オランダ・ベルギーの旅
(2003.05.01〜05.08)

2003/05/06(Tue)

観光できるのは今日が最後。(明日は日本に帰るだけ。)
せっかくなので早起きして朝のお散歩をする。

ホテルのあるザンド広場からベギン修道院、愛の湖公園付近を歩く。
ベギン修道院は13世紀にフランドル伯夫人によって設立された修道院。
現在はベネディクト派の修道女たちが暮らしている。
この時間だと観光客はほとんどいない。
朝のおつとめだろうか、礼拝堂には灯りが灯っていた。
ベギン修道院
ベギン修道院

7時45分くらいにホテルに戻って朝食を取り、8時半くらいにホテルを出る。
「魔の月曜日」のせいで見れなかった場所がたくさんあるので、ブルージュの町は去り難い。
またいつかゆっくり来たいものだ。



今日はブリュッセル北駅で降りる。北駅はとても近代的な駅だった。
北駅からホテルのあるロジェ広場へプレメトロで行く。プレメトロとはトラムが地下を走っているもの。
本日の宿はロジェ広場近くのTULIP INN BULBARD。3つ星とは思えないほどきれいなホテルだった。
さすがに朝10時ではチェックインできなかったので、荷物室に荷物を預かってもらって市内観光へ繰り出す。
ブリュッセルの公共交通機関は1時間以内なら乗り換えOK。
先ほどの切符がまだ使える。(
ブリュッセルの交通→
メトロで一駅のボタニカル駅まで行き、さらにロイヤル通りを南下するトラムに乗りかえる。
この通り沿いには見所も多い。。
まず右手に独立記念塔のあるコングレ広場が見えてくる。
高さ25メートルの独立記念塔の上には初代国王のレオポルト1世の像が置かれている。
さらに進むと右手にはサン・ミシェル大聖堂、左手には国会議事堂と緑豊かなブリュッセル公園が見える。
ブリュッセル公園が途切れると、そこが王宮広場。王宮王立博物館がある。
ここは後で寄ることにして、次のサブロン広場のバス停でバスを降りた。

ノートルダム・デュ・サブロン教会はフランボワン・ゴシック様式の美しい教会。
内部は壁を埋め尽くすようなステンドグラスが美しい。
夜になると中からの灯りがステンドグラスを通って、教会全体が灯ろうのように浮かび上がるそうだ。
正面のステンドグラスにはマリア様の生涯が描かれている。
両側のステンドグラスには聖人が描かれていて、一枚一枚見比べるのが楽しい。
聖人にはそれぞれ象徴する持ち物が決まっている。
例えば洗礼者ヨハネは子羊、使徒ヨハネは毒杯、マグダラのマリアは香炉といった具合に。
こういう知識がもっとあれば、教会美術を見るのも楽しくなるだろう。
ステンドグラス
美しいステンドグラス

ノートルダム・ド・ラ・シャペル教会
ノートルダム・ド・ラ・シャペル教会
教会前のグラン・サブロン広場は休日には骨董市が開かれて賑わうそうだけれど、平日は駐車場として使われているのか、車がいっぱい停めてあって殺伐とした雰囲気。
その向こうに見えるノートルダム・ド・ラ・シャペル教会まで行ってみた。
ここにはブリューゲル(父)が埋葬されている。
ロマネスク様式の端整な印象の教会だった。

グラン・サブロン広場に戻り、この一角にあるヴィタメールのティールームへ行く。
日本にも支店のあるヴィタメールの、ここが本店。
1Fはケーキのテイクアウトで2Fがティールームになっていて、2軒ほど隣にはチョコレート専門の店もある。
1Fでケーキを選び、2Fの白を基調としたティールームの席につく。
紅茶はいまいちだったけど、ケーキは文句ナシに美味しかった。
今日はこれが昼食代わり。
グラン・サブロン広場の近くにはGalleyの店もあり、ここでも土産用のチョコレートを購入した。
ケーキ
ヴィタメールのケーキ

その後、本日の観光のメイン、王立美術館へ行く。
まずは古典部門から。
年代別に展示されており、順路は15世紀のフランドル絵画から始まる。
まず見逃せないのは16世紀のフランドル絵画、ブリューゲルのコレクションだ。
16世紀に活躍したブリューゲルという画家は3人いる。
父がPietre Brugel l'Ancien、長男がPietre Brugel le Jeune、次男がJean Brugelだ。
長男は父と名前も同じな上、父の絵の模写をしていたりするから更にややこしい。
一番有名なのが父で、農民の生活を生き生きと表現した。
ここでは「ベツレヘムの戸籍調査」や「イカロスの墜落」などが見ることができる。
題材は聖書の物語でも、背景にはドイツの農村風景が細かく描写されているのがおもしろい。
17世紀に入るといよいよルーベンスの登場。
ルーベンスの部屋には大作7点が展示されている。
「聖母被昇天」「東方三賢人の礼拝」など、見上げるほどの大画面に描かれた作品は迫力がある。
それまで見てきたドイツ絵画の素朴で固い描線の印象から一転して、色鮮やかで大胆な躍動感を感じる。

