オランダ・ベルギーの旅
(2003.05.01〜05.08)

2003/05/02(Fri)

窓を開けると雨が降りそうな曇り空。
今日はチューリップで有名なキューヘンホフ公園に行く日なのに…。
嘆いていてもしょうがない。朝食を食べると、さっそく駅に向かった。



アムステルダム中央駅からデン・ハーグ行きの快速列車に乗り、40分ほどでライデンに到着。
ここでキューケンホフ行きのバスに乗り換える。バスは30分に1本ほどの運行。
アムステルダムで買ったステッペンカルトがここでも使えた(ただし5コマ必要)。

バスは20分ほどでキューケンホフ公園に到着。
中に入ると、民俗衣装を来たお姉さんが地図を売っていたり、手回しオルガンが音楽を奏でていたりと楽しげな雰囲気だ。

チューリップ畑では、球根を取るために花が咲くとすぐ摘み取ってしまう。
そこで、花を楽しむために作られたのがこの公園。
32haの敷地に7000万株以上の花が植えられており、3月から5月まで期間限定で開園している。
花業者が自慢の花を持ち寄ってそれぞれの花壇を作っているので、どの花も競い合うような鮮やかさだ。
チューリップだけでなくヒヤシンスや水仙、ムスカリなどの花もたくさん使われており、一面にいい香りが漂っている。
チューリップ
鮮やかなチューリップたち

広くてどう歩いたらいいのかわからないので、とりあえず公園の外れにある風車を目指す。
この風車は動いてはいないけれど、上に登ることができる。
ここからは、公園の外に広がるチューリップ畑がよく見えた。

公園内には4つのパビリオンがあり、花にまつわる展示会や絵画展をやっている。
この公園のある場所はかつて伯爵家の狩猟場だったそうで、大きな木立や白鳥が遊ぶ広い池もある。(ちなみにこの池の噴水はヨーロッパ最大とか。)
のんびり散歩していたら一日がかりになりそうだ。
私たちは2時間ほど休みなく歩いたけれど、とても全部は周れなかった。
キューケンホフ公園
まるで花の絨毯。
キューケンホフ公園

球根の売店を見つけて、Dちゃんがお土産にチューリップの球根を買った。
9種類の球根が10個ずつ、計90個の球根と日本までの送料込みで71ユーロ(だったかな?)。
90個というとすごい数のようだけど、花壇を作ろうと思ったらこれくらい必要らしい。

バス停まで戻ると、発車時間まで20分ほどあったので、ここの売店で簡単に昼食を取ることにした。
注文したのはオランダ名物、クロケットブロージェ。
クロケットとはひき肉入りのクリームコロッケのことで、クロケットブロージェとは「パンにはさんだコロッケ」。
これに好みでマスタードとマヨネーズをつけて食べる。
すぐ食べられるのかと思っていたら、注文を聞いてからクロケットを揚げるので意外と時間がかかった。
クロケットブロージェを手にできたのはバスの出発時間の5分ほど前。
あわてて食べて口の中をやけどしてしまった。



ライデン
ライデンの町
ライデンの町に戻り、ちょっとだけ市内観光。
ライデンはオランダ最古の大学(1575年創設)がある町で、14〜15世紀の町並みがよく残っている。
駅からメインストリートをまっすぐ行くと運河に出る。
運河沿いにしばらく歩くと、小さな風車があった。
横を流れる運河にはハネ橋がかかり、いかにもオランダらしい風景だ。

おもしろかったのが市立風車博物館。7階建ての風車の内部が博物館になっている。
この風車は1743年に建てられ、40年ほど前までは実際に使われていたそうで、粉を挽くための設備を見ることができる。
各階には風車の仕組みやライデンの町の歴史に関する資料が展示されていて、なかなか興味深い。
この土地で風車がよく利用されたのは、風が強く、風向きが一定だったから。
確かにアムステルダムに着いた時から感じていたけれど、オランダは風が強い。
でも強いだけでなく風向きも重要だとは、あたりまえのことだが気がつかなかった。
ここの上階から見るライデンの町の眺めは素晴らしく、なかなかのおすすめスポットだ。



