ビバリーが自分の祖母の葬式で別れの挨拶を述べている。彼女の祖母も医師だった。参列者が帰っていく中、ビバリーはふと若い男の存在に気付く。彼はビバリーを見つめ、何も言わずに去っていった。
ビバリーはディアナに男のことを尋ねる。ディアナは彼に気がつかなかったようだ。二人は祖母の家に向かった。ピカードは老人に惑星の施設を検査してくれと頼まれた。代償として観光ツアーに招待してもらえると聞き、引き受けた。この惑星カルロスはスコットランドを真似て作られた。老人はこの惑星の総督だ。
ディアナたちは祖母の家に入り、ビバリーの家族の話をはじめた。ビバリーは一族に伝わるという燭台をディアナに見せた。祖母は火を絶やさなかったという。ディアナは先に戻ると言って出ていった。ビバリーはソファーの側に遺品を眺め微笑む。そしてその中から一冊の本を選び、二階へ登っていった。
黒い服を着た男が入ってきた。男は燭台の火を吹き消してしまう。ビバリーは二階から駆け下り、男から燭台を奪い取った。男はネッドという名前のその男はビバリーの祖母の世話をしていたという。男は「蝋燭を捨てろ!これのせいであの人は不幸になってしまったのだぞ」と怒鳴る。ビバリーが拒絶すると、男は「俺はちゃんと注意したからな。お前も先祖と同じように呪いの蝋燭に苦しめられるがいい」と言い捨て、出ていった。
エンタープライズの機関部ではカルロスの総督とデイタたちが惑星の施設のチェックを行っていた。そして気候を管理する施設に異常が発見された。
通路を歩くビバリーが「100才の祖母に恋人がいたの」とピカードに話している。祖母の日誌にそう書いてあったのだ。祖母はロニーという三十代の男性と曾祖母が死んだ直後に知り合った。そしてビバリーはその男性が葬式で見かけた男ではないかと想像していた。「なぜ祖母は私に教えてくれなかったのかしら」とビバリーは不思議がる。ピカードが「それではこの惑星にいる間に恋の謎を解き明かしてみてはどうだい?」と笑いながら提案すると、ビバリーは肯いた。
ビバリーはベッドに入り、祖母の日記を読んでいたが、そのまま寝入ってしまった。サイドテーブルにはあの燭台が置かれている。見えない何者かが彼女のシーツを剥がしていく。男の声が「ビバリー」と呼びかけ、ビバリーは目を覚ました。
テンフォワード。ビバリーがディアナに夢のことを打ち明けている。「私の名前を呼んだの。指輪をしていたみたい。肩を触られた時にそう感じたの」とビバリーはうっとりとした表情で話している。ディアナはは「また日記を読めば今晩も夢を見られるかもね」と微笑んだ。
ビバリーは花を持って墓を訪れた。ネッドが墓参りをしていた。ビバリーは昨日の無礼を詫び、祖母の家に住んでくれと頼んだ。だが彼は断り、「あの家は呪われているから、もう足を踏み入れない方がいい」とビバリーに警告する。ネッドは「蝋燭には幽霊が宿っている。行き場が無くなってしまったので、嵐を起こそうとしているのだ。」と言い張り、ビバリーが天候システムの異常にすぎないと反論しても納得しない。そして「悪いことはいわないから二度と蝋燭の火をつけるな」と強い口調で警告し、立ち去っていった。墓場に強い風が吹きはじめ、遠くで雷鳴が轟く。ビバリーは逃げるように墓場を去った。
エンタープライズでも惑星全域に発生した雷雨が観測されていた。デイタによれば天候システムが不調をきたしているらしい。基地には復旧に必要なパワー不足しており、エンタープライズから惑星に向けパワーが送られはじめた。
ビバリーはびしょ濡れになりながら、祖母の家に駆け込んだ。だが部屋の中を見て息をのむ。部屋いっぱいにバラの花が飾られていた。
