呆冗記
(らんどくくだんのごとし)

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6月 7日(火) 『世界がもし全部アメリカになったら』 勝谷誠彦(アスコム)

 


6月 6日(月) 『美味しんぼ 91』 刈屋 哲 花咲アキラ(ビッグサンデーコミックス)

 実は、40歳の誕生日に、モンブランの万年筆を買おうとずっと思っていたのである。 が、どうも、想像していた状況と、イメージが異なるのだ。
 40歳といったら、もう少し大人になっているかと思いきや、半額以下の『GS美神DVDBOX』を買って喜んでいるようでは、たかが知れるというモノである。
 で、思わず、買ってしまったのは、以下明日。
 最近私の中での、凋落ぶりが哀しすぎる『美味しんぼ』の最新刊。思い起こせば、この巻の話も、半分は連載追っかけていなかった。いつ、掲載されているかすら知らなかったりするのだ。
 前にも言ったが、この作品が権威の側に立つようになってから、主人公は、海原雄山になってしまって、主人公だった山岡士郎の立場が小さくなってしまったのだ。
 ま、そんなことはどうでも良くて、

 一応、無茶苦茶売れてる漫画なら、嘘は書くな。嘘は。

 と言いたいのである。第六話だが、インドネシアスマトラ沖地震の支援の話。日本は5億ドル(510億円)を表明し、全額支払い済み。オーストラリアは8億1550万米ドル(856億円) を表明しているが、まだ、全額支払ってはいない。
 そのあたりのことをまったく書かないのはどうかと思うのだが。
 グルメ漫画で政治の話というのは、『美味しんぼ』の世界では、よくある話ではあるのだが、にしても、日本が、まるで、価値のない国のように描くのはどうかと思うのである。

 え、こんな、駄文サイトで政治の話をするのもどうかと思う。

 ごもっとも、ごもっとも。


6月 5日(日) 『キャプテン・フーチャー全集 7』 エドモント・ハミルトン( 創元SF文庫)

 


6月 4日(土) 『仮面のメイドガイ 1』 赤井丸歩郎(角川コミックス ドラゴンJr)

 


6月 3日(金) 『野望 隻眼がみる刻 (上)』 子竜 蛍(歴史群像新書)

 ちょっと、大容量のファイルをネットから落とそうとしてパソコンを付けっぱなしで職場に出た。で、帰ってきてみたら、パソコン、消えていたのである。
 どうやら、瞬間停電があった様子。ビデオのタイマーも全滅である。はあ。
 問題は、なんかハードディスクがからからからから。思い出の風車のような、塗装スプレー缶のような音を出していることなのだが。ま、起動するし、大丈夫だろうと思う。思わせてくれ。

 というわけで、今日の作品。
 ほう、出たばっかりの『謙信上洛 2』をほったらかして、新シリーズ。もしかして前作売れなかったか? にしては早いよな。新作の出るのが。などと思ったのだが、『謙信〜』はコスミック出版のコスモノベルスであった。そうか、この人もとうとう、学研以外からも出せるようになったかと感無量。 というか、気付けよ。とセルフ突っ込み。
 で、この作品。この作者の作品はいっつもぶっ飛んでいるのだが、今回も凄まじい。
 伊達政宗と支倉常長と山田長政が後ろでつながっていた。などという与太を考えるだけでも凄い代物である。
 つながりそうで、つながらない糸を与太で繋げる力業なのだ。これが架空の醍醐味かも知れない。
 天下の趨勢が決まりつつあり、鬱屈した日々を送る政宗は、徳川転覆のため、スペインの力を借りることを画策する。更に、海軍力として、キリシタン禁止による帰国が叶わぬ日本人町の住人を活用しようとするのだが。
 果たして、政宗の計略は成功するのか。
 支倉常長の引き連れたスペイン艦隊は果たして、日本の歴史を覆すのか。
 ただ、最初から全後巻で書かれる予定だったのだろうが、いかにも駆け足なのが惜しまれる。が、充分に期待できる作品である。 


6月 2日(木)  『ククルカン 史上最大の作戦 1』高田慎一郎(Gファンタジーコミックス)

 うーむ、本州では既に発売されているのか。某漫画は。そうなのだな。そうなのだな。私がよく行く行きつけの日記サイトでは、既にレビューが成されているではないか。
 うう。二日遅れの北海道に住むこの身が恨めしい。

 で、この作品。(なんか、失礼だな)
 先だっての、久部さん、冴速さんとの網走旅行において、ついに、ついに完結編を見つけることが出来た『神様のつくりかた』『シリウスの疵』の作者。高田慎一郎氏の新作である。
我々の地球とはパラレルな世界の、おそらくは我々の世界におけるイギリスの新兵器部隊を部隊にした『恋愛漫画』である。
 そう、恋愛漫画なのだ。読者が何と言おうと作者がそういうのだ。そういうモノなのである。
 『拝啓 父上様 今日、貴方の息子は兵隊になりました』
 貴族の子息。ユージン・リプトンは憧れの新兵器。ククルカンに乗るため、一兵卒として、東方航空旅団に入隊する。
 がだ、この主人公。半端ではない。入隊初日、身体検査の時に『のぞき』を敢行するのだ。こんな莫迦(褒め言葉)一寸見たことない。
 そののぞきに対して実弾射撃を加える整備班長にしてライフルマン。マーガレット。訳ありのルームメイトつばさ。主人公を誤った道に指導する空挺隊のペジャ伍長。その道の先にいるニクソン基地司令。
 って、この軍隊だめだめである。それに看護婦さんに主人公の幼なじみ、まともな教官に、まともな先輩。嫌みなライバルと『ラブ米』キャスティングは終了した。
 この作者が、そんな単純なはずがない
 東の大陸を覆うスフィアとは何か。
 この冬が楽しみである。(掲載誌買えよ)


6月 1日(水) 『おもしろ南極料理人』 西村 淳(新潮文庫)

 北海道の人間は純朴であるらしい。これは、私の東京に行った伯父が、札幌に帰ってくる度に、酒席で呟いていたことである。
 内地(この呼び方も北海道独特であろう)に就職し、内地でその長いとは言えない生涯を終えた伯父には色々と鬱屈した物があったのだろうか。
 が、だ。北海道の人間の純朴さというのは一方で大ざっぱで無防備と言うことではないのだろうか。

 さて、北海道出身で、南極は昭和基地に2回も行った作者の、ネット上での文章を単行本化したものの文庫化。(はあはあ、なんて複雑な生まれなのだ)
 一寸入った本屋で立ち読みし、止まらなくなってお持ち帰りである。
 南極モノとしては、岩波新書青版の有名な西堀栄三郎氏の『南極越冬記』があり、私も中学時代読ませていただいた。高校になってから中学の時にはわからなかった『ベンテン』さんのくだり(まあ、その種の人形を国費で用意していって、イグルーに安置、使用マニュアルまでこさえてしまったのに、未使用)で爆笑してしまったのも思い出である。
 そこまで几帳面だから、未だに突っ込まれるスキを作ってしまったのかなとも思ったり。
 ああいううのは、被占領地域の住民にさせておけばよいのである。ベトナム戦争のアメリカのように。が、それ故に、日本には混血児問題が発生しなかったのだからそのことも考えるべきじゃないのか。
 閑話休題。
 ざっくばらんなコックさんのざっくばらんな日々の記録である。
 まあ、中にはそのざっくばらんな北海道人さえ激怒させる人間もいるようだが、そのあたりをざっくばらんに書いてしまうのが、純朴な北海道人。ということになるのだろうか。しかし、旨そうだな。南極の料理は。