エンタープライズは機体のバリオン汚染を除去するため、惑星アーカリアの軌道上に浮かぶレミュラー・アレイにドッグ入りした。作業の間、乗員たちは艦から待避する事になっており、退艦作業が始められた。ピカードはそれにともなう様々な報告を受け気の休まる暇もない。とどめにターボシャトル内でデイタの無駄話の練習に付き合されてしまう。感想を聞かれたピカードは「基地で開かれる事になっている歓迎会に出席するはずハッチンソン中佐は無駄話の天才だから参考にするとよい」とアドバイスする。ブリッジに着いてもピカードは部下からの報告攻めにあう。一通りの報告を聞き終えたピカードは30分後に艦の全機能を停止するようカウンタダウンの開始をコンピューターに命じた。作戦室で作業に関する最終確認の通信を終えたピカードはブリッジに戻った。すでに部下たちはブリッジには誰もおらず、ピカードは一人でしばらく感慨にふける。そして満足そうにうなずき、ターボリフトの方へ向かおうとした時、別のターボリフトから多数の作業員たちが入ってきた。彼らはピカードに気がつかず、ピカードも彼らに声を掛けないまま、ターボリフトに乗り込んだ。
惑星アーカリアでは歓迎パーティがはじめられた。例のハッチンソン中佐はエンタープライズのクルーに端から声を掛けて辟易とさせる。デイタは物陰からハッチンソンを観察し、身振り手振りまねをして、無駄話のテクニックを習得しようとしている。ピカードが会場にやってきたことに気がついたハッチンソンはライカーの元を離れ、ピカードに話しかける。デイタはビバリーとライカーにさっそく無駄話を披露しはじめた。ハッチンソンの長話に我慢しきれなくなったピカードはディアナとジョーディを紹介し、一対一の攻撃から逃れようとする。そして、この星でも乗馬が出来るとハッチンソンが話すのを聞いたピカードは「エンタープライズに鞍を取りにもどるから。乗馬愛好家は自分の鞍でないと駄目なんだ」と言い訳をし、会場から逃げ出した。
艦に戻ったピカードは乗馬服に着替え、鞍を持って部屋を出た。バリオン除去作業の開始まであと8分。通路を歩いていくとODAパネルが外されている。近寄って調べてみると配線が切断されていた。その時、背後から手にレーザー溶接機を持った作業員が声を掛けてきた。お互い、もっともらしい事を言ってその場を取り繕うとする。そしてピカードは何事もなかったかのように立ち去ろうとするが、その作業員が呼び止めた。ピカードは振り向きざまに作業員に襲い掛かり、気絶させる事に成功した。通路の照明が消えた。あと一分で艦の全システムが停止してしまう。通路を急ぐピカードの後方から男女の話し声が聞こえてきた。あわてて物陰に隠れ、やりすごす。そしてなんとか転送室にたどり着いたピカードは、装置をセットし、転送台に立つ。だが、すでにバリオン除去のためのビームが艦尾から艦首に向けて少しずつ照射されはじめていた。転送がまさに開始されようという瞬間、エンタープライズのエネルギーは落ちてしまった。
その頃、歓迎パーティーではハッチンソンとデイタという、二人の無駄話の天才に皆が苦しめられていた。ハッチンソンに捕まっていたライカーは、オートン(今回の作業の責任者)相手に話し込んでいたデイタを見つけ、二人を引き合わせる。案の定、デイタとハッチンソンは意気投合し、オートンは助けてもらったお礼をライカーに言った。
