みなえのチェコ日記 11

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11月24日(土)

プラハの朝!

さわやかでございます。目の前の公園では犬をつれて散歩する人が多数。

ほとんどの犬がリードを付けていません。ヨーロッパは犬のしつけがいいって聞いていたけど、

吠える犬は皆無。無謀に駆け出す犬もいないし、

うちの実家のおてんば犬「ななちゃん」にもみならっていただきたいわ。

柴犬なのでダッシュは好きだし気ままな性質なのは認めるけど、

それにしたってうちの父と母に甘やかされてそだったせいか(本人たちは否定している)

ちゃんとしつけが行き届いていなくてそれなりです。意地悪犬ではないのがせめてもの救いだけど。

 

本日の予定はトラム(市内を走る路面バス)に乗って

ブルタブ(モルダウ)川を見下ろすプラハ城へ。

それからブルタブにかかる有名なカレル橋を渡って市内へ戻って。

・・・の、はずが(笑)

『12』番の路線に乗って、川は渡らずにお城へ行くはずだったのに、

この『12』番のトラム、橋渡ってますけど(笑)

しかも、ブルタブに架かる川を二回も渡って、つまりぐるっと回ってもとの道を走り出したぁ(笑)

よくわかんないけど、とりあえず戻り過ぎないうちにトラムを下車。

拓弥を抱いたまま「なんだ?なんだ??」って歩道にあがって地図を広げてると

チェコ人のおじさんが英語で「May I help you?」って話しかけてくれた。

おじさんに聞くと、どうやらお城近くへはトラムでは今行けないらしい。おじちゃんさんきゅー。

で、おじちゃんに教わったとおり、向こうの乗り場のトラムに乗って 

お城の足もとにあるカレル橋へ行くことにした。

ついでだけど、おじさんと話してる時に目の前にあった骨董品屋さん、

茶色い焼き物で「見ざる言わざる聞かざる」のサルの置物売ってた。

 

トラムのルートは変わってるの? 地図買わなくちゃかなあ。

12コルナのチケットで一旦乗車すると、昼間は60分、夜と日曜は90分、

トラムとメトロ(地下鉄)は乗り放題。12コルナって30〜40円。

だから、乗り間違えても時間はかかるけど財布はじぇんじぇん痛くない。

ようやくついたカレル橋は(さっき目の前通ったけどさ)思ってたよりも人がすくなかった。

橋の欄干には聖書に登場するシーンや聖人たちが彫刻になって並んでいて、

それで有名な橋。なので、歩行者専用で出店やパフォーマーがあちこちにいる。

どうやら「触って記念写真」って決まってるレリーフがあるらしくて 

そこだけつるつるになってるのもあった。

(巣鴨のとげ抜き地蔵か京都のお寺の牛みたいだ・・・)

 

昨日から写真撮りまくっているみなえ。

なんかたのしいぞ(笑)

 

くねくねした上り坂の途中には、「中世ヨーロッパ」って感じの街並が。

お城の裏にも錬金術師たちが住まわされていたという狭くてあやしい通りがあったけど、

どこもみんなお土産屋さんに変わっていた。

有名なチェコクリスタル、木のおもちゃ、表通りのお店は一番高い。

一本裏通りになると同じものでも「10%OFF」、

街の中のもっと人通りのない建物の奥のお店には「30%OFF」「50%OFF」なんて張り紙もあった。

もちろん、こんなところにはツアーの観光客はこない。

日本からのツアーだと、プラハ観光はせいぜい半日〜1日なので、

そこまではあらかじめ知っていないと行けないねえ。

「ガラス製品の定価なんてあってないようなもの」って、ちょっと前に信楽でも聞いたような(笑)

でえ、今泊まってるフセチンの近くの温泉で買った412コルナの一輪挿し、

プラハ市内では800コルナ以上でした。ビバ、半額!

