Star Trek the Next Generation 7th season


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亡びゆく惑星
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第7シーズン 第165話
宇宙暦:47423.9

大気が失われつつある惑星での任務に向かったウォーフは、兄(彼を育ててくれたロジェンコ夫妻の息子)と出会う。住民を救おうと必死になっているニコライは第一級優先条項を破ろうとしていた。

亡びゆく惑星-あらすじ-


ウォーフは兄のやり方に納得できないまま、協力せざるをえない状況に置かれてしまう。

ウォーフ役のマイケル・ドーンの素顔が見られるという点で、貴重な作品。

監督:Alexander Singer
Cast
ニコライ: Paul Sorvino
ボリン: Brian Markinson



亡びゆく惑星


救難信号を受信したエンタープライズはボラールII号星に到着した。発信者はウォーフの義理の兄弟ニコライ・ロジェンコ博士だ。この星はプラスモンの異常反応により大気が失われつつあり、38時間前に惑星は居住不可能になると予測された。大気の異常な活動の影響でセンサーがうまく作動しないが、エンタープライズからでは住民が生きているのか死んでいるのかわからない。唯一防御スクリーンが一部に張られているのが確認された筈だ。ウォーフ自身の申し出を受け、ピカードは彼を単独で惑星に送ることにした。

医療室でウォーフが整形手術を受けている。ビバリーにニコライのことを質問され、「ニコライは優秀だが我が強い」と説明する。「楽しみね」とビバリーは言うが、ウォーフはため息をついた。
ウォーフは惑星の洞窟のような場所に転送された。だがすぐに住民たちに発見されてしまう。ウォーフは旅行者だと誤魔化そうとするが、住民たちは疑っている。奥の方からニコライが現れた。すぐにウォーフが弟だと気がついたニコライは「弟が助けに来てくれたぞ」と大喜びでウォーフを抱きしめた。

ウォーフはニコライを住民たちから離れた所に呼び、「なんてことをしたんだ!」と抗議した。「ボラール人が死んでいくのを手放しにみているわけにはいかなかったんだ。助けてくれるんだろう?」とニコライは答える。だが第一級優先条項に抵触する可能性にもありウォーフの独断では何もできない。二人でエンタープライズのピカードと話し合うことになった。ニコライは「ウォーフが持ってきた食料を地上まで取りに行く」と住民たちに告げた。住民たちは危険だからと反対すると、ニコライは「未来を予測する力を持つウォーフが安全だと言っている」と住民たちを言いくるめてしまった。

観察ラウンジ。ピカードは「なぜ望みが無いのに住民たちを助けようとするのか」とニコライに抗議する。「我々には彼らを救う力がある」と主張するニコライだったが、ピカードは「第一級優先条項(艦隊の誓い)が絶対だ」と言い、考えを変えない。ニコライが「惑星の研究所に残してきた研究資料を取ってきたいのだが」と申し出ると、ピカードは「エンタープライズのコンピューターとリンクさせろ」と冷たく言い放ち、観察ラウンジから出ていった。ウォーフは暗い顔で黙り込むニコライを慰めた。
惑星の大気はあと三分もたてばすべて消滅してしまう。ブリッジではピカードたちが惑星を観測している。ブリッジにニコライが現れ、データの回収が終わったので艦のライブラリコンピューターを使わせてくれと頼み、ピカードは許可を与えた。ビューワーの映像が急にちらつく。先程センサーを調整したばかりなのに原因がわからない。再びセンサーを調整すると映像がきれいな状態に戻り、惑星の大気が消えていく様子が映し出された。ピカードは「つらいことではあるが、我々の決意が固いものであるか試されている。彼らに干渉しないということは名誉ある行為だ」と皆に告げた。ニコライは「私には名誉ある行為であるとは思えません」と言い、ブリッジから出ていった。ブリッジは重苦しい雰囲気に包まれる。エンタープライズは惑星の軌道を離れ、第87宇宙基地に向け出発した。その直後、パネルが火花を飛ばし、警報が鳴り始めた。EPS分配ネットにパワー漏れが生じたようだ。ライカーは原因と思われる第10 デッキにウォーフを向かわせた。

第10デッキに到着したウォーフたちは調査を開始した。ウォーフがホロデッキを調べようとするとコンピューターは入り口を開けることを拒否した。何者かが命令系統をバイパスさせてしまったらしい。だが入り口が独りでに開いた。ウォーフが中に入っていくと、「ウォーフ、こっちだ」とニコライの声がする。ホロッデッキの内部にはボラールII号星の洞窟と同じ光景が再現されていた。ニコライが手に持っていたパッドを操作すると岸壁の一部が消えた。そしてその向うにはボラールの住民たちが何事もなかったかのように生活していた。ウォーフはため息をつく。ニコライは「お前たちと違って私には条項を守る義務はない」と言った。

通路をニコライとウォーフが歩いている。ニコライは自慢げにどうやってホロデッキにボラール人たちを避難させたのか話している。ウォーフはかなり頭に来ていた。
作戦室。「彼らをずっとこの艦に乗せておけ、というのか」とピカードは怒鳴る。ニコライは平然と自分のプランを説明した。まず彼らに移住をすすめ、旅をしながらホロデッキの光景を変えていく。そして気付かれないように移住先の惑星へ転送してしまう、というものだった。他に良い解決策もなく、ピカードはニコライにそのプランを実行する許可を与えた。