エンタープライズ。ピカードは先程気絶させた男を医療室に引きずり込み、武器になるような医療品を探しはじめた。突然、「ケルセイからデボア」と呼びかける女の声が響き渡る。男が持っていた通信機だ。男の名前はデボアというらしい。デボアから応答がないため、キロスという女がデボアに伝言を伝えるよう命じられた。彼女は直にここにやってくるに違いない。そして、彼らの他にも艦に残っている者がいると気がついてしまう。ピカードが考えをめぐらせていると、デボアが意識を取り戻した。ピカードはフェーザーを突きつけ、「何者だ?」と尋ねる。デボアは「作業の影響でフェーザーは使えない」と平気な顔をしている。ピカードはその指摘を認め、今度はレーザー溶接機を突きつけるが、デボアは「連邦の士官に人殺しができるはずがない」とふてぶてしい。ピカードはハイポ・スプレー(医療用の注射器)で彼を気絶させ、「そのとおりだ」とつぶやいく。
通路に出たピカードは潜り込む場所を探すため、パネルを外そうをしていた。だが、敵に発見されてしまった。
惑星上では相変わらずデイタたちが会話を続け、皆を感心させていた。食事を取ろうとテーブルに近寄ったジョーディはテーブルからおかしな信号が発振されていることに気がつく。「様子を見てみよう」と基地の係員に申し出るが、オートンたちはそれを断り、自分たちで様子を見るから、と言い張る。彼らの様子がおかしいと疑うライカーがジョーディたちに歩み寄ろうとした時、オートンたちが隠してあった銃を取り出し、発砲しはじめた。「なにをするんだ!」と言いながらオートンに近寄ろうとしたハッチンソンも撃たれてしまった。
テロリストたちが機関部に集まり、エンジンに細工をしている。ケルセイという女性がリーダーのようだ。なにかの準備が終わり、彼らが目的とする作業が開始された。エンジンから何かを抜き取ろうとしているのだ。そこへ、捕らえられたピカードが連れて来られた。侵入者たちにもピカードの存在は予想外だったようで、驚きを隠せない。身分を尋ねられたピカードはわざとおろおろしながら「美容師のモットーだ」と嘘をつく。ケルセイはサトナーという男にピカードの見張りを、キロスにはデボアの捜索を命じた。ピカードは警戒に値する人物ではないとみなしたのか、ケルセイたちは作業を再開した。彼らの目的はトライリチウムだった。
アーカリア。撃たれたジョーディの命には別状はないようだ。オートンたちにとってジョーディの行動は予想外だったのではないか、とディアナは感じていた。彼らはもともとライカーたちを捕虜にするつもりはなかったのだが、ジョーディに武器の存在を勘づかれたために、攻撃を開始するしかなかったのだ。デイタは情況を打破するためにジョーディのバイザーを改造してハイパーソニック・パルスを発生させるような装置を作り出してはどうかと提案、ビバリーは密かに作業を開始した。
エンタープライズ。ケルセイたちは用意した容器にトライリチウムの注入作業を開始した。危険を伴う作業で、ピカードを監視していたサトナーはケルセイたちに木を取られる。その隙に、ピカードは隠し持っていた溶接機を壁のコネクターにあて警報を作動させた。ワープコア周辺には冷却材が放出されたため、ケルセイは作業を周辺せざるをえなくなった。サトナーに体当たりし、床に押し倒したピカードは、コンソールを誤動作させる。そして降りはじめた機関部とエンジン部の隔壁の隙間からジェフリー・チューブに逃げ込んだ。そのあとを辛うじてサトナーが追う。
狭いジェフェリー・チューブの中を這いながら進んでいくピカード。隔壁をこじ開けた彼の目に映ったのは、少しずつ近寄ってくるバリオン除去のためのビームだった。
ピカードのあとからチューブの中を進んでいたサトナーは閉じられた隔壁の前に落ちているピカードの乗馬服を見つけた。側に寄り、手に取ってみるが何もない。ふと前方に目をやると、ちょうどビームが隔壁を超えてきた所だった。通路を進むピカードはサトナーの悲鳴を聞いた。
機関部。調査の結果、ピカードの与えた被害はかなり大きかった。ビームが機関部に達するまで、あと12分間。これ以上機関部で作業を続けるのは困難だと判断したケルセイはテンフォワードに移動する決意をした。そこへ彼女の部下、ポメットが戻ってきてサトナーが殺されたと報告する。彼はピカードのコミュニケーターをジェフリーチューブの中で拾っていた。ケルセイたちはやっとピカードが連邦の士官である事に気がついた。
