カッパドキア
(1992年4月26日)



    私達が参加したツアーはマジックバレーカッパドキアという旅行社の一日コースだった。
    朝9時、マイクロバスには9人ほどの様々な国籍の人間が集まった。
    ガイドは流暢なキングスイングリッシュを話すお兄さん。
    最初にカッパドキア独特の奇石が立ち並ぶdevrent valleyという所で車を降りた。
    これらの奇石は数億年前、エレジェス山の火山活動によって堆積した火山灰と溶岩が層になり、長い年月風雨に侵食されて出来上がったものだという。
    カッパドキアといえばまず思い浮かぶ風景だが、こうして実物を目の当たりにしてみると、やはりその異様な光景に言葉を失う。
    大地と自然現象が長い時間をかけて作り上げた広大な芸術作品。
    この風景をバックにツアーのみんなと記念撮影をした。

    次に訪れたのはゼルベの野外博物館。
    かつて人目をしのんだキリスト教徒達が、奇石を刳り貫き、そこに教会や住居を造ったのだ。
    ここには、それらの跡がそのまま保存されている。
    岩の内部は迷路のようにつながっており、狭い通路をガイドのお兄さんについて歩いて行く。
    なかば這うように進まなければならないので、Gパンが砂まみれになってしまった。
    こんな所で暮らしていた人々の生活は、一体どのようなものだったのだろうか。

    その後、有名なキノコ岩へ。
    この辺りの岩は笑ってしまうほどキノコに形が似ている。
    堆積した地層に下層が上層より侵食されやすかったため、上部だけが残されてこのような形になったそうだ。



 アバノスの町
アバノスの町

    昼食はアバノスの町で。
    ここは陶器で有名な町で、あちこちに素焼きの壷や青い彩色の絵皿で飾られた店があった。
    昼食後、そんな工房のひとつを見学した。
    ろくろを回すおじさんの手の中でみるみるうちにただの粘土の塊が形を変えていく。
    素朴だが味のある陶器だった。
    この店では、この辺りで作られているというワインもごちそうになった。
    カッパドキア地方はブドウの産地で、かつては修道士達がワインを作っていたという。
    さっぱりした白ワインだった。

    その後ギョレメの野外博物館を訪れた。
    この辺りには聖堂岩窟と呼ばれる建造物が残っていて、そのひとつを見学した。
    外側はただの岩にしか見えないが、その内部は美しく彩色された聖堂だった。
    頭上にフレスコ画の天使達が飛び交う。
    これらの聖堂は主に10〜11世紀に作られたそうだが、千年の時の浸食を感じさせない色彩の鮮やかさが印象的だった。
    こんな荒れ果てた地に隠れ住みながら、信仰を貫き通したキリスト教徒たちの神への渇望が感じられるようだった。

    最後は絨毯作りの見学。
    何人かの女性が機織り機に向かい、黙々と絨毯を織っている。
    気の遠くなるような細かい手作業だ。
    こういう場面を見ると、絨毯があんなに高い値段なのも納得してしまう。
    でも、私達の払うお金のほとんどは絨毯屋の懐に入ってしまって、彼女達が受け取るお金は知れているんだろうなあと思うとちょっと申し訳なかった。

    その後、red valleyに寄ってツアーはおしまい。
    ここは夕陽で有名な場所だが、この季節、日の入りはまだまだ先。
    それでもはるかエレジェス山を望む展望は素晴らしかった。
    事務所まで戻ってくると、Tさんはそのままアンカラに帰っていった。
    トルコに来てから初めてのひとりの夜。これからは本当にひとり旅だ。

◇◇◇◇◇

    この日の夜はガイドのお兄さん達と夕食をして、その後、ディスコに行った。
    踊りたかった訳じゃなくて、真夜中になるとここでベリーダンスが見れるという。
    眠いけれどベリーダンスは見てみたい。
    12時過ぎになってやっとダンサーが登場。賑やかな店内が一段と騒がしくなる。
    肌もあらわな衣装を身にまとい、激しく身体をくねらせて踊る。
    なんとなく妖艶で退廃的な踊りを想像していたが、思っていたより激しく情熱的な踊りだ。
    なかなか刺激的な一夜だった。

(4/26終)

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