エンタープライズは第310宇宙基地に到着、アカデミーに通っているウェスリー・クラッシャーが乗船してきた。ビバリーは彼を客室に案内し、二人で話しているとジョーディとデイタも様子を見に来た。だが、ウェスはなんとなく元気が無い。三人が出ていった後、ウェスはため息をついてベッドに腰掛けた。
今回エンタープライズが宇宙基地に立ち寄った真の目的は、ピカードとナチェフ中将の会合のためだ。観察ラウンジではピカード自ら中将をもてなす準備をしている。ピカードはライカーに「以前彼女ともめたことがあってね。関係を修復したんだ」と打ち明ける。やがてナチェフ中将がやってきた。彼女は立ったまま話しはじめるが、ピカードの用意した「バラリアのカナッペ」に気づき、席に座った。
「カーデシアと連邦は国境問題に関する新たな協定を結んだ。だが新たにカーデシア領となった宙域には連邦の植民地も含まれており、エンタープライズの任務はアメリカインディアンが移住したドーバンV号星の住民たちを他の惑星に輸送することだ。」とナチェフ中将は説明する。それを聞いたピカードは「何度も故郷を追い立てられているインディアンをまた移住させるのですか?」と抗議する。彼女自身も移住策には反対だったが、連邦の平和を考えると仕方が無いと思うようになったと彼女は打ち明け、「もし嫌なら他の艦に命令してもいいのだけれど」と尋ねる。ピカードは固い表情で任務を受けた。彼女は席を立ち、「つらい任務なのは解っているわ。でも恒久的な平和のためなのよ」とピカードに言う。部屋から出て行こうとした彼女はドアのところで立ち止まり、「温かいもてなしに感謝しているわ」と礼を言い、出ていった。
機関部。私服に着替えたウェスが遊びに来た。ジョーディが「手伝ってみるかい」と彼を呼び、最近エンジンに加えられた改良点を説明する。するとウェスは小馬鹿にしたような口調で「こんなの時代遅れだよ。最新の論文を読んでないの?」と言い出す。ジョーディはむっとして「お前は変わったな。下がっていいぞ」とウェスに命令する。
エンタープライズはドーバンV号星に到着、住民の代表たちと話し合いを始めた。予想されたとおり住民たちは「やっと定住の地を見つけたのに」と抗議する。アンスワラという名の長老が「ここにはオーラのようなものがあるんですよ」と説明しはじめると若者が「こいつらにそんな事を言っても迷信深い連中の戯言くらいにしか思われませんよ」と横車を入れる。ピカードが「そんなことはありません」と否定すると、アンスワラは「この土地は我々の精神世界と結びついている。また二百年かけて探せというのか」とやや強い口調でピカードに質問した。ディアナは結論が出そうにないと判断し、改めて続き行うことを提案した。ピカードは代表たちをエンタープライズに招待し、アンスワラはその申し出を受けた。 ビバリーの部屋。彼女がウェスの態度を注意すると、「そんなことでごちゃごちゃ言われたくないね」と口答えする。「もう四年生になったんでしょう、そろそろ大人になったら」とたしなめられたウェスは「四年間も周りの期待にこたえようとして良い子の振りをしていたからこうなったんだ」と怒鳴り、部屋を飛び出していった。
テンフォワード。インディアンたちを交え、パーティが開かれている。ピカードはアンスワラと話し込んでいるが、まだ移住に関する話は進展がみられない。アンスワラは「先祖が我々を導いてくれる。戦いに勝つには敵を知ることだ」といい、二人は互いの先祖について話しはじめた。少しウェスが入ってきた。遅刻したことをビバリーに注意されたウェスが一人でテーブルに座っていると、一人のインディアンが彼の名前を呼んだ。そのインディアンはラカンタと名乗り、「君を知っている。君は我々といた」と言いながらテーブルに座った。彼は「二年前、"ハバック"に君がいた。」と言うが、ウェスには何のことだが理解できない。ラカンタは「ハバックには君の求める答えがある」と言って、去っていった。