ピカードはウォーフの部屋に忍び込み、壁にかかっていたクロスボゥを手に取った。受信機からケルセイのキロスに向けた通信が聞こえてきた。トライリチウムを機関部からテンフォワードまで運ぶと聞いたピカードはあわてて通信機を手にとり、ケルセイに話し掛ける。だがケルセイが制止を聞くはずもなく、やがてトライリチウムをエンジンから容器に移し終わった彼らはジェフリーチューブに潜り込んだ。
一方、ピカードは医療室に移り、薬品を調合して火薬のようなものを作っていた。そこへケルセイからピカードに向けた通信が入ってきた。彼女はピカードがジェフリーチューブの梯子を破壊したことに関して「無駄な努力だ」と言ってきた。ピカードは「ケルセイたちの宇宙船まで逃げる。そしてその前にテンフォワードでお互いが顔をあわせる事になるだろう」と宣言した。
アーカリア。ビバリーはバイザーの改造を終えた。最終的な準備の間、オートンたちの注意をそらすため、ライカーはオートンに話し掛け、いきなり殴り倒す。ライカーはもう一人の見張りに倒されてしまうが、準備は整った。
エンタープライズの通路をケルセイの部下、ポメットが歩いてきた。ピカードは薬を塗ったクロスボゥで彼を倒すことに成功するが、後ろから忍び寄ってきたキロスに気がつかなかった。銃を突き付けられ、仕方なく武器を捨てた。
ビームはすでに第一船体の前方まで進んでいた。ケルセイから「テンフォワードに向かえ」との指示を受けたキロスはピカードとともに移動を開始した。ジェフリーチューブを進んでいたケルセイは部下(名前はニール)からトライリチウムを取り出す方法を聞き出し、彼を殺す。そしてチューブから出た所でピカードたちと合流した。ケルセイは「ニールは死んだ」と嘘をつき、キロスらとともに先へ進む。
アーカリア。レミュラー・アレイからエンタープライズに小型艦が接近していると警報が入った。チャンスは今だ。ビバリーはハイパー・ソニック・パルスを発射、ただ一人、その影響を受けなかったデイタはコンソールに向かい、小型艦の妨害を始めた。
エンタープライズ。ビームはすでにテンフォワードすぐ近くまで来ている。ピカードは本名を明かし、自分を人質にしろと持ち掛ける。だがケルセイは「自分たちはテロリストではない。トライリチウムを横流しするのが目的だ」と答えた。じきに三人はテンフォワードに到着した。ピカードは先回りして、ここにトラップを仕掛けていた。キロスはそれに気がつかず、トラップを踏んでしまう。爆風で投げ飛ばされるキロスとケルセイ。ケイロスとピカードは殴り合いを始める。すでにビームはテンフォワードに照射されはじめている。ピカードの隙をついたケイロスは再び銃を拾いあげ、ピカードが怯んでいる間に小型艦にてんそうされてしまった。ピカードはアーカリアにビームの照射を中止するよう命じるが、照射は止まらない。必死に呼びかけるピカード。彼が窓際まで追いつめられた時、ようやく照射は止まった。
デイタから逃げていく小型艦のことを尋ねられたピカードは「逃げられはしないだろう」と答える。彼の手にはトライリチウムの入った容器から外した部品が握られていた。そして小型艦はエンタープライズから少し離れた所で爆発してしまった。
医療室。ビバリーがピカードの傷の手当てをしている。そこへウォーフがピカードの鞍を持って入ってきた。「なぜ鞍なんかもっているんです?」とウォーフが質問するとライカーたちは口々に「乗馬愛好家なら当然」と答える。ピカードが「乗馬は軍人のたしなみだ。ウォーフならわかるだろう?」というとウォーフは訳が分からないながらも「もちろんです」とうなずいた。