呆冗記 人生に有益なことは何一つ書かず、どーでもいいことばかり書いてあるぺえじ。
SCSI原理主義者のお礼参り
「よう、上杉。お礼参りに来てやったぞ」
そう言って、男はやってきた。
「何だよあの旅行記のラストは。まるっきり悪の幹部みたいな書き方じゃないかよ」
やってきたのは某高校教員の友人Sである。
「でな、小樽倉庫No1の地ビールとゴマソーセージ、やわらかスペアリブ買ってきてやったぞ」
うららかな日曜日。彼は朝から仕事でその後、小樽へ行ったことのない若い後輩を小樽へ連れていったのだそうだ。で、小樽倉庫No1の地ビールを土産に私の家にきたのだった。
「なにせ、この礼はかならずせねばならないからな」
ええい。文章のレトリックというものを解さぬ無知な輩め。じつは私は再び愛機のHDの調子がおかしくなり気分が非常に悪いのである。例えるなら、空を駆ける一筋の流れ星(意味不明)なのである。
「しかし、HPの更新がまたまたされていないようだが?」
えーい。その話かい! だいたい、即へたるHDのメインマシンがすべて悪いのだ。しかもだ、このマシン、某国民機のミニタワーマシンPC−9821Xt13「アキ2号」を勧めたのは貴様ではなかったか? その思いを込めて私は土産の麦酒のボトルの中身を一息に流し込むと応えた。
「ああ、HDがへたってな。満足にインターネットも出来ないのだ。その状況でどうして更新が出来ようか」
だいたい、現状でペンティアムの133のマシンはもはや過去の遺物でしかない。
「ふむ・・・。ならばHDの交換でもするか?」
しまった・・・。最近、というか昨年末、自作機を組んで以来、Sは自作マニア状態なのだ。この夏にもない金を振り絞ってHDやら、グラフィックボードやらを買ったらしい。しかも、それが地雷になって現在、彼のメインマシン。「榛名」は、満足に動いていないと言う噂(事実)すらある。
「いや、結構」
自ら地雷を踏む気はない。
「そうか・・・。10万ちょいあればXt−13の3倍の性能のマシンが作れるんだが・・・。DVDだって5.1チャンネル再生も可能なカードも組み込めるし・・・」
そういってSは勝手に私が隠しておいたターキーの瓶をビールのジョッキに傾けながらつぶやいた。
「なに・・・?」
DVDの5.1チャンネルである。ウルトラセブンDVDの5.1チャンネルバージョンが聞けるのだ。
「ま。私は心が広いからな。話だけでも聞いてやろうか」
「ふ・・・」
不愉快な笑みを浮かべるとSは説明を始めた。
「まず、マザーボードに15K」
おそらくわからない方がいると思うので解説すると1Kは千である。じつはSは遙かな昔、オーディオマニアで自作アンプを組んでいたために、1Kは千になる。これが最初からPC世界で始めると1Kは1024になるのだそうだ。このあたりの調整をどうするのかは書痴の私は寡聞にして知らない。
「ケースは300Wで12Kかな。CPUはPVの450で15K。グラフィックカードはおまえさんの場合ゲームメインだからTNTあたりでいいとして、安いのなら10K」
「ふむふむ」
「音源はliveの安いのが8Kででてたから、それを使うとして、メモリは最近高いから64Mで我慢しろ。これが8K。ここまででええと・・・」
「6万8000円だな」
「ふむ、それで、FDは2モードでよければ3K。CD−ROMに5K」
「7万6000円」
おお、あとはIDEのHDが2万程度。本当に10万を切る価格で現在の3倍の性能が手にはいるのである。
「で、HDが25K、SCSIカードが25K」
「おい、待て、何がSCSIだ? なぜIDEを使わない」
すると、Sは心底不思議そうな顔をした。
「なんでIDEなんて使うんだ? だいたいSCSIはインテリジェントで、信頼性抜群で、しかも速い、ともかく凄いんだぜ。何で使わない?」
気をつけよう、あなたの隣のSCSI原理主義者。
追伸 私のDVDドライブとMOはSCSI接続なので結局SCSIボードは必要なのであった。
しくしく。(99,11,14)