ピカードの部屋。ビバリーがピカード相手にウェスのことを相談している。ビバリーはアカデミーに呼び出され、彼は問題児で、成績も落ちていると言われたらしい。「男性のあなたからウェスに注意して」と頼まれたピカードは「もう大人なんだ。自分で解決させるしかないだろう」と断った。
ウェスはインディアンの植民地を訪れた。彼はラカンタに「これから僕はどうすればいい?」と質問する。だがラカンタの答えは「さあな」だった。ハバックのことを質問したウェスは逆に「君にとって神聖なものは何だ?」と尋ねられる。ウェスが「何だろう。自分にとって大事なものはたくさんあるけど。この壁かな?ラカンタのしている首飾りかな?」と考えていると、ラカンタは「世の中に存在するものすべてだよ」と答え、「君は誰よりも崇高な人間だ。自信をもって行動しないと自分を大切にするべきだ。そうでないと聖なる者を汚すことになる」と告げた。ウェスはたしかに彼の言うとおりだと認める。ラカンタは「原始の世界を旅してみよう」と言いながら歩き出す。ウェスも彼の後を追って、建物の中に入っていった。
別の建物では再び交渉が行われていたが、やはり同意には達することは出来なかった。ピカードは「申し訳ないが強制的に立ち退いてもらう」と告げた。アンスワラは「ようやくあなたが交渉の相手に選ばれた訳がわかった」と言い出す。18世紀の地球でスペイン人たちとインディアンたちが衝突する事件が起ったが、スペイン側の中にピカードの先祖がいたという。アンスワラは「あなたがここに来たのは先祖の血塗られた先祖の罪を償うためだ」と言い残し、出ていった。ピカードたちが広場に出ると、数人のカーデシア人が銃を持ち立っていた。
ピカードはカーデシア人たちに近寄りリーダーらしき男に話しかけた。リーダーの名はガル・イベック。ピカードは「二人きりで話したい」と持ち掛ける。ピカードは「この星はまだ連邦領だ。すぐに出ていってもらいたい」と頼むと、ガル・イベックは「この星はカーデシアのものになることが決まっている。そして私は命令されて調査を行っているだけだ」と答えた。ピカードは「ここの住民たちは私が守る」と警告した上で、調査の続行を許可した。
ウェスたちはハバックと呼ばれる部屋に入った。部屋の中には様々な工芸品が置かれていた。彼らの文明は野生にあるものばかりでなく、クリンゴンなどの異星人のものも取り込んできたようだ。ウェスが「何をすればいいの?」と質問すると、ラカンタは「火をおこして待っていろ。これは君のたびだ。ドアは開けてやるが自分で入っていくしかない」と答えた。
作戦室。ピカードはナチェフ中将に交渉がうまくいっていないと報告した。中将は強硬手段に出ろ、と命じ、通信を切ってしまった。ピカードは「もし私が彼らを武力制圧すれば先祖と同じ罪を犯すことになる。それで、いいのだろうか」とライカーに相談する。ピカードはウォーフを呼び、強制退去の準備を始めるよう命じた。
ウェスの前に父親の幻が現れた。父親は「いよいよ旅の終わりがきたな。これからは自分の旅の始まりだ。」とだけ言うと消えてしまった。「お父さん!」ウェスが叫ぶと幻は消え、もとのハバックの部屋にいた。
ウェスが広場に出ると、ウォーフが部下に村を閉鎖する指示を与えているところだった。ウェスはウォーフに「勝手に村人を連れて行くなんて」抗議し、大声で村人に真実を明かしてしまった。
観察ラウンジ。ピカードはウェスを叱かりつける。釈明を求められたウェスは「間違いです」と繰り返す。ピカードは「制服を着ている限り、艦隊に従わなければならない。規則を学び直せ」ときつく諭す。するとウェスは「もうこの制服は着ていられない」と言い、コミュニケーターを外し、出ていった。
