しゃばらない今回のBGMは植松氏会心の出来であろう。それでありながらこのBGMでなければならないのだ。私は、今回のBGM集は喜んで買わせてもらう。もう、決定である。
 更に、今回のFFを本来のFFチームが制作したのではないと言うことも象徴的な事象ではないだろうか?
 トヨタの自動車開発部の方が言われた名言。
 『消費者のニーズから一歩進んだ車は売れない。消費者から半歩進んだ車こそが売れる車なのだ』
 という言葉を噛みしめると、今回のFF9の存在が浮かび上がってくるような気がする。
 FFは日本のフィールド型RPGの覇道を進むものとして存在する。むろん、王道はDQである。先行するDQに対しFFは常にトリッキーな内容で対応することに慣れすぎてしまったのではないだろうか。その結果が昨今の1歩(もしくはそれ以上)進んでしまったFFではなかったのか。
 確かにFFは最初からファンタジーよりもSF的素養が強い作品であった。(FF1から
浮遊城こと宇宙ステーションや、ロボットがでてくる)しかし、仮にもファンタジーを名乗る以上、それは隠し味程度に押さえるべきだったのだ。しかし、その歯止めがPS版FFには存在しなかったような気がしてならない。
 ところが、今回、別チームの制作ということで、制作サイドのFFイメージではなく、ユーザーサイドのFFイメージで制作されたFF。それが今回のFF9である。そう考えるのだ。
 そうであっても各種道具立ては確実に成長している。確かに品質が落ちたかに見えるムービーだが、しかし、これはグレードのあがったゲーム画面と何の違和感もなく接合している。FF8のような美麗ムービーショボ画面の凄まじい違和感はまったくない。ゲームとしてのパッケージとしては間違いなくFF8よりも上であろう。
 そして、もう一度言うがシナリオの安定性。それが何よりも大きいのではないだろうか。確かにゲームとしての新しいものはFF9には何もないかも知れない。しかし、ゲームとしていくらおもしろくても、シナリオが破綻している作品をRPGと呼ぶことは私にはどうしても出来ないのだ。
 むろん、好き嫌いは間違いなく分かれるだろう。
 ことにスタイナーの存在を是とするか否とするかでも違って来る。
 あの下睫毛。間違いない。銭形である。それをふざけているととるならば、この作品を肯定することなどできまい。私はもう、大笑いさせてもらったが、声を大にして否定する人物がいても仕方がないだろう。そんな人間にはバイオハザードとおぼしき作品のパロディや過去のFFへのオマージュとおぼしきクエストも二番煎じ=駄作という方程式が成立するのかも知れない。ただ、そう切り捨ててしまうにはあまりにも悲しいような気がするのだが。
 悪ふざけ承知で言わせてもらうなら、ラスト、まさかカリオストロをやる気ではないだろうな。制作者サイド。

 というわけで、今回はこの辺で。再び私はゲーム世界に戻ろうと思う。
 しかし、今回レベル5デスが凄まじく凶悪。それを使う中ボスに必ず主要メンバーが5の倍数の時にぶつかるとは・・・。このあたりもテストプレイがかなりこなされていると考えるのだが。穿ちすぎだろうか?
(00,7,11)


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