「ネッドなの?」とビバリーは不安そうに叫ぶ。返事はない。「いるのはわかっているのよ」と言いながら壁にかかっていた鏡を手に取ってみると、彼女の後ろに男の姿が映っていた。ビバリーはびっくりして鏡を落としてしまう。恐る恐る振り向くと、やはり誰もいない。ビバリーは見えない何者かに向かって「エンタープライズの保安部員に調査させるわよ」と怒鳴る。するとあの男の声が「ビバリー、君の為に戻ってきたよ」と話しはじめた。その声は「昨日の夜のことを覚えていないのか」と語り掛ける。やがてビバリーは、声の主が祖母の日誌に描かれていたロニーだと気付く。ロニーは自分は霊で、この家の代々の娘とともに過ごしてきたと説明する。そして彼は「我々は溶け合うのだ」と言い、ビバリーは「やめて」と叫んだ。
エンタープライズ。ディアナがビバリーの部屋に行くと、ビバリーがバラの花を生けていた。疲れたからトレーニングは休むとビバリーは言う。ディアナは「まるで誰かと一晩過ごしたみたい」と指摘する。ビバリーは観念して「相手はロニーよ」と打ち明けた。ディアナは「つらい体験を共有した後は親近感を抱くものよ」と忠告した。
総督が「いやー、まいった」とぼやいている。風邪をひいてしまったようだ。ピカードたちがブリッジに行くと、あたり一面真っ白だった。艦の環境コントロールが不調で霧が発生してしまったという。異常は全艦に広がっていた。ライカーは発射されているパワー転送ビームを通じて惑星の気候システムの異常が逆流しているのではないかと推測し、ピカードはビームを止めるよう命じた。だが、ビームは止まらない。止めるには惑星へ行き、気候システムを直すしかない。ピカードはデイタを惑星へ向かわせた。
惑星に降下したデイタとジョーディが調査を行なった結果、システムのパワーが低下していることが判明した。なぜかバックアップ用のシステムが働いていないようだ。二人はパネルの下に潜り込んでパワー・コンジットをいじっている現地人に気がつく。デイタが引っ張り出してみると、あのネッドだった。彼は「奴は俺達を殺そうとしているんだぞ」といいながら、再びパネルの下に潜り込んだ。そして感電し弾き飛ばされてしまう。ネッドは死んでしまった。
基地に総督が呼ばれ、デイタたちが何が起きたのか説明した。「あんないい奴がなぜ」と総督は首をふる。ビバリーがネッドの体を調べた所、彼の全身にはなんならのエネルギーが残留していた。ただの感電死ではなさそうだ。彼の遺体はエンタープライズで解剖されることになった。
ビバリーは祖母の家に行き、ロニーに話し掛けた。ロニーはネッドの死を知っていたが、その原因についてはなにも話そうとしない。ロニーは実体化し、「蝋燭に火をつけてくれ」とビバリーに頼んだ。エンタープライズにあるとビバリーが答えると、ロニーは「パワー転送ビームに乗って私もエンタープライズに行く」と言い出した。彼は「エンタープライズにいけば一緒になれる」といい、ビバリーにキスをした。そして消えてしまった。
ビバリーはエンタープライズに戻り、急いで蝋燭に火をつけた。そわそわして「どこに居るの?」と尋ねる。ふいにロニーが現れ、彼女を後ろから抱きしめた。そして「無常の愛を君に捧げる」と言うと、ガス状の姿に戻り、ビバリーの体に入ってしまった。
転送室。ビバリーが惑星に降下しようとしている。ピカードはビバリーを止めようとするが、「辞表を提出した以上、私を拘束するのは不当です」と言われてしまう。ビバリーは転送されていった。
