呆冗記
呆冗記 人生に有益なことは何一つ書かず、どーでもいいことばかり書いてあるぺえじ。


電脳遊技(真魔装機神)をやって考えた

 今回は、わからない人にはとことんわからないネタである。っていつものネタがわかりやすいかというとまた別の話なのだが・・・
 とにもかくにも、前回(『笑うしかない』)でさんざん酷評した『真魔装機神』ではあるが、他にやるゲームもないのでちんたら続けていたのである。このゲームを創ってくださった方々には申し訳ないが、ちんたらという言葉がこれほど合うゲーム態度も私にしては珍しい。普通、私は一挙集中型なのだ。
 しかし、シナリオを一つやってはふて寝し。もう一つやっては踊り出し・・・と寡作作家のまねごとをしても仕方がない。ところがである、なんとなく風向きが変わってきたのが、シナリオ11あたりからだった。すなわち、このゲームに要求するものがようやく得られたのである。そう、それが魔装機神サイバスター。これが出ないでなんの魔装機神か? 主人公だけのシナリオがいくつか続くともう、無敵の強さである。わはわはわは。『サイフラッシュを使わずして何の魔装機神か』状態で一挙に突っ走ってしまったのだった。で、本日、めでたくエンディングを見たのだが・・・。これって結構教訓に満ちているのではないだろうか? すなわち、この作品は完璧に読みを外しているのだ。
 まず、魔装機神という名前を出した瞬間に、連想されるのはその名の通りサイバスターである。中にはザムジードが好き! ガッデスがいいとかいるかもしれない。グランヴェール最高と言う人は・・・いるのだろうか。同時に、マサキ、ミオ、テュッテイ、ヤンロンというキャラクターを思い浮かべる人もいるかも知れない。しかし、この作品には最初はその両方が出てこない。これでは勢い込んで購入した人間としても困ってしまうのだ。更に、ストーリーにつながりが感じられない。
 『魔装機神』をやっていないのでよくわからないところもあるかも知れないが、確か、あっちの国名はラングランとシュテドニアスだったはず。それがこっちではバルツフィームとラガーシュ。どう考えてもつながりが感じられないのだ。
 マシン、キャラ、ストーリー。この全てがあわなくて続編を名乗るとは、まるっきりトム・クルーズの『ミッション・インポッシブル』ではないか。
 私は誰がなんと言おうとあの作品を認めない。なぜならば、旧作、新作で我々の仲間であったジム・フェルプスの名を裏切り者として記憶させた作品だからである。あの作品のシナリオライターは視聴者を吃驚させるためにあんな姑息な手段を弄したのだろうが、現実には旧作、新作のファンの逆鱗に触れただけではなかったのか?
 しかして、ようやく11話からサイバスターだけが出てくれる。これでようやく少しだけ、気持ちが落ち着くのだが・・・。しかし、悲しいことにサイバードにはなってくれない。各魔装機神の武器もなんとなく違う・・・。そう、最初からこう考えるべきだったのだ。これは別のゲームであると。
 そう考えるとなかなかおもしろい点は存在する、前面、側面、背後で攻撃防御の数字が異なるのはスパロボアルファより遙かに戦術性を増す。(「スーパーリアルロボット戦線」では実現しているが。どうしてアルファでは取り入れなかったのだろう)また、飛行中の方向転換のしにくさもそういった点から言えば納得できなくはない。ただ、まったく無名のシミュレーションゲームとして大きなウリがあるかというとそんなものはほとんどない。
 3Dの戦闘シーンはちゃっちいいし、途中のアニメーションも、3Dが1999年作品とは思えないほどちゃっちい。『なんとかかんとかかんとかなんとか』という名前で市場に出たとしたら、亜流、物まねの汚名を受けてあえなく沈没しかねない作品なのである。それでも故の『魔装機神』の名であるならば、これはユーザーを舐めているとしか思えない。いかなる理由があったのかは知らないが、そう言われても仕方がないはずだ。
 しかし、こんな作品でも見るべきところはある。シナリオ20話からの4魔装機神揃い踏みのあとのバランスはさすがといえるものであるし、(逆に言うと10話までは敵有利、19話まではこっち有利のように感じられた)シナリオもありきたりだが、酷評するレベルではない。(少なくとも某8番目のように破綻はしていない。ってあれと比較されるのは不本意かも知れないが)しかし、ずっとやってきて『ああ、やってきて良かった』という感動がここまで希薄な作品も珍しいのではないだろうか。結局物語は予定調和に終わり(これを否定するわけではない)エンディングが流れて、『fin』マークが出る。
 「さて、おまけモードでオープニングやしょぼい3Dでも見ようかな」
 ところが、そんなものがどこにも存在しない。やりっ放し、終わったことを、反芻することも出来ない悲しいゲーム。
 『魔装機神』。この名において何をやっても許されると考えたのならばそれは大きな間違いである。キャラと、マシンと、ストーリー。これが組合わさってこその『魔装機神』なのだ。
 というわけで、結論に持っていくのだが、最近、この手の商売が多くはないだろうか? 『剣と魔法を出しておけば』『美少女とロボットが出ていれば』安易な読みは向こうから外れるのだ。これはよくよく自嘲せねばならないのかも知れない。(00,7,4)


backtopnext