Star Trek the Next Generation 6th season


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バースライト (後編)
Realm of Fear

第6シーズン 第143話
Birthright, Part II

ウォーフはロミュランの収容所に投獄されてしまった。そこはクリンゴンとロミュランが平和に暮らす、ウォーフには受け入れがたい世界だった。

バースライト (後編)-あらすじ-


ウォーフがクリンゴンの少年に狩りを教えるシーンは素晴らしい。だが、その後の夕食のシーンは第1シーズンような古臭いものになってしまっている。

デイタは本来、寝る必要がないようにプログラムされている。このエピソード以降、自分で睡眠をとるようになり、後のエピソードにも彼の「夢」に関する事件が登場する。

監督:Dan Curry
Cast
Ba'el: Jennifer Gatti Gi'ral: Cristine Rose



バースライト (後編)


「我々はもう死んでいる」と老人たちは言う。彼らはキトマーで奇襲を受けた際に始めの一撃で気絶し、、戦い様がなかった事、食事を拒み自殺しようとしたがロミュラン人にはばまれた事などを話した。収容所長のトカスは彼らを釈放するつもりだったが、クリンゴン人として不名誉な「捕虜」という身分の彼らは祖国に帰る事も出来ず、トカスに頼み込んで、ずっと収容所で暮らすしかなかったのだ。「たとえ父がここにいたとしても、生きていれば父に会いたかった」と言うウォーフ。だがルコーは「もし自分の子供がここに来たらクリンゴン人らしく殺してもらいたい」と厳しい口調で言い返した。

収容所はのどかな雰囲気だった。ある若者が「ギンタクの槍」で畑を掘っているのを見たウォーフは、若者から槍を取り上げる。若者が槍の意味を全く知らず、「戦場は遠いんだ」と言ってウォーフから槍を取り返すと再び畑を掘り始めた。ウォーフは首を振って若者のもとから離れた。
柱の影から女が話し掛けてきた。水浴びをしていた女だ。「安全な場所に来られてうれしくないの?」と彼女は言う。彼女はバイエルという名前で、長老は彼女の母親らしい。「クリンゴンの母星なんて危険な場所には行きたくないわ」という彼女は長老に呼ばれ、家に戻っていった。彼女の所の後ろを見送るウォーフの腕に隠してあった小さな装置が鳴り始めた。

あてがわれた部屋に戻ったウォーフは装置を壁のパネルにはめ込む。そこへロミュラン人が訪れてきた。収容所の所長、トカスだ。彼は意外と紳士的な男で、処刑されそうになったクリンゴン人捕虜たちの命を守るため、この収容所の所長を引き受けたのだった。「我々は理解しあった。ここの平和を乱すものは許さない」とトカス。彼の妻はクリンゴン人の女性だった。「看守としてではなく、家族を守らなくてはならない者としてこう言っているのだよ」とトカスは付け加えた。
広場に出たウォーフは人目がなくなったのを見計らって爆弾をしかける。広場の端の方から赤ん坊を抱いたクリンゴン女性の歌声が聞こえてきた。唄っていたのはバイエルで、「歌詞の意味まで知らない。ただメロディが好きなだけだ」とウォーフに答える。先程の爆弾が爆発した。その隙にウォーフは塀を乗り越え、収容所から脱走した。

ジャングルを逃げるウォーフ。だが後を追ってきたロミュラン人たちに直に見つかってしまう。ウォーフはあともう少しで迎えに来たシュラグのシャトルにたどり着くという所で、何者かに襲い掛かられてしまった。反撃しようとしたウォーフは、相手がさっき槍で畑を耕していたクリンゴン人の少年、トクである事に気がつき、手を止める。 と同時に、追手のロミュラン人がウォーフの頭にディスラプターをつき付けた。

その頃、エンタープライズはシュラグのシャトルとのランデブーポイントに待機していた。シャトルは約束の時間になっても現れず、ピカードたちの焦りはつのる。

捕らえられたウォーフはトカスとクリンゴン人たちの前に連れて来られた。トカスは「こんなことはやりたくないのだが」と言いながらウォーフの体に発振装置を埋め込んだ。そしてウォーフは今後、トクが監視する事になった。
監視されているとはいえ、自由に行動する事を許されていたウォーフは広場でモクバラという運動を始める。次第にクリンゴン人たちが集まってきてウォーフの真似を始める。その中にはバイエルも含まれていた。トクは「やめろ」と言いながらウォーフを止めようとするが、逆に地面に叩き付けられてしまった。「これはクリンゴンの基本的な戦闘の技だ。私が教えてやるからやってみろ」とトクに話し掛けるウォーフだが、トクは「ルコーがこんな事を許すはずがない」と言って立ち去ってしまう。

