呆冗記
呆冗記 人生に有益なことは何一つ書かず、どーでもいいことばかり書いてあるぺえじ。


冴速玲さんの話

 GW、名古屋のKさん、札幌急襲! というわけで、今回は名古屋のKさんこと、冴速玲さんの話をしようと思う。
 冴速さんは久部さんとはまた別の意味で傑物である。その趣味の広さたるや『人生は少しの酒と本とアニメ』と嘯く私や、『人生は多量の酒と史書と電脳』という友人S、『人生は美味な珈琲とゲームと美少女』という友人Tが総当たりでかかっても追いつかないのだ。恐ろしい話である。
 なにせ、一晩でSとドイツ騎士団について「ドイツ騎士団に占領されたポーランド」と「武力しかない国家としてのドイツ騎士団」で議論をたたかわせてウォッカを1本空にしたかと思うと、Tと『サクラ大戦』のキャラクターで盛り上がり、二人で『エルフの頭に味噌つけてガリガリ食べる』とまあ、訳の分からないことを言っては笑い出す。漫画やSFの知識は私よりも深い。更に戦術級シミュレーションにおいては遠距離射撃であたりかまわずぶちのめし、RPGではレベルをあげまくってラスボスをタコ殴りにし・・・。誉めているはずである。そう、誉めているはずなのだが・・・。
 「誉めているようには聞こえないニャ」
 おお、友人T。
 「かの昔、テーブルトークRPG『ルーンクエスト』ではエルフは植物ニャ。だから味噌つけてかじるとモロキュウになるニャ」
 おいおい
 「だから、ロードスのディートも植物ニャ、あははははは」
 い、今ので何十人、この世の人間を敵に回したのだろうか。
 それはともかく、冴速さんである。
 「あれは、人物だからなあ」
 おお、なんか久しぶりだな、友人S。
 「時間割が忙しくてね。白い時間割が迫ってくるんだ・・・」
 冗談になってないぞ。目がまじだ・・・。
 「ま、それはおいておいて、昔、冴速やその友達のJさんと車で旅をしていたときなんだけどね。向こう一面全部信号が赤になったときがあるんだ。そのとき、俺は『ち、全部赤だ』と言ったんだよ。そうしたら冴速は『ということは、次は全部青になるんだわ』。これで、俺は『ああ,こいつには人間性で敵わないな』と思ったんだよな。じゃあ、忙しいんでまたな」
 なんか慌ただしい奴である。
 ま、かように人間性に優れた人物が冴速さんなのだが・・・。
 ただ、私の場合、あの人と行動すると恐ろしいことが起こるのである。
 「京都・奈良で『エンジェル伝説』。名古屋で『少女革命ウテナ』ニャ」
 あ、どこでそれを・・・。極秘事項なのに、防諜はどうなってるんだ!
 「防諜も何も、京都・奈良の本屋のカバーをつけた『エンジェル伝説』が本棚にあったニャ。なにしに奈良・京都へ行ったニャ」
 一言もないのである。うう、この話はいつしか、もう少し覚悟を決めたら語ることもあるであろう・・・。

 「上杉サン、小樽いこ、小樽、小樽行って小樽第一倉庫の地ビール飲も」
 わ、びっくりした。
 「わあ、冴速さんニャ!」
 「わあ、Tくんだな。Tくん『キャッスルファンタジア 聖魔戦記』は結構おもしろいんだわ」
 「『真・瑠璃色の雪』は外道さが欠けて少し悲しいニャ」
 だああああ。よさんか! そーいう話は自分のところでやらんかT!
 「じゃ、上杉サン、よしむらなつきの『里見☆八犬伝』はおもしろいんだわ。ホント、心が洗われるようなんだわ」
 冴速さん、小樽へはビールのみに行くんでしょうが・・・。

 そして、帰ってきた私の前には小樽の本屋を3軒まわってようやく見つけた『里見☆八犬伝』の3巻があったりする。私はいったい、なにをしに小樽へ行ったのだろうか・・・。(00,4,30)


backtopnext