呆冗記 人生に有益なことは何一つ書かず、どーでもいいことばかり書いてあるぺえじ。
史上最悪の作戦
風が吹く。荒野の風が。
「大佐・・・。どうしろというんですか。大尉も少佐も、中佐までもも転属なら、作戦司令部の戦力、消滅も同じですよ」
「上杉中尉、おまえさんがいるじゃないか・・・。師団長お気に入りの・・少尉も配属された。戦力になるさ」
「本気で言ってるんですかそれ」
「ま、後任の・・中佐は勤勉な人間だ。俺より頼れるぞ。特務には10年ほど離れていたがな・・・」
新たな戦火が轟音とともに燃え上がる。
「敵は、目前なんだぞ。なのに兵力配置すらおぼつかない。何をたらたらやっているのかね。上杉中尉」
「お言葉ですが、中佐殿、中佐殿は機動防御というものを・・・」
「止せよ少尉・・・。中佐殿、少尉はよくやっています。配置さえ終われば・・・」
「配置した戦力は使用できるようになるまで3日はかかる。明日にも敵が押し寄せてくるかもしれんというのに。どう責任をとる気かね。40近い破綻がある。戦力は配置すればいいといいうものではないんだぞ」
怒濤のようにおしよせる帝国の猛襲。
「莫迦な・・・。中尉。あれだけの敵を・・・いったいどうやってこんな短時間で」
「中佐殿、これが機動防御です」
次々と巻き起こるアクシデント。
「中尉、第二大隊の兵力の報告ミスです。第二大隊第四中隊は兵力としての体制をなしていません! K方面ががら空きです」
「少尉、大隊司令部へ連絡、回せる兵力数を連絡させろ。こうなったら限界まで働いてもらうぞ」
「莫迦な・・・情報伝達がミスっている。傭兵部隊が動けないだと? 傭兵部隊司令は何をしてるんだ・・・。少尉!」
「情報が不足しています。中尉。どうします?」
「やるしかあるまいよ、作戦を組み替える」
「上杉中尉、M方面軍副司令より連絡、部隊が頓挫。動かせません!」
「少尉、時間を稼いでくれ30分で何とかする」
「なんとかできるのかね。中尉」
「中佐・・・。なんとかします」
「中尉殿。僕は・・・無能なんでしょうか」
「少尉、俺と同じ歳になってからその言葉もう一度考えてみな。今は自己憐憫に浸る時間はないぞ」
「中尉! 第五大隊から連絡。現状の作戦行動では追随できないそうです」
「莫迦な・・・。第五中隊には最初に作戦計画書を廻してあるんだ! 少尉、再度確認してくれ」
「第二大隊も限界だそうです」
「・・・」
上杉 明の孤軍奮闘は続く。
(じじぃは茶でも啜ってろ。戦争は俺がやってやる!)
最大のスケールで贈る戦争巨編!
「孤独の狢」
これが去年の時点での史上最悪の作戦。しかし、今年の作戦は更に史上最悪。
真面目な話、死ぬかと思った・・・。
ま、現状では記憶に結晶化するまで思い出したくもないのだが、中佐はそのまま。唯一使えた少尉は転属。新たな副部長になった大尉はなんでここに配属されたかわからない、この仕事に関しては役立たず。去年より条件は厳しくなり、使える人員は減少する・・・。
いやあ、よく生きてたな・・・・。すっかりハスキーボイスになって気管支がひゅーひゅー鳴るのだが、ともかく私は生きているのだ。
というわけで更新がしばらく途絶えていたのであった。(00,04,06)