呆冗記
呆冗記 人生に有益なことは何一つ書かず、どーでもいいことばかり書いてあるぺえじ。


宇宙戦艦ヤ○ト再び

 再び『宇宙戦艦ヤ○ト』ネタ。というのも、最近2冊のコミックを入手したからである。
 一冊は先月末に購入した『無頼航軌道』(千葉秀作著 株式会社ワニブックス刊)。もう一つは今月になってから購入した『無敵戦艦 ワルキューレ』(松沢夏樹著 エニックス刊)。それぞれは普通のストーリーマンガであり、普通のギャグ漫画なのだが、この間に『宇宙戦艦ヤ○ト』を挟み込むと、落ち込むことの多かった夏を過ごした私にメガトン級の刺激を提供してくれたのだった。
 そう、両方とも『宇宙戦艦ヤ○ト』に対するオマージュに満ちている。
 『無頼航軌道』のあとがきで作者曰く「ヤ○トみたいな宇宙戦艦ものを描いてみたいなあ」。その通り。まんまヤ○トである。人類は侵略者によって宇宙を奪われた。その危機に立ち上がる一隻の宇宙戦艦。というのがあらすじだ。
 まず、宇宙戦艦は左に傾いていなければならない。これはネオ・ノーチラス号さえも守ったお約束なのだ。『あの艦ではだめだ』『あの艦では”赤い目”から逃げられない』等、思わずニンマリさせられる台詞の数々。静かに眠る『飛龍』(ここでは名前はまだない)を1話最後のページに持ってくるあたり、確信犯としか言いようがない。もう、私は大喜びである。
 そして、艦名が『飛龍』。IJNの3大艦名を挙げよといったら私は躊躇なく、『大和』『雪風』『飛龍』をあげる。(その後が『長門』。で、その後は『瑞鶴』か?『翔鶴』か?)もう、お約束な展開なのだ。ミッドウェーで最後まで奮戦した『飛龍』。その名を得た戦艦が人類の危機に立ち上がるのだ。
 これで燃えずしていつ燃えるのだ? 起てよ国民!
 しかも同型艦にしておそらくは序盤の中ボスとなる人類を裏切った艦にはさりげなく『蒼龍』を使わない優しさ。私は泣くのみである。そして、第4話のシチュエーションはもう、まんまである。
泣けるのだ。まったくもってこれほど次回が待ち遠しい漫画は、一時の『エリア88』(新谷かおる著)以来といえよう。

 さて、同時に、「おいらがガキの頃に熱中していたアニメに『宇宙戦艦ヤ○ト』があります(中略)宇宙戦艦モノは、おいらのマンガの原点みたいなもんです」とあとがきにある『無敵戦艦 ワルキューレ』はどうだろうか。なんと言ってもあの『パッパラ隊』の松沢氏である。全編テイストはあのノリである。しかも、今回のヒーロー? は『パッパラ隊』のヒーロー以上に動かない。「じゃまにならないように植木にでもなっていようかな・・・」というのは、もう、Kさんの帯広旅行語録。「ちっとも働かない主人公」を地でいったものと言えよう。
 が、それだけではこの作品を『無頼航軌道』と同時に語る理由にはならない。
 この作品、冒頭の連合艦隊の負けっぷりといい、次から次へと侵略者が出てくるあたりといい、これはもう、『さらば〜』以降のノリなのである。そう、あの、それまでの感動もドラマもすっ飛ばした(それはそれでなんなのだが。意味不明)後期ヤ○トの・・・。
 おそらくは、仮定だが、千葉氏は私と同年代か少し上、もしくはずっとお若いのではないだろうか? すなわち、『宇宙戦艦ヤ○ト』を小中学生時代にリアルタイムで見たか、もしくは、後期ヤ○トをリアルタイムで見ることがなかったほどお若く、時代系列順にご覧になったのであろうか。(が、この可能性は低いような気がする)
 対して松沢氏はおそらく私より少しお若いのであろう。で、『さらば〜』以降あたりからご覧になったのではないかと、小学校5年で本放送を見て人生踏み外した私は思うのだ。
 ま、全然外れているかもしれないが。 
(99,9,3)


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