ジョーディはジェフリーチューブの中をよじ登り、何が起っているのか調べようとしていた。彼はバイザーをしていない。内部はガスが充満している。進んでいく内に火災発生箇所を発見し、非常用消化ユニットを作動させた。
実験室ではジョーディがインターフェイスにつながれ、ライカーやビバリーたちが彼の様子を見守っていた。先程の火災はジョーディが探査装置とのインターフェイスを通じて受け取っていたものだ。任務を無事に終えたジョーディはプローブを引き上げさせた。
エンタープライズは科学調査船ラマンの救助に向かっていた。ラマンは惑星の暑いガス状の大気の中で立ち往生しているようだ。ピカードは今度の救出に例のインターフェイスユニットの使用を決定した。
ピカードは作戦室に戻り、DS3のマーカスからの通信を受けた。その内容はU.S.S.ヘラが行方不明になっているというものだった。通信を終えたピカードは実験室へ行き、ジョーディにその悪いニュースを伝えた。U.S.S.ヘラの艦長はジョーディの母親がつとめる。 自室に戻ったジョーディは母親からのビデオ・メッセージを再生していた。そこへライカーが入ってきた。ライカーは探査機がそろそろラマンに接近することを伝え、「今度の救出任務を代わうか」と提案する。だがジョーディは「まだ死んだと決まったわけではない」と怒り出し、断った。
探査機はラマンのエアロックに侵入、インターフェイスにつながれたジョーディが操作を開始した。インターフェイスを調節するとジョーディの目に鮮明な映像が飛び込んできた。ジョーディは新鮮な体験に興奮していた。ラマンの内部には煙が充満し、外部からの大気が流れ込んでいるようだ。通路には乗員が倒れていた。その乗員はすでに死んでいた。さらに通路を進むと小さな格納庫があった。ジョーディはフェーザーで扉を破壊し、内部へと踏み込んだ。彼が予測したとおり、多くの乗員たちがここへ避難してきたが、みな死亡していた。突然、大きな炎が発生し、ジョーディは苦痛に叫び声をあげる。実験室のビバリーはあわててインターフェイスの接続を切り、ジョーディに駆け寄った。彼の両手はまるで炎に焼かれたかのように焼け爛れていた。
ビバリーの調べではボディ・スーツのセーフティ回路が働かず、ジョーディの手に放電が起きた様だ。ジョーディはこのまま任務を続けるとピカードに告げた。
探査機がラマンの内部を移動する時間を利用して、ジョーディは父に通信をいれた。父親も母が死んだと信じていたが、ジョーディはどうしても認めることが出来ないでいた。
ジョーディはデイタの部屋を訪れた。デイタは「詩を読んでいる」と言うが、卓上のビューワーには何も写っていない。「無の空間も詩の一部だよ」とデイタ。ジョーディはデイタに話し相手になってもらいたかった。「艦が遭難した場合、生存者がいる確率は少ない」とデイタ。ジョーディはデイタが正しいことを言っていると知っていたが、つい怒ってしまった。
探査機の移動が終わり、ジョーディはインターフェイスに接続された。映像が送られてきた。ジョーディは自分の見ているものが信じなれない。ラマンの中には行方不明になっているジョーディの母親が立っていた。
ジョーディは必死に話し掛ける。母親は「説明できないが地上に降りろ。このままでは死んでしまう」とジョーディに告げる。実験室ではビバリーたちがビバリーたちがジョーディの異変に気づき、接続を切ろうとしていた。ジョーディはビバリーに待つように告げ、さらに母親に近寄ろうとするがインターフェイスのセーフティ回路が作動してしまう。実験室のジョーディは神経ショックを受け、気絶してしまった。
医務室。ジョーディに別状はなかったが、これ以上、捜索を続けるのは危険だとピカードたちは判断していた。ジョーディは「自分の見たものは幻ではない。あれは地上からの助けを求めるメッセージだ。」と言い張るが、ビバリーたちは信じようとしない。
ジョーディはディアナのカウンセリングを受けた。ジョーディは母親のことを話して聞かせる。「あなたは母親の誘いを断ったことで、彼女の死を信じたくないと思い込んでいる。だから幻を、自分でも幻と気がつかないような幻を作り出したんだわ」とディアナはアドバイスをするが、ジョーディは「それはあなたの考えにすぎない」と言い捨て、部屋から出ていってしまった。