日本で 友達に託されていた「チェコビーズ」探しも第一日目です。

なかったら自分で修行して作って帰ることになってたんだけどさあ(笑)

どうやら日本で言う「チェコビーズ」というのはチェコで言う「カットガラスのビーズ」なのらしく、

プラハ城の錬金術師の街のお店には「それはない」って。

でも、普通のビーズも私が知ってるのよりは安かったんで

買っちゃった買っちゃった買っちゃった・・・

ガラスのころんとしたビーズもかわいくてきれいで買っちゃった買っちゃった・・・

拓弥の寝てる間にみなえちゃんも作りたいもーん。

うはは。まとめ買いって楽しいわね。

(でも、どうやって分けるかは考えないで買っちゃった。

 日本に帰ったら依頼主に一緒に考えてもらおう)

早めの夕ご飯はカレル橋たもとの中華料理屋さんへ。

入ろうとしたその瞬間、お店の外からでも聞こえる聞きなれたあの声が。

きゃぁぁぁぁぁ!! 仲間だ、拓弥ザウルス!

店内には、中国人経営者の家の4歳くらいの女の子と、8ヶ月になる赤ちゃんがいた。

チェコ人の子供って、大きな声はだしても「あぁぁぁ」であって「きゃぁぁ」にはならないんだよね。

でも、チェコで初めて聞いた悲鳴(笑)が中国人の赤ちゃん。アジア系の子供の特徴なのかも?

ちなみにその赤ちゃん、1歳半の拓弥と同じくらいの大きさだった(笑)<普通

このお店では、拓弥のきゃーは出なかったのが残念だった。

でも、食事中も拓弥はいろいろかまってもらって、最後にはおやつ用のパンをもらっちゃった。

日本人は来ても日本人の子供はあまりこないと思うので、おたがい楽しめたのかも。

一緒に撮った写真、今度たくやがプラハにくることがあったら届けよう。

 

そして予定外のより道と迷走をして、夜のプラハの街へ。

とは言っても、暗くなるのが16時すぎなだけで、時間としてはまだ18時頃。

いろいろ見たんだけど、旧市庁舎の1410年製のでぇぇぇっかいからくり時計とか、

(時報の鐘の音と共に死神とか出て来るんだよ、シュールだ)

クリスマスツリーと屋台小屋でいっぱいの旧市民広場とか、うろうろしてから帰ることにした。

トラム乗り場へ行く前に、もー休憩なしで歩くなんて我慢できないって私がごねたら

ジュースを買いに行ったたくや。

なかなか帰ってこなくて帰って来たと思ったら怒ってる。

おつりがないとかなんとかごまかされて、よーするにボラれたらしい。

気前よさそーな顔してるからだよ、

さっきスーパーがあるの知ってたなら早く言えばいいのに、って言いたいこと言って、

帰りのトラムに乗りこんだ。

 

そして事件は起こったさ! みなえちゃんは怒ったさ!!

地下鉄の駅前でどっと人が降りて、ガラ空きになった車内。

でも、私は拓弥を抱いていたら座らせてもらえてたので気づかなかった。

なんで気づかなかったかっていうと、

目の前に立ってたたくやのすぐ隣にくっついて、にーちゃんが二人いたからだ。

で、ここはどのへんかな?と思って車内を見回してやっと気づいたの、この二人怪しいっ。

でも、たくやはもっと前からヘンなのに気づいてたんだってよ。

なのに、「ねえ、ちょっとリュック見てくれる?」って暢気なことを私に言ってたらしい。

そんなの聞こえてなかった私はたくやのしょっいっぱなしのリュックを見た。

拓弥をずっと抱いてると重いので、さっきたくやが抱っこ係してた時に

軽い方のリュックを渡したままだった。

私は重たいたくやのリュックをしょっていたんだけど、拓弥と座れたので膝の上に乗せていた。

たくやがしょってるリュック。

その中には、大事な大事な拓弥ちゃんの未使用おむつとジュースとおやつが・・・!

それ、盗られたら困るぅぅぅぅぅ。<バカ

そして、私に背を向けてるにーちゃんの手は、既に止め具を外して口を締めてる紐を握っていた。

わー、そうやって盗むんだー。って感心してる場合ではなくて、

たくやに日本語で「リュック下ろしな!」って言った。

たくやはこの状況を全然わかってなくて、

何?さっきリュックのふた開いちゃったみたいなんだけど、見てくれた?なんて言ってる。

余計に腹が立った。ばっきゃろー、てめーが狙われてんだよ(▼_▼メ)

つーか、混雑した乗り物の中で後に人がいるのにリュックしょってんじゃねーっつーの。

その中には、大切な大切な拓弥ちゃんのおむつとジュースとおやつがあぁぁぁっっっ!

