呆冗記
呆冗記 人生に有益なことは何一つ書かず、どーでもいいことばかり書いてあるぺえじ。


イオンエンジンだぁ

 仕事は忙しいし部屋は片付かない。きれいなのは布団周りだけ。
 結局11日までに部屋は片付かなかった。で、業者を呼ぶこともできなかったのだ。話が部屋の石油ファンヒーターはもう2時間と連続駆動しない。しばらくすると情けないアラームとともに動作が止まってしまう。かといって我が家は各種の危険性をかんがみ、食堂以外の火気をいっさい追放した設計になっている。昔の石油ストーブ(アラジンとかポット式とか)はどこにもない。ま、石油ストーブを買ってきても私の部屋は汚すぎて、本やらなんやらに燃え移る危険があって使えないのだが。
 と、いうわけでオイルヒーターである。これは前に父方の祖母が元気だったときにその寝室用にと親父が購入した北欧製のすぐれものだ。見た目はスチームである。中身もスチームとおんなじ。ヒーターでオイルを温め、それを機械内に循環させるだけで部屋は春のよう。炎を使わないつけっぱなしでかまわない安全暖房器具なのだ。
 冷え切った室内でオイルヒーターのスイッチを入れる。
 
寒い。が、もう少しの辛抱だ。ヒーターが室内をたちまちに暖めてくれるはず。
 仕事をこなす。
 
寒い。セーターを重ね着する。ヒーターが室内をすぐにでも暖めてくれるはず。
 仕事をこなす。
 
寒い。更にアノラックを着る。ヒーターが室内を瞬時に・・・。
 
寒いぞ! 莫迦野郎! 
 確かに動いているようだが・・・。寒い。
 阿呆な暖房機にかかわりあっている暇はない。こっちは忙しいんだ! 結局、室内にありながら、外に出るような格好で凍える思いで仕事をこなし、その日は寝たのである。
 翌朝も寒い。私はつけっぱなしでかまわないというオイルヒーターをつけっぱなしで仕事に出た。真面目に部屋をかたさないと命にかかわる・・・。

 そして、深夜帰宅。室内は春だった。
 オイルヒーターとはつけっぱなしでなければならない暖房器具だったのである。
 宇宙において、弱くても長く噴射を続けると、結局その速度は非常に大きくなる。イオンエンジンの理屈だ。オイルヒーターは、イオンエンジンだったのである。
 という訳で部屋はまだまだ片付かない。(00,1,14)


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