Star Trek the Next Generation 7th season


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混迷の惑星ケスプリット
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第7シーズン 第160話
宇宙暦:47304.2

外交任務へ向かう途中で捕らえられてしまったピカードとビバリー・クラッシャー。二人はテレパシーでつながり、お互いの本当の気持ちを確認する。

混迷の惑星ケスプリット-あらすじ-


このエピソード以降、ピカードとクラッシャーの関係は次第にオープンなものになっていく。親友の妻と恋に落ちることに対するピカードの罪悪感をビバリーが知ると二人の関係は一歩ずつ前進しはじめる。

細かいことだが、冒頭で世界連邦(政府)にオーストラリアが加入したのは2150年であると述べられている。

監督:Jonathan Frakes
Cast
Mauric: Robin Gammell



混迷の惑星ケスプリット


ピカードはビバリーと一緒に朝食を摂っていた。が、どこか上の空で彼女の話をよく聞いていない。これから行われる惑星ケスプリットの住民の連邦加入のための審査のことで頭がいっぱいなのだ。この惑星はケス地方とプリット地方があり、両者は対立していた。今回連邦に加入したがっているのはケス地方の住民たちだ。ピカードは「惑星の一部の住民のみ加入させるのは、宇宙統一を目指す連邦の理念に反するのではないか」とビバリーに自分の考えを打ち明けた。
ケスのモーリック大使からの連絡を受け、ピカードとビバリーはエンタープライズから惑星の大使の部屋に転送された。だが、その直後、ケスの転送中継基地からスタンバイOKの連絡が入り、ウォーフは耳を疑う。たったいま転送された二人はいったいどこへ転送されたしまったのだろうか?

ピカードは目を覚ました。地下牢のような場所にいるらしい。そして二人の首筋には円筒状の小さな装置が埋め込まれていた。銃を構えた男女が入って来た。リーダー格の女はプリットの国家保安庁の長官、ロリンと名乗り、「ピカードたちはケスと軍事同盟を結ぼうと企んだ」と説明する。二人の首に付けられたのはは思考を増幅し、モニターする装置らしい。ピカードは「それなら私たちが嘘をついていないことがわかる筈だ」と訴えるが、ロリンたちは「直にわかる」と言い残し、牢から出ていってしまった。
エンタープライズでは転送装置の調査が行われたが、計器に異常はない。やがて転送記録を調べた結果、プリット地方から発射されたトラクタービームにより二人が誘拐されたことが判明した。ライカーはケス政府に二人の捜索と救助を要請した。

牢の中に脱出できそうな所を探すピカード。ビバリーはじっと彼を見つめている。彼女が何か言いたそうにしている様子に気がついたピカードは「大事なのは望みを捨てないことだ」と励ました。ふいに扉が開いた。銃を構えた看守が食事を持って来たのだ。看守は容器を床に置くとすぐに扉を閉めてしまった。ピカードは扉に飛びつくが、間に合わない。容器の中には食事ではなくトリコーダーが入っていた。調べてみると脱出ルートが入力されている。ケス政府が救助活動を始めたようだ。「罠かもしれない」と警告するピカード。だがビバリーは「私だったらチャンスに賭けてみるわ」と言いながら、トリコーダーに入力されていた暗証コードを利用して扉を開けた。

エンタープライズにモーリック大使が招かれ、今後の行動について話し合われている。大使は開口一番「武力突入するつもりだ」と言い出す。ライカーは「プリットとの交渉など無意味だ」と言い張る大使を説得し、まずは政府間の通信での試みることに同意させた。大使は「通信が傍受されると危険だから」という理由でエンタープライズから救助作戦の指揮を執りたいとライカーに頼み込む。ライカーはそれを認めた。
ウォーフが大使とその付き人を部屋まで案内した。大使はかなり警戒しているようで、部屋に入るなり付き人が部屋の中のスキャンを始めた。危険が無いとわかった大使は満足げに肯く。ウォーフが警備に協力するつもりだと申し出ると、大使は「我々だけで十分だ」と断った。

そのころ、ピカードたちはトリコーダーの地図を頼りに地下の通路を進んでいた。近くに溶岩流が流れ、とても暑い。さらに地面からはメタンガスが吹き出し、炎を上げている。二人はタイミングを見計らって走り出す。その後方でガスが爆発した。
プリットの通信システムが分析された。ライカーは直接プリットの首相邸に通信を入れるが、「保安庁の許可が無くては交信できない」と切られてしまう。その直後、保安庁からの通信が入った。ロリンは「再び交信を試みるようなら武力に訴える」と一方的に警告し、通信を切ってしまった。ブリッジに大使たちがやってきた。ライカーは防御スクリーンを張るよう小声でウォーフに命じる。大使は「ケスの工作員により無事にピカードを脱出させることが出来た」とライカーに報告した。ライカーが情報の提供を求めると、大使は「安全な」自分たちの部屋でならよい、と答えた。

ピカードたちはケスとの国境を目指し、地下の細い道を進んでいた。ビバリーが急に「私も」と言い出す。ピカードが何事かと尋ねると、彼女は「私も喉が渇いたわ」と答えた。首に付けられた装置のせいでお互いの考えが理解できるようになったらしい。だが試してみると、相手の心を読むことはできない。地図に進んでいくと断崖に行き当たった。国境へつながるトンネルへたどり着くにはこの断崖を登らなくてはならない。断崖を登りだしたピカードが急に動きを止め、「今、わかったぞ」とビバリーに言う。思考そのもの、というよりは感情が相手に伝わっているようだ。彼女の恐怖を感じ取ったピカードは彼女を励ます。そして二人は絶壁を登りはじめた。