ウェスが荷造りをしている。ビバリーは必死に彼を止めようとするが、決意は固い。ウェスはハバックの部屋で父親から「私を追うな」と言われたこと、前から別の道へ進みたいと思っていたが期待を裏切れなかったと打ち明けた。そして「すっきりした気分だよ」と言う。ビバリーは自分にも責任があると認め、「トラベラーの予言どおりになったわね」と微笑む。ウェスは「愛しているよ」と言った。
ウェスはインディアンのコロニーに戻った。彼はインディアンから「ここにいてはまずい」と声を掛けられる。インディアンたちは銃を持ち、カーデシア人を捕虜にしてしまった。ウォーフが「彼らはここにいても良いとピカード艦長の許可を貰っている」とインディアンに伝えると、「我々はそんな許可を与えた覚えはない」と口々に叫びはじめた。
ウォーフがピカードに指示を求めると、ピカードはカーデシア人をエンタープライズに転送するよう命じた。ガル・イベックは「インディアンたちを転送すべきじゃないのか」とピカードに抗議し、艦に通信を入れると部下たちに村を制圧するよう命じた。ピカードは「彼らはまだ連邦の一員だ。もし部下を出動させれば、私たちも武力で抵抗する」と警告、二人はにらみ合った。
コロニー。ウォーフとインディアンが言い争っていると、捕虜になったカーデシア人が暴れだし、銃撃戦が始まってしまった。ウェスは「よせ」と叫びながら、彼らを制止しようとする。しかしインディアンの発射したフェーザーはカーデシア人に命中してしまう。その瞬間、ウェス以外も者は凍り付いたように止まってしまった。ラカンタがウェスに近づいてくる。ウェスが「あなたがやったの?」と尋ねると、彼は「君がしたことだ。君は時間から抜け出したんだよ。君は思考を別の次元にとばしたんだ。」と答える。ウェスがきょとんとしていると、ラカンタはトラベラーに姿を変えた。トラベラーは「待っていたよ」と言う。彼は新たな旅にでかけようとウェスを誘う。「彼らはどうなるの?」とウェスが尋ねると、トラベラーは「彼らには彼らの運命がある。信じてあげることだ」と答えた。ウェスはにこりと笑い、トラベラーと共に歩きはじめた。
再び時間が動き出した。カーデシア艦は惑星を攻撃しようとしている。ピカード、そしてガル・イベックはエンタープライズのブリッジからこの騒ぎをみていた。カーデシア艦から攻撃開始の許可を求める通信がガル・イベック宛てに入る。ピカードは「我々は戦争で尊い命をたくさん失った。それをまた繰り返すのか。」と訴える。ガル・イベックは惑星にいるカーデシア人たちを艦に収容するよう命じた。ピカードも上陸班の収容を命じた。ガル・イベックは「あの戦争で息子三人を失った。残る一人は守りたい」とピカードに語った。
観察ラウンジ。結局、アンスワラたちインディアンはカーデシア領になるドーバンV号星に残ることになった。ピカードは「それでいいのか」と念を押す。「つらいことも経験するかもしれないがその準備をはじめるつもりだ」とアンスワラは言う。ガル・イベックは「彼らに管掌しない」と約束し、ピカードも「艦隊司令部はおそらくアンスラワの決定に納得するだろう」と請け合う。ガル・イベックが出ていった後、アンスワラは「私のいった通り、あなたは私たちを移住させることが出来なかった。あなたの先祖の罪はこれで水に流しましょう」とピカードに告げた。
転送室。ウェスリーが艦を去ろうとしている。ピカードから今後のことを尋ねられたウェスは「トラベラーからインディアンの精神文化を学べと言われました」と答え、「今度こそしっかり勉強する」とビバリーに約束した。三人は別れの挨拶を交わし、ウェスはドーバンV号星に転送された。