幻の講習(平成12年9月某日)

どんより気分はまだ完全にはおさまっていなかった。が、前回のシミュレータを一緒に受けてた子のうち片方(女の子)が、すでに10数回の講習の末にシミュレータに来ていたのと、もう片方(男の子)が、私が8講習目のときに「次、シミュレータね」と言われた男の子だったのを知り、ちょっと回復。なんだー、ヤツも9講習目で「シミュレータと言われた」ということは、男でも落ちるんじゃ〜んということを知ったわけだ。と、レベルの低いところで、自分を納得させているイヤしい私(笑)。

さて、今回は坂道発進の練習。教官の後ろに乗らされ、坂道の途中でバイクを止められ、坂道発進の解説。「ほら、ここでブレーキを踏んでないとバックするからね。これが一番ダメ。あと、エンストも起こさないように。すぐバックしちゃうからー」と。

正直、バイクの坂道発進なんてカンタンカンタンとなめていたと思う。友達からも「車の坂道発進に比べれば、カンタンカンタン」と吹き込まれていたし。でも、いざ自分でやってみると、ふがー、下がりよるー! ということで、足ブレーキを踏み直す。うぅ、教官の後をすぐについていけなかった。ショック。しかも、教官が向こうで待ってるし…。ショックを受けつつ、やり直すと、あら、できるじゃん。でも、やっぱショック。だって、下がるときのバイクって、かなり重くて、焦ってしまったんだもの(涙)。確かに車の坂道発進ほど、失敗せずにできたけどさ。やっぱなめてちゃいかんのぅ、と同じ坂に戻って、もう一度坂道発進をする。今度こそうまくやるぞーと思ってやったのだが、今度はエンストこいてしまった。で、あちゃー!また下がるがー。と、焦って足ブレーキを踏み直そうとしたときにバランスを崩したのか、久々にバイク倒してしまった。しかも右側に。

がーん、あ、でも後ろ来てないや。ラッキー。けど、やっぱ1人じゃ起こせないー。あ〜ん、教官助けてぇ〜んと、かなりなめたことを考えていたら、教官が戻ってきてくれた。わーい!と喜んだのもつかの間、「もたもたしてると、朝になっちゃうよ」とつれないお言葉を投げかけてくれた…。

げげ、この教官、助けてくれへん…。

そうとわかると、とたんに火事場の知恵と馬鹿力というヤツがムクムクと沸いてきたのでしょうか?バイクの左側に回って、スタンドを立て、そのあと、右側に回って、腰をかがめて、ふーんーがー!と力むと、持ち上がりました。で、立てれました。

わーい! 初バイク立て。やたー!できた!できたー!と喜んでいる私の横で、教官が一言、あ、ステップ折れてる…とな。なんと?ひー、ほんまや。ステップ、付け根からぽっきり折れてるー。

が〜ん、ステップを折った女になってもた。教習所でバイク壊した女になってもた。が〜んが〜んが〜ん。ま、よくあることなんだろうが、まさか自分がそんなヤツになるなんて…。が〜ん。おまけに、そのあと、教官と共に代わりのバイクを探したのだが、すべて出払っていて、整備に出してたバイクも整備担当者がすでに退社していたため使用できないという有様。

で、結局「まだ50分乗ってないからね…。1回ただで乗れたと思っといてね…。別にあなたが悪いわけじゃないからね…」と教官に慰められつつ、この時間の講習は終わってしまった。まぁ、この分は教習所側が保証してくれるんで、別に不満はないのだけれど…。なんつーか、今日の私って、もしかして教習所に恥かきに来たのでは?というくらい、いろんな事件が起こった一日となったわけであり、非常に非常にむなしい気分でいっぱいになってしまった。とほほほほー。

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