(しつこい笑)

でも、スリのにーちゃんは 顔をこっちに向けないので

私が一部始終を見ているのも露知らず一生懸命たくやをつけまわしていた。

一旦は慌てて降りて、たくやの死角にある違うドアから「降りるとこ間違えちゃった」って顔して

また乗って来た。そしてたくやの背後に忍び寄る。でも、みなえちゃんから丸見え(怒)

次はコートのポケットか?

そこにはみなえちゃんの手編みの手袋がぁぁぁぁぁ!!

これは珍品だしっっ、高いかもしれないしっっっ(爆)

だから、たくやに「にーちゃんから離れな」って言ったんだけど、

トラムって石畳のせいでしょっちゅう大きく揺れてるから、にーちゃんはよろけたふりして

避けても避けてもどんどん近づいてくるの。

てめーなめたまねしやがって

いてまうぞこらぁ・・・!

って思った(ぷちん)けど言えなかったので(しくしく)

むっとしてさっさと離れた席へ移動してやった。

 

そして、その時すでに第二の事件は始まっていたのであった(まだあるんかい)。

すっかり後を追えなくなったスリのにーちゃんたちはすぐに降りて行った。

そしてさらなる事件の全貌が明らかに!

「このトラム、ホテルの前通ったっけ?? -_-」

確かに、ホテルの最寄の停留所では人気がなさすぎて

あのにーちゃんたちの追いかけられでもしたら、と思うと降りられない。

でも、そのにーちゃん達がいなくなった今、もう降りても安全なんだけど、

「ホテルに近づくどころか反対がわに曲がってもう一つの川を渡っている」のである(号泣)

まじかよー、なんでだよー、トラムの路線変わったって全面改正してんのかよー、

でも、朝から張りきりすぎて、もう余力のないたくや。

でも、ここでもめても意味がないので、とりあえず帰るルートの確保に専念することにした。

ホテル前を通る数少ない路線から『14』番に乗ったんだけど、

ホテルの前を通らずに住宅街へ向かっていた。

東京でいったら多摩川とか荒川を渡っちゃったとか、

大阪だったら武庫川超えちゃったとか、そんなかんじ(哀)

慌てて地図を見たら、この路線はこの先でくるっと回って再び街へ向かうルート。

ほんとかなー、今日もそう走る? 疑心暗鬼なみなえ、もう思考能力が落ちてるたくや。

仕方ないので終点まで行ったら、ここで降りてくださいって言われた。

街へ戻りたいって言うとあっちに乗り場があるって言いながら運転手さんが指差していた。

でも、たくやはそれに気づかず(T-T)トラムを降りると反対がわへ歩き出す。

「さっきあっちって言われたじゃーん」「え、そう?」

「ぐるっと回ったあっちがわから始発ってことじゃないの?」

「そうかもしれないねえ、じゃあそっちだね」もう、考えることを放棄しているたくや(汗)

しょーがねーなあ、みなえちゃんがたくやを悪党から守って、

無事にホテルまで連れて帰ってあげるしかないっ。

角の向こう側にはもう次のトラムが来て人が乗り始めていた。

拓弥と荷物を抱えて、暗い大通りを二人でダッシュ。

夜の9時にこんなところから慌てて乗りこむ子連れの日本人、ものすごくヘンだ(汗) 

でも、もう乗ってる人全員が悪い人に見えるよー。怖いよー。

再び橋を渡って、でもやっぱりトラムは路線図とは反対がわ(ホテルから離れて行く〜)に

曲がっていく。そこで、今いる場所がわかったらすぐに降りて乗り換え。

ホテルの近くの道を結局3回とおってやっとホテル前の停留所へ。

1時間以上かかって辿り着いたんだけど、本当は20分くらいで着く距離なんだよね・・・。

 

めちゃくちゃ疲れたんだけど、

明日もこんな調子かと思ったらとってもめんどくさくなって帰りたくなった。

で、まあ要するに、ケンカして、仲直りして、寝た。