ライカーが大使の部屋へ入ると、部屋の中は保安関係の装置でいっぱいだった。大使は救出計画の詳細を説明しはじめた。二人は国境近くの村の酒場へ行き、工作員と接触、その後、国境を渡る手筈になっている。ライカーが「もう少し人目のない所の方が安全では?」と提案するが、大使は「大丈夫だ」と言い、自信たっぷりだ。そして大使は「無事に二人が救出されたら、連邦加入できるよう推薦してくれ」と付け加えた。
ピカードたちは無事に地表へ到達、先を急ぐ。二人は以前よりもお互いの考えがわかるようになっていた。二人が離れても考えは伝わるのか試してみようということになり、二人は反対方向へ歩き出した。すると急に二人とも気分が悪くなり、あわてて近寄ると不快感は消え去ってしまう。これも装置のせいだった。二人はぴったり寄り添い、歩きはじめた。

「地図の見方がわからない」とビバリーが言い出し、ピカードはトリコーダーを受け取った。ピカードが「こっちだ」と自信たっぷりに歩き出すと、ビバリーは「自信無いくせに。いつもそうなの?」と笑い出す。ピカードはしどろもどろになりながら「乗員たちの手前、仕方がないんだ」と言い訳した。黙って歩いていても二人はお互いの感情や考えがわかってしまう。いままで気がつかなかったお互いの悩みも今では理解することが出来た。
二人は前方に警戒中の保安部員の姿を発見した。別の方向に進むにはかなり戻る必要がある。ピカードは「国境にフォース・フィールドが張られていても突破する方法は何かあるだろう」と言い、このまま進む決断を下した。

エンタープライズ。ライカーとウォーフは大使の部屋に呼ばれた。大使は二人の姿を見失ったとライカーに告げた。そして大使は「ピカードたちが密かにプリットと合流したのではないか」と言い出す。ライカーと大使は口論になり、ライカーは「自分たちで艦長を探す」と大使に言う。大使が「これ以上エンタープライズにいることはできない」と言い返すと、ライカーは「ガラクタは持ってかえれ」と言い捨て、大使の部屋から出ていった。
惑星は夜になり、ピカードたちは焚き火をしていた。食べ物を見つけることができなかった二人は食事の話をしたり、昔話をして過ごした。ふいにビバリーはピカードの隠そうとしていた気持ちに気がつく。ピカードは「人の妻である君に想いを告げることはできなかった。君の夫が死んだ時、このまま想いをつげまいと決めたんだ。二十年の月日がその感情を消してくれた」と打ち明けた。「これは友情ね」とビバリーは言い、ピカードは「そうだ」と答える。二人は手を握り合った。そしてしばらく黙り込み、横になった。

エンタープライズ。ブリッジにライカーに呼ばれた大使がやってきた。ライカーは大使の目の前でロリンに通信を入れるが、案の定、ロリンはすごい剣幕でまくしたて、通信を切ってしまう。大使は「下手な芝居だな」と信じない。ライカーは「やってくれ」とウォーフに命じ、大使を観察ラウンジに案内した。
観察ラウンジにはロリンが待っていた。ウォーフが彼女をエンタープライズに転送したのだ。ロリンも大使もエンタープライズが相手と同盟を組もうと企んでいると疑っていた。ライカーは互いに口をきかない二人を睨み付け、「それなら私をとおして話せ」と怒鳴りつけた。

ピカードたちは保安部員に見つかってしまった。保安部員の攻撃に二人は逃げ惑う。
観察ラウンジではロリンと大使がお互いを避難しあっていた。ライカーは机を叩き、二人を黙らせた。ライカーは「ケス・プリットは混迷の状況で、住民は猜疑心が強い。連邦に加入するにはまだ早すぎる」と報告すると大使に告げた。そしてロリンには「もしピカードたちに何かがあれば、連邦は大規模な調査隊が送られることになるだろう」と警告した。
ピカードたちはやっと国境にたどり着いた。二人がフォース・フィールドを消そうとしている間にも保安部員が迫って来る。やっとフォース・フィールドに小さな亀裂が出来た時、保安部員は二人に手が届きそうな所まで来ていた。ビバリーはとっさにピカードを突き飛ばした。亀裂は消え、ビバリーは捕まってしまった。

エンタープライズのロリンに保安部員からビバリーを捕らえたと連絡が入った。ロリンはピカードたちの現在地をエンタープライズの転送室へ知らせろ、と返答する。ライカーは「助かりました」とロリンに言い、観察ラウンジから出ていった。大使とロリンは黙ったまま、顔を背けあっていた。
ピカードたちが帰って来た。ライカーと二人が通路を歩いていると、急に二人は笑い出す。ライカーが理由を尋ねると、ピカードは「教えてやらん」と楽しそうに答え、ライカーは首をかしげた。
ピカードとビバリーは食事を終えたところだ。例の装置が取り外され、「妙にさみしいものだな」と二人とも言い合う。今後の話になり、ピカードは「お互いの気持ちはわかりあえた。もう一歩踏み出してもいいのではないか」とビバリーに言う。ビバリーはピカードにキスし、「踏み出さない方がいいのかも」と答えた。そして再びキスを交わし、ビバリーは出ていった。ピカードは部屋の蝋燭を一本、また一本と吹き消した。




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