Star Trek the Next Generation 6th season


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時空歪曲地帯
Timescape

第6シーズン 第151話
宇宙暦:46944.2

ピカード、トロイ、デイタ、ラ・フォージが三日ぶりに船戻ってみると、エンタープライズとロミュラン・ウォーバードが戦闘状態のまま静止してしていた。まるで時間が止まってしまったかのように。

時空歪曲地帯-あらすじ-


ロミュラン船のエンジンの中に生物がいた。ラスト近くで「やかんを見ているといつまでも湯が沸かない」ということを確かめるデイタが面白い。ライカー中佐はデイタに「より人間らしく」なるために体内の時計を止めてみては、とアドバイスする。

監督:Adam Nimoy
Cast
ロミュラン人に変装した異星人:Michael Bofshever
女のロミュラン人に変装した異星人:John DeMifa



時空歪曲地帯


ライカーがビバリーに治療を受けている。デイタの飼っている猫のスポットの世話をしているときににやられてようだ。ビバリーが「猫の世話ならまかせて」とはしゃいでいるとウォーフから連絡が入る。ライカーがブリッジに向かうと、ロミュラン艦からの救難信号が入ったという。エンジンがトラブルを起こしたらしく、生命維持機能の低下が観測されている。ライカーは警戒態勢を取るよう命じた。
ピカードはデイタ、ジョーディ、ディアナ共にランアバウトに乗りエンタープライズへの帰途についていた。会議の出席者についてディアナたちが笑っている。会議自体は退屈なものだったようだ。ジョーディたちの話を聞いていたディアナは、他の三人の動きが止まってしまったことに気づく。じきに再び動き出したが、三人には何が起ったのかわからないようだ。トロイは思わず「どういうことなの?」とつぶやいてしまう。

ディアナの体をスキャンした結果、異常は発見されなかった。デイタの体内時計も正常で、ディアナの感じた静止した四秒間は記録されていなかった。ピカードとディアナが気のせいかなと話していると、ディアナが静止してしまった。
ディアナは自分がスキャンされていることを知り驚く。彼女は三分半ほど静止していた。バイオスキャンの結果、彼女の体と現実の時間の流れには三分半の隔たりがある事が判明した。彼女の「時間」が静止していたのだ。ピカードはエンタープライズに連絡を入れ、ランデブーポイントへすぐ来るよう命じた。だがエンタープライズからの返答はない。ランアバウトはワープ航法でランデブーポイントへ向かった。

だがランアバウトが急にワープアウトしてしまう。エンジンに突然異常が起ったのだ。なぜか片方のエンジンの反物質タンクの中身が空になっていた。センサーの記録ではエンジンは数十日も稼動していたとなっていた。
コクピットから出て端末で原因を調査しようとしたピカードが後ろのテーブルに目をやると、新鮮だったはずの果物が腐っている。ピカードが何気なく果物に手を伸ばすと激しい痛みを感じ、思わず声を上げてしまった。手の爪が急に伸びている。叫び声を聞いたデイタたちが駆け寄って来て、ピカードの手を調べると、新陳代謝が50倍のスピードで起っていた。そしてテーブルの付近は時間がすすみ、その早さは通常の50倍にもなっていた。時間の歪みは船外にもおよび、これが原因で反物質タンクがからになったと推測された。

時間の歪みを回避しるためランアバウトは後退をはじめた。だがデイタはすぐに艦を停止させた。真後ろに時間の歪みがあったのだ。センサーでスキャンした結果、このあたりは時間の歪みがあちこちにあることが判明した。時間の歪みはランデブーポイント付近へ続いていた。注意深くすすみ、ランデブーポイントに到着したがエンタープライズの姿はない。詳しく調査するとエンタープライズらしき物体が発見された。接近してみると、エンタープライズとロミュランのウォーバードが交戦状態のまま静止していた。
時間の歪みの中心はこの二艦だった。センサーが働かず、乗員たちが無事かどうかわからない。ウォーバードがエンタープライズを攻撃していたのは疑う余地もないが、エンタープライズからはウォーバードにの機関部に向けてエネルギー光線のようなものが発射されていた。何が起ったのか知るためにはエンタープライズに直接乗り込むしかないが、このままいけば乗り込んだ瞬間にピカードたちも時間の渦に捕まってしまうだろう。ピカードは亜空間フォース・フィールドを使えないかと提案し、ジョーディたちが装置の改良に取り掛かった。

しばらくして装置が完成した。ジョーディ以外が装置を腕に付け、エンタープライズに転送された。
ブリッジの中ではロミュラン人とライカーたちが交戦中の状態で静止していた。ロミュラン人に奇襲されたようだ。コンピューターの記録によれば医療室などには保安部員が派遣されていたようで、そこから先に襲われたのだろう。ピカードたちはジェフリーチューブを使って艦内を捜索しはじめた。艦内には大勢の士官たちが静止している。ディアナが医療室へ行くとビバリーがロミュラン人に撃たれた瞬間の状態で止まっていた。ディアナは驚き、医療室を飛び出していった。その直後、静止していたはずのロミュランの女士官が動き出し、大きな息をついた。