再び列車に乗り、デン・ハーグの町へ。
ライデンから10分ほどで到着。
ハーグには中央駅とHolland Spoor(HS)駅があり、列車によって行き先が違う。
観光地に近いのは中央駅の方。
目指すマウリッツハイス美術館は中央駅から徒歩10分くらいの所にある。
ここは小さいながらもフェルメールやレンブラント、ルーベンスのコレクションで有名だ。
フェルメールの有名な「青いターバンの少女」「デルフトの眺望」がここにある。
「デルフトの眺望」はフェルメールには珍しい風景画で、運河の水面や町並みを照らすフェルメールらしい柔らかい光が印象的だった。
各部屋には展示されている絵の解説カードが置かれているので、鑑賞の参考になる。

マウリッツハイス美術館も含めたこのあたり一角はビネンホフと呼ばれ、13世紀から17世紀に建てられた由緒ある建物が集まっている。
国会議事堂、総理府、外務省などがあり、一番古いのは13世紀に建てられた「騎士の館」(国会議事堂)。
見学は予約制らしく、入口に「本日の受付終了」との張り紙が貼ってあった。残念。
中庭には噴水があり、ちょっとした広場のようになっている。
国会議事堂
ビネンホフの中庭にて
正面が騎士の家(国会議事堂)

ビネンホフの城門を抜けた広場には、軽食のスタンドがいくつかあった。
ちょっとお腹が空いてきたので、ここでハーリングのブロージェを食べる。
ハーリングとは生ニシンの塩漬けのこと。これもオランダ名物。
Dちゃんの薀蓄によると、むかし都市を包囲されて食糧が尽きかけた時、解放されて最初に届いた食糧がニシンの塩漬けで、人々はナマのまま丸呑みしたとか。
ちょっと生臭いけど、慣れればけっこういける。
塩味がきいているのでビールの肴にいいんじゃないかな。

食べている間に雨が降り出した。しかもすごい夕立。これじゃ歩くのも大変だ。
目の前の通りにはトラムがたくさん走っていたので、店のお兄さんに駅に行くトラムを聞くと「トラムは迂回するから歩いたほうが早いよ。」とのこと。
雨が小降りになるのを待って、歩いて戻ることにした。



アムステルダムに戻ると、翌日のブリュッセル行きの列車の切符を買った。
国際列車の切符売り場は2階にある。
入り口の受付で行き先を告げると番号札をくれるので、その番号が出た窓口に行く。
(行き先によって窓口が違うようで、番号も異なっていた。)
待合室はすごい人だったが、それほど待たずに手元の番号が標示された。
ブリュッセルまで2等で31.4ユーロ。タリフ(国際特急)ではない普通の列車だったので座席指定はなし。

この日の夕食はホテルのすぐ前の中華料理屋で食べた。
一番安いセットメニューは5.9ユーロで、メイン料理とご飯と飲み物付き。私たちにはこれで充分。
Dちゃんは野菜炒め、私は鶏のソテーを頼んだ。
でも食べてみると…このピーナッツソースの味はマレー料理のサテじゃないの?。
オランダはインドネシアを植民地にしていたから東南アジアの料理が入って来てるのも不思議じゃないけど、どうやらオランダでは中華料理とインドネシア料理が一緒になっているみたい。
店の内装がまったく中華風なのでちょっと違和感を感じた。まあ美味しかったからいいんだけど…。

店を出るとすごい夕立だった。まさに「バケツをひっくり返したような」という形容詞がぴったり。
ホテルが目の前でよかった。
部屋に戻ると、雨と風の音がすごい。雷まで鳴っている。
考えてみれば、キューケンホフでも雨はパラついたけど傘をさすほどじゃなかったし、ハーグでも雨がひどかったのはスタンドにいた時だけだったし…まあ恵まれた一日だったのかな。

―こうして旅行2日目も無事終わった。
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本日の出費(2003/05/02)
鉄道(アムス-ハーグ往復)
15.1 ユーロ
クロケットブロージェ
2.7 ユーロ
風車博物館
2.5 ユーロ
絵葉書
1.15ユーロ
ハーリングブロージェ
1.9 ユーロ
マウリッツハイス美術館
7.0 ユーロ
鉄道(アムス-ブリュッセル)
31.4 ユーロ
夕食
5.1 ユーロ