オランダ・ベルギーの旅
(2003.05.01〜05.08)

2003/05/03(Sat)

旅行3日目。
今日は午前中はアムステルダム観光、午後にベルギーへ移動の予定。
ホテルをチェックアウトして、駅のコインロッカーに荷物を預ける。(
ロッカーの使い方→)
本当は国立美術館に行く予定だったけれど、VVVに行ってみるとやっぱりまだ「休館中」の張り紙が張ってある。
かわりにカナルボートで運河めぐりすることにした。
私たちが参加したのはHolland International社の1時間コース、料金は9.5ユーロ。
乗り場は中央駅の前の運河の橋を渡ったすぐ右手にある。
40人ほど乗れそうなボートはほぼ満席状態。
日本人は私たちふたりだけだったけれど、ちゃんと日本語の案内テープを流してくれた。
カナルボート
カナルボート内

ボートはまず運河をアムステルダム港へ。
海運国家オランダには世界有数の港が多いが、アムステルダム港もそのひとつ。
運河に続く水門を通り、アンネの家や西教会のあるプリンセン運河を南下する。

運河にはボートハウスがいくつも浮かんでいる。
ボートハウスとは名前の通り船が住居となっているもので、実際に人が住んでいる。
電気やガスも通っていて、一般の家屋と変わらない。
住宅難のために、家賃に相当する係留料を払えば居住が認められているそうだ。
ボートハウス
ボートハウス

このあたりの運河沿いの建物は主に住居や事務所に使われている。
運河に面した場所は土地代が高いため、家の幅は狭く、奥行きを広く作られているらしい。
うなぎの寝床と呼ばれる京都の町屋を思い出す。

橋
橋のアーチが美しい。
船はヘーレン運河へ。
この一帯はゴールデンカーブと呼ばれていて、華麗な装飾の17世紀の豪商の家が並ぶ。
先ほどの住居とは違って間口も広い。
現在は主に領事館や銀行などに使われているらしい。
ヘーレン運河から、それに交わるレギュレリエス運河を見ると、七つの橋が一直線に並んで見える。
橋架のアーチが水面に影を落とし、船からしか見ることのできない美しい眺めだ。

やがて船は、運河の多いアムステルダムでは唯一の自然の川、アムステル川に入る。
ここからマヘレのハネ橋が見える。17世紀に作られた木製の美しいハネ橋だ。
そして、市庁舎の横を通り、南教会の塔を見ながら、船は東港(旧港)へ。
ここは17世紀のオランダ黄金時代に活躍した港で、東インド会社のドックもここにあったそうだ。
この一角にある涙の塔は、航海に出る男達を見送る女達が涙を流した場所だという。
聖ニコラス教会の堂々たる姿が見えてくるとクルーズもそろそろ終わり。
アムステルダム中央駅の前を通り、船着き場に戻ってきた。

列車の時間まで余裕があったので、もう少し町を散策することにした。
トラムでムント広場へ。
この広場の一角にムント塔がある。
かつてこの辺りに城壁があったが、17世紀頃、町の拡大によって取り払われ、そのとき残った塔に時計塔をつけたものだそうだ。

このすぐ横の運河沿いにはシンゲルの花市がある。
チューリップをはじめとして色とりどりの花が並んでいる。
切り花、鉢植え、観葉植物etc.…メインは植物だけど、観光客用のみやげ物も売っている。
運河沿いに歩き、ライツェ通りまで来ると花市が途切れた。
今度はライツェ通りをライツェ広場まで南下する。
ライツェ広場はアムステルダムで最も賑やかな歓楽街で、市立劇場をはじめ、映画館やレストラン、バーなどが集まっている。
観光客の多いダム広場とはまた違った活気があった。
花市
シンゲルの花市

トラムで中央駅に戻り、駅の二階のビュフェで昼食。
ビュフェ形式は言葉がわからなくても見て選べるので嬉しい。
トマトとチーズのサンドイッチとスープを取り、5.5ユーロ。
ここのビュフェはサンドイッチやパン、ケーキといった軽い物からサラダ、スープ、ディッシュ料理など品揃えも充実していておすすめだ。

いよいよオランダを離れ、ベルギーへ。
乗ったのは13:23発のブリュッセル行き国際急行INT。
この急行列車は1時間に1本、特急のタリフも1時間に1本あるのでアムステルダム―ブリュッセル間の移動は便利だ。(タリフはブリュッセル経由パリ行き国際特急)
国際列車と言っても特別な装備はなく、なんとなく旧式な車両。
タリフに乗ってみたかったな。
急行列車
ブリュッセル行き国際急行列車。

窓からの眺めはのどかな農村風景が続く。ひたすら平らな大地で、山というものは全然見えない。
スキポール、ハーグ、ロッテルダム、ドルドレヒト、ローゼンタールと停車し、いよいよベルギーへ。
入国審査がある訳ではないので、いつ国境を越えたかわからなかった。
やがてアントワープに到着。「フランダースの犬」の舞台となった町だ。
今回は旅の日数の都合上、残念ながら素通り。
アントワープから40分ほどでブリュッセルに到着だ。