ピカードは転送室へ向かった。転送台には三人のロミュラン人がいて、一人は怪我をしているようだ。なぜ交戦状態にあるはずの敵艦からロミュラン人が転送されて来たのだろう?
デイタから呼び出されたピカードが機関部へ行くと、デイタからエネルギー変動が起った原因を聞かされた。エンジンの方をみると彼の言うとおり、エンジンがまさに爆発する寸前で煙をふきだした状態で静止している。デイタによれば時間はかすかに動いているらしい。ディアナとデイタたちがエンタープライズからウォーバードに送られていたエネルギービームのことを話していると、急にピカードが笑い出した。二人がピカードの方を見ると、エンジンから吹き出した煙にスマイルマークを書いてニヤニヤしている。しばらく笑っていたかと思うと真顔に戻り、うめきながら壁ののほうへよろめいてしまった。デイタたちが心配して駆け寄ると、ピカードは大丈夫だと答えた。だが次の瞬間には再び笑い出し、「放せ」と叫びながら暴れだした。ディアナたちは彼を連れ、ランアバウトに帰還した。

ジョーディによればピカードは「時間酔い」してしまったらしい。今度はウォーバードに乗り移ることになった。体調が回復しないピカードはランアバウトに残る。
ウォーバードの艦内に転送された三人はおかしな点がいくつもあることに気づく。腺と宇宙なのに戦闘命令が出ていないばかりか、退艦命令が出されていた。エンタープライズから送られたエネルギーが逆流がおこし、ロミュラン側もそれを必死に食い止めようとしていたようだ。エネルギーの逆流がエンタープライズのエンジン爆発の原因と判明した。

さらに奇妙なことにウォーバードのエンジンコアが停止していた。ロミュランが利用している人工ブラックホールが機能を停止してしまうとは考えにくい。エンジンコアを開けると時間の渦の中心らしきものが入っていた。黒い点のような物体があり、スキャンの結果では有機生命体のようだ。突然時間の渦が活動を再開した。デイタたちの目の前で大勢のロミュラン人が動き出す。ただ一人、デイタたちの姿をみて驚き、物陰に隠れた男がいた。
時間が動き出したためにエンタープライズは爆発してしまった。が、時間は逆流をはじめ、なにごともなかったかのように元の状態に戻ってしまった。

トリコーダーのスキャンが時間の渦を刺激してしまったらしい。デイタたちはピカードに経緯を説明し、一体なにが原因だったのか調べはじめる。ジョーディが端末に向かいかけた時、なにかがおかしいと感じた。振り向くとウォーバードに来たときにはそこにいなかったはずの男がいた。ジョーディがそれを指摘すると男は急に動き出し、ジョーディにつかみ掛かった。だがジョーディが身につけていた亜空間シールド発生装置のせいで男の方も弾き飛ばされてしまった。ジョーディはショック状態で艦に連れ帰っている暇はない。ディアナは彼の腕から装置を外し、彼の時間を止めた。男の方はロミュラン人に変装した別の生命体らしい。

男はランアバウトに連れかえられた。調査の結果、ウォーバードのエンジンコアにいた有機生命体らしき存在と男の体の構造は似通っていた。デイタとピカードがもっと調べなければと話していると男が意識を回復した。男は「止めろ、早く助けねば」とうめく。人工のブラックホールに閉じ込められている子供を助け、自分たちの次元に連れ帰そうとしていたという。彼らはブラックホールの中で子供を育てるが、うっかりウォーバードのものを使ってしまったらしい。エンタープライズから発射されたエネルギービームが時間の歪みを発生させ、子供を殺してしまうのを阻止しようとしていたのだ。男は「あと一人いる」と弱々しく言い残し、消えてしまった。

ピカードたちはどうすればいいか対策を思い付けずにいた。ピカードはさきほど時間の歪みの中心を刺激に起ったことをした時に起ったことを逆におこせないかとデイタに訪ねる。エンジンに亀裂が入る前まで時間を逆流させればエンタープライズからのエネルギービームの放射を止められるだろう。
ピカードたちはトリコーダーを改良し、エンタープライズに乗り込んだ。そして時間を逆流させた。デイタがエネルギー放射を止めようとした時、さっき医療室にいたロミュランの女士官が「邪魔はさせない」といいながらデイタにつかみ掛かってきた。デイタたちが床に倒れている間に時間は元どおりに流れはじめ、デイタが作動を再開したときには機関部員がエネルギービームの発射装置を作動させたあとだった。デイタはとっさにエンジンコアに遮蔽シールドを張った。はたしてこれで持つのだろうか?

ウォーバードから攻撃が開始され、ブリッジで指揮を執っていたライカーが床に投げ飛ばされた。そばにいたロミュラン人がとっさに彼を助け起こす。医療部ではロミュラン人に撃たれていたビバリーの位置をディアナが動かし、彼女を守ることに成功した。ビバリーの話ではロミュラン人は異星人から彼女を守ろうとしていたらしい。
あとわずかでエネルギーの逆流が始まってしまう。ピカードはランアバウトを遠隔操作し、エネルギービームの経路に割り込ませた。ランアバウトが爆発し、エネルギーの逆流は回避された。異星人たちは自分たちの次元に戻っていき、エンタープライズにはウォーバードから乗員が回収された。

ライカーがおそるおそるデイタの部屋に入っていくと、「やかん」を手に持ったデイタが椅子に座っている。問題のスポットは眠っていると聞いてライカーはほっとした様子。デイタは時間についてライカーに質問する。彼は今「やかんを見ているとお湯はなかなか沸かない」ということを実験していたのだ。「やはり体内時計以外には時間を感じる能力はないようです」とぼやくデイタにライカーは「じゃあ体内時計を止めてみては?」と提案する。ライカーは「仕事には遅れるなよ」と言い、出ていった。デイタはお湯の沸いたやかんをじっと見つめる。




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