作戦室。ディアナがピカードにビバリーの最近の様子を報告している。ロニーという男性が彼女を変えてしまったのは間違いない。「でも彼女がどう振る舞おうと、彼女の自由ですわ」とディアナは付け加えた。デイタが入ってきた。ネッドの体に残留していたエネルギーと同じ物が惑星上で観測されたらしい。そこはビバリーの祖母が埋葬された墓地に一致していた。ピカードは「ロニーという男に会いたいな」といった。
デイタとジョーディが墓地の調査を行っている。発信源はビバリーの墓だった。
ビバリーは祖母の家でロニーと愛を語りあっていた。やがてロニーはガス状の姿になり、ビバリーの体に入っていく。ビバリーが恍惚の表情を浮かべていると、誰かがドアのノックした。ビバリーはドアを開けようとしない。そのうちにドアが開き、ピカードが入ってきた。ビバリーは声を掛けられてはっと我に帰る。ピカードは「ロニーに会うまで待たせてもらうよ」と告げた。ビバリーは「帰ってちょうだい」と半狂乱になる。だが「どうして君以外の人間はロニーを見たことがないんだ」とピカードに尋ねられたビバリーは答えることが出来ない。その時、「いいでしょう」といいながらロニーが階段を降りてきた。ビバリーはロニーに寄り添う。デイタから通信が入った。発信源はやはりビバリーの祖母の墓だった。デイタは墓を掘る許可をもらいたいと言ってきた。ロニーは「止めろ」と抗議するが、ピカードはかまわず許可を与えた。そしてピカードはロニーに「この星へどうやって来たか答えてみろ」とせまる。するとロニーの姿は消えてしまった。ピカードが「行くぞ」といいながらビバリーの腕をつかもうとすると電撃のようなものがピカードに襲い掛かる。ビバリーが手当てをしようとすると、ロニーの声が「墓を掘り起こさせないでくれ」と懇願した。ビバリーが手当てをしなくてはと答えると、ロニーは実体化してビバリーの腕をつかむ。ビバリーがその手を振り払うと、ロニーは「残念だよ」と言って出ていってしまった。ビバリーは泣きながら手当てを続けると、ピカードが目を覚ました。ピカードはロニーの後を追え、と命じた。
墓地では遺体が掘り起こされたところだ。スキャンしてみると核分裂エネルギーが観測された。デイタたちが「妙だな、この人は気候コントロール基地に行ったことも無い筈なのに...」と話していると、遺体が動き出し、デイタとジョーディを触った。二人は電撃のようなものに襲われ、地面に倒れた。「ロニー、止めて!」とビバリーが叫ぶ。「おばあさまから出て!」とビバリーが叫ぶと遺体は棺桶の中に崩れ落ちた。ロニーが実体化し、「ビバリー」と叫ぶ。ビバリーはロニーの体から発せられている光が核分裂エネルギーと同じであることを指摘する。ロニーは核融合エネルギーの生命体で、生体に寄生しないと生きていけない生物だった。あの燭台は生体から生体へ移動する際の中継地点だったのだ。ロニーは「彼女たちを愛していた。蝋燭をくれ」と悲痛な顔で訴える。ビバリーが拒否すると、ロニーはジョーディを攻撃した。ビバリーは燭台を地面に起き、ゆっくりと後ろに下がった。そしていきなりフェーザーで消滅させてしまった。ロニーは「よせー」と叫びながら地面にしゃがみこむ。ビバリーはライカーに天候コントロール・システムのプラズマ・コンジットを閉鎖するよう指示した。ビバリーは「もう逃げ場はないわよ」と言い、ロニーにフェーザーを向けた。ロニーは「いや、まだあるさ」といいながらビバリーに歩み寄る。ビバリーはフェーザーを発射した。ロニーは「愛しているんだ」と叫び、さらに近づいてくる。ビバリーはもう一度、フェーザーを撃ち、ロニーは消滅した。
テンフォワード。ビバリーはディアナにロニーの正体を説明した。「やるせない気持ちが残っているの」とビバリーは言う。ディアナが理由を尋ねると、ビバリーは「たとえ利用されていたとしても、おばあさんは幸せだったのよ」と答え、微笑んだ。