ブリュッセルには北駅、中央駅、南駅があり、この順に停まる。
定刻から10分ほど遅れて、16時半頃ブリュッセル中央駅に到着。
ここからメトロで1駅のブルッケール広場へ。
今日の宿は、なんと5つ星の「メトロポル」!
ブリュッセルではビジネス客が多いため、休日料金は割安になっている。(ベルギーのホテル事情→)
ネットで検索したらミディアムダブルという部屋が115ユーロで取れた。

チェックインして部屋に荷物を置くと、さっそくブリュッセルの町に繰り出した。
最初に目指したのはブルッケール広場から徒歩5分くらいの聖カトリーヌ教会…なんだけど、教会に近づくにつれて、なにやら騒々しい。
ちょうど教会前の広場で、パレードだかデモ行進だかが行われていた。
今日はメーデーではないし何だろう?とその時はわからなかったけれど、後日このパレードの正体がわかった。
最終日にブリュッセルの町を歩いていた時、Dちゃんがとある横断幕を発見した。
そこに書かれていたのは「5月3日、ゲイとレズビアンのための集会」…これだったのか…。

聖カトリーヌ教会は19世紀建造の優美な印象の教会だった。
外の喧騒が中にも響き、雰囲気を壊していたのが残念。もっと静かに観たかった。
ここには「黒い聖母子像」がある。
聖母といえば純潔の象徴、白のイメージなのになぜ黒いのだろう?
確かフランスのブルターニュ地方に黒い聖母像が多いと聞いたことがあるが、何か意味があるのか、それとも単に材質の問題なのか、ちょっとわからなかった。
教会の隣に、周囲のビルに挟まれるように黒い塔がある。
これはブリュッセルに最初に作られた城壁の名残らしい。

グランプラス
グランプラス
スーパーで水を買い、うろうろ歩くうちに証券取引所に出た。
ここをもうちょっと行くと、ブリュッセル観光の目玉、グラン・プラスに出る。
四方を華麗な建物に囲まれた、「世界で一番美しい」と評される広場だ。
明日ゆっくり観光するつもりだけれど、まずは下見。
本当に美しい広場だ。芸術品を鑑賞している気分になってしまう。

広場に面してゴディバ、ノイハウスといった有名チョコレート屋さんが並んでいる。
プラリネと呼ばれる一口タイプのチョコレートは量り売り。
値段は店によって異なるけど(125gあたり7.5〜9.5ユーロ)、どこも少量でも売ってくれる。
ゴディバでふたりで6個選んで3.92ユーロ。1個100円以下だから日本で買うより断然安い。

グラン・プラスの北東側、イロ・サクレ地区は一大飲食店街となっている。
特にブーシェ通りとプチ・ブーシェ通りにはずらっとレストランが並ぶ。
各店の競争も激しく、歩いているとあちこちの客引きから声がかかる。
この近くにジャンネケ・ピス(小便小僧の女の子バージョン)がある。
標示の矢印に従って細い通りをちょっと行った民家の間。
座り込んで用を足している姿はかわいいというかなんというか…。ちょっと目のやり場に困る感じ。

ブーシェ通りに戻ると、相変わらず客引きの勧誘がすごい。
名物のムール貝を食べてみたかったのだが、これだけ店があると目移りしてしまう。
結局決められなくて、ちょっと安いところで済ませようと通りの裏側へ。
ファーストフード風の店先のメニューにムール貝の写真があったので見ていると、店の人が声をかけてきた。
値段を尋ねると10ユーロ。ブーシェ通りの相場が16ユーロくらいだったからかなり安い。
結局、そこでムール貝を食べることにした。
ベルギーの名物料理「ムール貝のワイン蒸し」はムール貝をセロリ、ポワロなどと一緒に白ワイン蒸しにしたもので、鍋に山盛り一杯でてくる。
殻ではさんで食べるのが本場の食べ方。
でも、これがなかなか難しい。結局フォークで食べた。

お腹いっぱいになったところで、ホテルに戻る。
本日宿泊のメトロポルは、1895年創業のネオクラシック様式の由緒あるホテル。
1階にあるカフェ・メトロポルもクラシックカフェとして有名だ。
玄関やロビーは豪華絢爛で、内部も迷子になりそうな広さ。
でも、部屋は思ったよりシンプルだった。(安い部屋だったせいかもしれないけど。)
そのかわり、ふたりで泊まるのがもったいないくらい広い。
バスルームも広くて快適。
アムステルダムのホテルがシャワーのみだったので、久しぶりの広い湯船でくつろぐ。
ちょっと優雅な気分で旅行3日目の夜は更けていった。
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本日の出費(2003/05/03)
カナルボート
9.5 ユーロ
ロッカー
5.5 ユーロ
昼食
5.5 ユーロ
回数券
9.2 ユーロ
チョコ(ゴディバ)
3.92ユーロ
夕食(二人分)
25.0 ユーロ





解説2:ロッカーの使い方(アムステルダム中央駅)



解説3:ベルギーのホテル事情