観察ラウンジではラマンの回収方法が話し合われていた。なんとか回収は出来そうだということになり、ピカードは実行に移すよう命じた。皆は解散しようとするが、ジョーディは「ヘラの回収はどうするんです?」と言い出す。もしかしたらヘラはエンジントラブルでこの星に墜落したのかもしれないが、その可能性は限りなく、ゼロに近いとデイタ。それを聞いたピカードは「ヘラのことは一時忘れ、ラマンの回収のみに専念しろ」とジョーディに命じた。
機関部。ジョーディが物思いにふけっているとライカーがやってきた。自分も幼いころに母親を亡くしたライカーはジョーディに自分の体験を話す。だがジョーディは「まだ残骸も発見されていない。諦めるなんてできない」とライカーに告げた。
実験室ではボディスーツに着替えたジョーディが一人でインターフェイスの調整を行っている。そこへデイタがやってきた。「もしここで探査を続けなければ一生後悔することになる」というジョーディの言葉を聞いたデイタは「幻を見ているのかもしれないから、一応疑ってみてくれ」と言い、ジョーディの手助けを引き受けた。
インターフェイスに接続されたジョーディは再びラマンの艦内の探査機とリンクした。「ワープトンネルを通ってここまで来てしまった」と母親は言う。ジョーディが予想したとおりだ。実験室からは、ジョーディの母親の存在は亜空間の歪みとして観測されていた。ジョーディはこれからのヘラ救出のプランを母親に話す。「時間がないわ」という母親。ジョーディはラマンの計器を操作し、ラマンを降下させはじめた。作業中も母親の生存を確かめたジョーディは楽しそうだ。ふいに探査機からの映像の出力が落ちてしまう。ジョーディはリンクの出力を上げてくれとデイタに頼み込む。少しずつ出力をあげていけば危険は少ないだろうと判断したデイタはジョーディに従う。ジョーディは母親に誘いを断ったことを詫びた。
ブリッジのピカードたちもラマンが降しはじめたことに気がついた。
デイタの計算ではラマンが惑星表面に到達するよりも早くインターフェイスとのリンクは限界を超えてしまいそうだ。母親は「ラマンを地上に降ろして」とジョーディに訴える。ジョーディは「もし出力を下げたら、自分からインターフェイスとの接続を絶つぞ」とデイタに告げた。ジョーディが説得に応じないとしったデイタはスーツのセーフティ回路を解除し、出力を上昇させた。
実験室にビバリーやピカードたちもやってきた。ジョーディはピカードの制止も聞きいれない。じきにジョーディは惑星表面にはなにもないことに気がつく。母親に「どうしたんだろう」と質問すると、彼女はジョーディの顔(正確には探査機)に両手をあてた。手からは光線のようなものが発射され、ジョーディは苦しみだした。実験室のピカードたちには何がおこっているのかさっぱりわからない。ジョーディはトラクタービームを反転するようデイタに指示を与えた。すると母親は弾き飛ばされるようにジョーディから離れた。ジョーディが振り向くと、そこには母親の姿はなかった。母親がいたところには燃え盛る炎があった。ジョーディが見ているうちに、その炎は母親の姿に変身し、「下に降りて、でないと死んでしまう」とジョーディに話し掛ける。 実験室。ピカードはジョーディをインターフェイスから切り離すよう命じた。だが急に切断してはジョーディの神経に負荷がかかりすぎて殺す事になってしまう。ビバリーは切断直後にいままでの記録をインターフェイスに送り込めば負荷の量が変わらないから大丈夫なはずだと提案した。実行に移す準備をはじめたとき、ジョーディがピカードに話し掛けてきた。ラマンにいたのはこの惑星の大気に住む亜空間生命体で、うっかりラマンの艦内にとじこめられてしまった。彼らはラマンの乗員たちとコンタクトしようとしたが、結果として彼らを殺すことになってしまったのだ。ジョーディはこのままラマンを惑星に降下させようとする。やがてラマンは大気の圧力に耐え切れなくなり、シールドも消失しかかっていた。ジョーディの母親(亜空間生命体)は「ここでいいわ」とジョーディに告げると、本来の炎のような姿に戻り、消えていった。その直後、シールドが消失し、艦は爆発してしまった。そして、ぎりぎりのところでジョーディはインターフェイスから切り離された。
作戦室。ピカードはジョーデに「今回の命令違反は任務記録に残さなくてはならない」と告げ、「母親のことは残念だったな」と慰めた。ジョーディは「幻でも母親にあえて良かった。さよならを言うことが出来たから」と答え、出ていった。