オランダ・ベルギーの旅
(2003.05.01〜05.08)

2003/05/04(Sun)

この旅行もすでに折りかえし地点、4日目。天気は快晴!
せっかくのメトロポルだけど、朝食は別料金だったので「ホテルの高い食事よりも、どこかのカフェでワッフルでも食べよう」と早めにチェックアウト。
荷物をブリュッセル中央駅のコインロッカーに預け(
ロッカーの使い方2→)、グラン・プラスにあるマネケンを目指す。
中央駅からグラン・プラスまでは歩いて5分ほど。
ガイドブックには8時開店と書いてあったのに、行ってみるとマネケンのお店はまだ清掃中。
店の人に10時からだと言われる。日曜日は開店が遅いのかな。

朝市
市の立ちはじめた
朝のグランプラス
空っ腹を抱えながら周辺を観光する。
博物館などは10時開館のところが多いので、朝早く行っても見るところは少ない。
そのかわり、観光客の少ない静かなグラン・プラスの姿を堪能することができた。
世界で最も美しい広場といわれるグラン・プラス、直訳すれば「広い広場」だが、ここは広場というありふれた言葉は似合わない。
四方を壮麗な建物で切り取られた空間は、ジャン・コクトーが称えた「豊穣なる劇場」という言葉がぴったりだ。

これらの建物はギルドハウスで、この広場が商業の中心であったことを物語る。(ギルドとは同業者組合のこと)
どの建物も装飾をこらした華麗なもので、今ではカフェやみやげ物屋などに使われている。
南西には市庁舎、北東には王の家、南東にはブラバン公の館といった、ひときわ壮麗な建物がある。
ギルドハウス
ギルドハウス

市庁舎の見学はガイド付きのツアーのみ。
1回の見学の定員は20名ほどなので、場合によっては断られることもある。
10時に門が開くと同時に駆け込み、10時50分からの英語のガイドツアーのチケットを手に入れた。(ガイドはオランダ語、英語、フランス語。)

ここでふたたびマネケンへ。
日本にも同じ名前のベルギーワッフルの店があるけれど、直接の関係はないみたい。
まず、ワッフルの種類が違う。
ベルギーワッフルには四角い形の「ブリュッセルワッフル」と丸い形の「リエージュワッフル」の二種類がある。
日本のマネケンは「リエージュワッフル」で、ベルギーのマネケンは「ブリュッセルワッフル」の方。
私たちはフルーツのワッフルを頼んだ。
待つこと数分、出てきたのはいちごやオレンジが山のように乗って生クリームでデコレーションされた豪華なワッフル。
ワッフルは日本のものよりも油っぽい(ドーナツっぽい?)感じだったけれど、フルーツの水分と生クリームでしっとりしてて美味しかった。
食べ終わるとちょうど市庁舎ツアーの時間だった。

市庁舎
市庁舎
市庁舎は現在も政務に使われているので、使用中の部屋は見学できないけれど、日曜日だったせいか全部見ることができた。
15世紀に建てられたフランボヤン様式の建物で、最初に左翼が建設され、右翼が造られたのはその30年後。そのため左右対称ではないそうだ。
さらに10年後に中央の塔が完成した。
ガイドの女性が「石のレース」と呼んだ塔は、まさにその言葉のとおり繊細で美しい。
内部は机や椅子などの調度品も見事だし、壁には絵と見まごうような精巧なタペストリーが飾られている。

廊下にはこの国の歴代の支配者の肖像画が並ぶ。
その顔ぶれを見ると、この国がさまざまな国の支配を受けてきたことがわかる。
スペイン、フランス、オーストリア…。
でも、考えてみるとこれら王家はどれも親戚関係みたいなものだから、ヨーロッパの歴史は日本人が考えるよりも複雑なのかもしれない。
見学は1時間ほどで終わった。
建物の構造や各部屋の説明だけでなくブリュッセルの歴史などの説明もあって、とても有意義な1時間だった。

市庁舎の横の道を曲がるとセラクラースの像がある。
セラクラースは14世紀の英雄で、この像に触れると幸せになるという言い伝えがある。
もちろんさっそく触ってみる。
この道をさらに進むと、左手にブリュッセル名物小便小僧の像がある。
今日はサッカーのユニフォームを着てボールを抱えている。
小便小僧は世界各地から贈られた衣裳を650着以上も持っているんだそうだ。
側にいた日本人が「昨日は午前と午後で違う服だったわよ」と教えてくれたので、一日のうちに少なくとも2回は服を変えるみたい。(誰がいつ着替えさせるのだろう?)
セラクレースの像
セラクラースの像を触る

さて、その衣装は王の家で見ることができる。
「王の家」と呼ばれていても王宮として使われたことはない。
もともとは公爵家だったそうだけど、ただの邸宅にしてはずいぶん立派な建物だ。
現在はブリュッセルの町の歴史などを紹介する市立博物館になっている。
ここの三階に小便小僧の衣裳のコレクションの一部が展示されている。
日本から贈られた衣装もある。「桃太郎momo-taro」(犬・サル・キジのぬいぐるみつき)「侍samurai」「大名daimyo」…。
エスニックな衣装も楽しいけど、私個人的には正統派(?)の王子様の格好とか兵隊さんの格好が似合うと思った。
王の家
王の家