次は近代美術部門へ。
古典部門とはエスカレータで繋がっている。
3階から地下8階まで展示室があるが、建物の構造が複雑で、自分がどの階にいるのかすぐわからなくなる。
ここはマグリットやデルヴォーなどのベルギー・シュールリアリズム絵画のコレクションが豊富だ。
キリコ、エルンスト、ダリなどの作品もあり、シュールリアリズム好きにはうれしい美術館なんだけど、さすがにこの頃になると疲れてきて、こちらはずいぶん駆け足で周ってしまった。

美術館を出て、美術館の横の道からアルバート1世王立図書館横の公園に続く階段を降りる。
ここからはグランパレス方面の眺めがよい。
市庁舎の塔がよく見える。
公園を通り抜けエンペラー大通りに出ると、右手には中央駅。
グラン・パレスまでもすぐだ。

ブリュッセルの町並み

夕食の時間までまだちょっとあるので、グランプラスから少し入ったところにあるお菓子の有名店ダンドワに行った。
2階にはティールームもあるけれど、1階の店先でワッフルを立ち食いする。
ここのワッフルはリエージュワッフルで、ラズベリーソースをかけてもらった。
有名店だけあって今まで食べたワッフルの中で一番上品な味。美味しかった。
その後、ギャルリー・サンチュベールのノイハウスでおみやげ用のチョコレートを買う。
ほんとにこのベルギー旅行ではチョコレートを買ってばかりだ。
そういえば、グラン・パレスのギルドハウスの中には博物館として公開されているものもあって、ビール製造業のギルドにはビール博物館、ブラバン公の館の一角にはチョコレート博物館がある。
時間があったら行こうと思っていたのに、みやげ物の物色と食べることに夢中ですっかり忘れてしまっていた。

買い物の最後はスーパー。
お菓子やらお茶やらスープの素やら…いろいろ買い込む。
ここでさっきGalleyで1ユーロで買ったバータイプのチョコが0.9ユーロくらいで売られているのを発見。
種類は少なかったけれど、スーパーはなかなか侮れない。

夕食はDちゃんの希望でギリシア料理の店へ。
ベルギー最後の食事がギリシア料理というのもなんだけど、地中海好き(土地も料理も)の私に反対の理由もない。
グランプラスの南側のMarche aux Fromages通りにはギリシア料理の店がずらっと並んでいる。
その中で一番にぎわっていたお店に入る。
ギロ(羊肉のグリル)やドルマーデス(ぶどうの葉でピラフを巻いたようなもの)、フェタ(白チーズ)など典型的なギリシア料理のセットメニューが7ユーロ。安い!
付け合せのポテトやサラダも山盛りでおなかいっぱいになった。
ちなみにビールはベルギービールだった。
ギロセット
ギロセット
食べ切れないほどのボリューム

近くのBourse駅からプレメトロでロジェ広場へ。
プレメトロの駅はメトロと同じように地下にあるけれど、走ってくるのはバスのような形のトラム。
なんだか不思議な感じがする。
ホテルではみやげ物で増えた荷物をバックパックに詰め込むのに一苦労。
このホテルはポットサービスがあったので、オランダで買ったハーブティを飲みながら、最後の夜は更けていった。
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本日の出費(2003/05/06)
バス
1.0 ユーロ
鉄道(ブルージュ-ブリュッセル)
10.6 ユーロ
ケーキ+紅茶(ヴィタメール)
9.2 ユーロ
王立美術館
5.0 ユーロ
ワッフル(ダンドワ)
2.0 ユーロ
おみやげ
9.7 ユーロ
夕食
7.7 ユーロ





解説6:ブリュッセルの交通

ブリュッセルにはメトロ、トラム、バスがあり、切符は共通。1時間以内なら何度でも乗換えができる。最初に乗る時に切符を検札機に入れて日時を刻印する。
回数券(5回券、10回券)や一日乗車券もあるので利用頻度に応じて使い分けると便利。
メトロとプレメトロの駅は青地に白のMのマークが見印。
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