ピカードたちは移住先の惑星を探しはじめるが、なかなか候補を絞りきれない。一方、ホロデッキにも問題が発生していた。惑星に発生していたプラスモンが回路に入り込み、ジョーディの話ではすべての映像が消えてしまうのも時間の問題だという。修理するには映像を一度消す必要がある。残された方法は映像が消えてしまう前に住民を移住させる、それしかない。ニコライはホロデッキへ行き、住民の説得にあたるとピカードに申し出る。ピカードはウォーフにニコライと一緒に行き、彼を監視を命じた。
ニコライとウォーフは変装し、住民たちに合流した。二人はさっそく移住の話を持ち掛ける。住民たちと話をしていると、向うの方にいた女性が悲鳴を上げた。見ると池が放電し、ホロデッキの床がちらちらとのぞいていた。ウォーフは「これは予兆だ。ラフォージの相だ。旅が無事にいくという吉兆だよ」とごまかす。機関部のジョーディはとっさにホロデッキのプログラムを調整し、池は元に戻った。住民たちはウォーフの話に納得し、池から離れていった。ニコライは「俺達はいいコンビみたいだな」とウォーフに笑いかける。だがウォーフは「あんたとコンビを組み気なんてない。あんたは昔から騒ぎを起こすのが好きだった」と言い返した。

デイタは移住先の候補を二つにまでしぼった。ビバリーは「一つの種族の未来を決めるなんて少し気後れするわね」と打ち明ける。二人は移住先をバッカVI号星という星に決め、ブリッジに報告した。その星までは二十数時間で到着する筈だ。
ホロデッキ。住民は荷造りをしている。ウォーフはボリンという若者が紙切れの束に何かを記録しているのを見かけた。それはボラールの人々の歴史を記録したもので、最後の部分にはニコライとウォーフが描かれていた。ウォーフは複雑な表情で「出発するぞ」と住民たちに号令した。ボリンが「巻き物を落としたから探しに行く」と言い出す。ウォーフは慌ててそのボリンをとめようとする。だがボリンは「歴史は俺達の命なんだ。過去を失えば未来は意味を成さない」と訴え、ウォーフは仕方なく許可を与えた。心配そうにボリンを見送るウォーフは老人から荷造りを頼まれた。その老人は「旅の途中で自分が死んだら娘と結婚してくれ」とウォーフに言う。ウォーフは「大丈夫。きっと無事にたどり着くさ」と答えた。

その頃、ボリンはやっと巻き物を見つけ、引き返そうとしていた。ふと前方を見ると岸壁から放電が起こり、ホロデッキの壁が透けて見えている。ボリンが不思議そうに壁に触ると、アーチが現れ、開いてしまった。そしてボリンは恐る恐る通路に踏み出した。
ボリンはきょろきょろしながら通路を進んでいった。やがてテンフォワードに迷い込んでしまった。ライカーたちは彼に気付く。ディアナは優しく「私たちはニコライの友達よ」と話しかけた。脅えきったボリンは「助けて、ここはどこですか?」とすがるように言った。

医療室。ビバリーの話ではボリンの記憶を消すことは難しいようだ。ピカードはボリンに事実を打ち明けた。「でも洞窟からは一歩も出ていない」とボリンは尋ねる。ピカードは「私たちには幻を作ることができる。君たちは宇宙船の中にいたのだ」と説明した。だがボリンは「今まで信じていたものが崩れてしまった。どうやって新たな生活を築けばいいのだ」と途方に暮れたようにピカードに言った。
ホロデッキの中では住民たちが険しい岸壁を進んでいた。ウォーフはニコライにボリンのことを知らせ、二人は口論になってしまう。夜になり、皆はキャンプを始めた。ウォーフが「ホロ映像が不安定になっている」とジョーディに連絡しているとドバラという女性が近寄ってきた。彼女は「今日のニコライはいつになく淋しそうだった」と語る。そしてボリンがいなくなったことで住民たちの間には不安が広がりつつあるという。「ニコライと仲直りして。お姉さんの頼みだと思って」と彼女は頼む。さらにウォーフの手を自分の腹にあて「あなたの甥か姪がうまれるのよ」と言った。

エンタープライズはバッカVI号星に到着した。転送準備に数時間必要だがホロ映像はいまにも消えてしまいそうだ。ピカードは転送開始を命じ、「もう一つの問題をどうするかだ」と呟き、ブリッジから出ていった。
ボリンがあてがわれた部屋で頭を抱えている。ピカードがやってきた。ボリンは住民たちの所に戻るとピカードに告げた。だが「ここのことを知りながら元の生活に戻ることは出来ない。」とボリンは苦しそうに言う。ピカードが「では私たちと一緒に暮らせばいい」と持ち掛けると、ボリンは「考えさせて下さい」と答えた。

ウォーフとニコライがドバラのことで口論している。殴り合いになろうかという瞬間、バチバチという音とともに放電が起こり、天井が見え隠れしはじめた。住民たちが騒ぎだす。ニコライは「嵐だ。ウォーフが静めてくれる。テントに入っていろ」と叫ぶ。ウォーフは物陰に隠れ、ジョーディに嵐を起こしてくれと頼んだ。ホロデッキのなかには雷鳴が轟き、激しい風が吹き荒れた。住民がテントに避難したのを見届け、ウォーフはジョーディに転送の合図を送った。住民たちはテントごと転送された。テントから住民たちが出てきた。ニコライは「ウォーフが嵐を静めてくれたぞ」と嬉しそうに叫ぶ。

ボリンは自殺してしまった。「ボラール人を助けたのは間違いだった」と言うビバリーに、「いや、そうじゃない。彼にはボラール人との橋渡しをしてもらいたかった」と言った。
惑星。ウォーフはニコライに近寄り、話しはじめた。はじめは二人ともきつい口調だったが、次第にお互いをいたわるような口調になっていく。ニコライは「ここは俺の村だ」と嬉しそうに言う。二人はかたく抱き合った。ウォーフは巻き物をもらい、「兄さんは幸せだ」と両親に伝えておくと約束し、キャンプを出た。




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