ブラバン公の館
ブラバン公の館
グランプラスの南東にあるブラバン公の館は、正面に歴代のブラバン公の胸像があることからこう呼ばれている。
現在はオフィスなどに使用されていて、1階はレストラン、上階の一部はホテルとしても使われている。
このホテルはツイン100ユーロ程度とそれほど高くもないので申し込んでみたけれど、満室だった。
やはり人気があるみたいだ。

この前の道を北東に進むとギャルリー・サン・チュベールに続く。
ここはヨーロッパでも最も古いギャラリー(ショッピングアーケード)のひとつ。
タペストリーやレース、貴金属、チョコレート、カフェなどさまざまな店が続く。
ノイハウス、コルネでそれぞれ4粒ほどチョコレートを買った。

さらに5分ほど歩いて、サン・ミシェル大聖堂へ。
中に入るとミサの真っ最中。そういえば今日は日曜日だった。
ミサ中は内部を歩きまわることができないので、近くのカフェで昼食を食べてから出直す。
小高い丘の上にあるこの大聖堂はゴシック様式の壮大な建物で、13世紀から15世紀にかけて、完成までに300年もかかっている。
1516年にカール5世が戴冠式をした教会でもある。
中に入ると、ちょうどミサが終わるところだった。
パイプオルガンの演奏が響き渡る。
教会中の空気が振動しているような、迫力ある演奏だった。
内部は16世紀に作られたというステンドグラスが美しかった。
聖ミシェル大聖堂
聖ミシェル大聖堂

まだまだブリュッセルの町を見ていたかったけど、そろそろブルージュへ移動しなければ。
中央駅へはサン・ミシェル大聖堂から徒歩5分ほど。
ロッカーから荷物を出してホームへ。
ところが、私たちが乗るはずのオステンド行きのIR(急行)は「20分遅れ」と標示が出ている。
昨日の列車も遅れたし、今朝、駅に立ち寄ったときもオステンド行きは遅延の標示が出ていた。
ブリュッセルの鉄道はけっこう遅れるのかな?
結局、オステンド行きは25分遅れて中央駅に到着した。



ブリュッセルから1時間ほどでブルージュの町に到着。
駅前のバス停からバスに乗る。切符は窓口で買うか自動販売機で買うことができる。
今日のホテルは駅から1区間のザンド広場に面している。
ホテルにチェックインしたのが5時頃。
本格的な観光は明日の予定だったけど、ブルージュの町を散歩することにした。
ザンド広場からマルクト広場まで続く道が、この町一番の繁華街。
ブランド品を扱う店や日用品を扱う店などいろいろ並んでいる。チョコレート屋さんも多い。

鐘楼
マルクト広場と鐘楼
町の中心のマルクト広場は、切妻屋根のかわいらしい建物が並ぶ美しい広場だ。
東側には豪華な州庁舎、南側には町のシンボルである鐘楼がそびえている。
鐘楼の高さは88メートル。
366段のらせん階段で上まで登ると素晴らしい展望が臨めるそうだ。
楽しみにしていたのだけれど、もう閉まっていた。
しかも月曜休み。ということは明日も登ることはできない…ショック。
ここには47個の鐘から成るカリヨンがあり、15分毎に美しい音を響かせる。

マルクト広場から州庁舎の横の土産物屋が並ぶ道をちょっと行くと、ブルグ広場に出る。
ここには市庁舎がある。
14世紀に建てられた彫像やレリーフで飾られた美しい建物で、ベルギーで最も古い市庁舎のひとつだそうだ。
そのすぐ隣にあるのが聖血礼拝堂
12世紀の十字軍に参加したフランドル伯がコンスタンチノープルから持ち帰った「聖血の遺物」が納められているが、これは金曜日しか見ることができない。
ロマネスク様式の狭い礼拝堂の内部は薄暗く、厳かな雰囲気が漂っていた。
市庁舎
市庁舎

この一角に観光案内所がある。
ここで日本語のパンフレット(1ユーロ)を買った。
手持ちのガイドブックより詳しい説明があるし、おすすめルートなどもあってなかなか役に立つ。
明日はこのルートにしたがって観光することにした。

夕食は、ホテルのあるザンド広場に並ぶレストランの中から、比較的安そうな店を選んだ。
ベルギー郷土料理のフランドル風カルボナードとブルージュの地ビール、ストラッフ・ヘンドリックを頼む。
ビールには銘柄ごとにそれぞれ専用のビールグラスがある。
メニューにはビールの名前がずらっと並んでいるから、これだけの種類のグラスを揃えるのは大変だろう。
さすがビールの国だけあってこだわりが違う。
カルボナードは牛バラ肉をビールで煮込んだシチュー。
肉は柔らかくて美味しかったけれど、味がけっこう濃いのでビールがすすむすすむ。
ほろ酔い気分でホテルに帰った。
夕食
カルボナードと地ビールの
ストラッフ・ヘンドリック
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本日の出費(2003/05/04)
鉄道(ブリュッセル-ブルージュ)
10.6 ユーロ
ワッフル+カフェ
7.6 ユーロ
市庁舎
3.0 ユーロ
市立博物館
3.0 ユーロ
チョコ(ノイハウス)
3.42ユーロ
チョコ(コルネ)
2.04ユーロ
昼食(二人分)
12.7 ユーロ
大聖堂宝物庫
1.0 ユーロ
バス
1.0 ユーロ
地図
1.0 ユーロ
夕食(二人分)
20.3 ユーロ





解説4:ロッカーの使い方2(ブリュッセル中央駅)