バイエルは自宅に母親(長老)がいない事を確かめてからウォーフを連れ込んだ。彼女は母親が隠していたクリンゴンの戦士の鎧、ダクタフ(戦闘ナイフ)を見せ、これらの道具は何のためにあるのかとウォーフに質問する。またジナフという結婚していく娘に渡される装身具もあった。二人が話していると長老が帰ってきた。ウォーフが「なぜ隠しているんだ?」と尋ねると彼女は「必要ないからよ」と怒鳴り、ウォーフを家から追い出した。
夜になった。ウォーフは広場にクリンゴン人たちを集め、クリンゴン人の伝説、カーレスの話を聞かせた。トクが「作り話だ」と茶々をいれてくるが、ウォーフは「これはクリンゴン人の精神なんだ」と諭すように答える。やがてルコーが顔を出し、皆を解散させた。バイエルは「カーレスは妻をもらったの?」とウォーフに尋ね、「教えて」と身を寄せる。キスをしようとバイエルの顔を抱き寄せようとしたウォーフは、彼女の耳を見て目を見開く。彼女の耳は尖っていた。トカスが話していたクリンゴン人の妻とは長老の事で、バイエルは彼らの娘だったのだ。ウォーフは「ロミュラン人だったのか!」と言いながら後ずさりをしてしまう。

バイエルはなんのことだがわからないという顔をしていた。「トカスは私の父親で、あなたの思っているような人ではない」と言い返すバイエル。「キトマーの虐殺」で何が起ったのか、彼女は正確に聞かされていないらしい。「母親に真実を聞いてみろ」と言われたバイエルは怒った表情でウォーフのもとから去っていった。

エンタープライズ。DS9からイリィディアン人(つまりシュラグ)のシャトルの航海記録が届いた。分析の結果、ロミュラン領域の二つの惑星が怪しいということになり、エンタープライズはシャトルの捜索に出発した。

ウォーフはバイエルの部屋を尋ね、無礼を詫びた。そしてウォーフは「この収容所ではクリンゴンとロミュランが平和に暮らしている。それが耐えられないんだ」と打ち明ける。バイエルは何も言えず、部屋の奥に姿を消した。

翌朝。広場ではトクたちが鉄の棒と輪でゲームをしていた。それをみていたウォーフは転がっていた輪に鉄の棒を投げとおし、これはキャダック(?)と呼ばれる狩りの技術を磨くためのゲームだと説明する。「狩りなんて必要ないじゃないか」と笑い飛ばすトク。ウォーフは「狩りは食料のために行うのではなく、クリンゴン人の起源を追求ために行うのだ」と説明、「まぁ、お前には無理だな」と言い捨て、背を向けてしまった。かちんときたトクはウォーフの真似をしようとして棒を投げるが失敗。ウォーフは「力はあるようだな」といいながら、アドバイスを与えた。もう一度チャレンジし、見事に成功したトクは大喜び。ウォーフはトクを労い、「実戦で試してみないか?」と誘う。トクははっとして「ルコーがウォーフが収容所から出る事を許すはずはない」と反論するが、ウォーフは自信たっぷりに「いや、認めるはずだ」と答え、歩きはじめた。

ウォーフはトクと共にトカスのもとへ赴き、二人で狩りに行く許可を求めた。トカスは「話にならない」という様子で部屋から追い出そうとする。だが、ウォーフが「脱走しないことを戦士として誓う」と言うのを聞いたルコーがウォーフは約束を守るはずだととりなしてくれた。そしてルコーは「ウォーフが逃げ出そうとしたら、殺せ」とトクに命じた。
二人はジャングルで狩りを始めた。ウォーフから狩りの興奮を教えられたトクは次第に興奮していく。
日が暮れ、収容所ではトカスとルコーたちは食事を始めていた。ルコーはトクたちが戻らないので心配で仕方がない。またバイエルがトカスに「クリンゴン星かロミュラン星を見に行きたい」と言い出し、気まずい雰囲気になってしまう。そこへ獲物を掲げたトクが奇声を発しながら飛び込んできた。彼は興奮しながら皮を剥がれた獲物をテーブルに投げ出し、「さぁ、思う存分食べてくれ」と怒鳴る。トカスは椅子から立ち上がり、「どかすんだ」とトクに命令するが、トクはいう事を聞かず、自分の武勲を話してまわる。トカスはウォーフを睨み付ける。トクは「戦士としての誇りを取り戻すんだ」と怒鳴り、「勝利の歌(バイエルたちが唄っていた子守り歌)」を唄いはじめた。トクの興奮が伝染したかのようにクリンゴン人たちは、ルコーやバイエルたちも唄いはじめる。トカスは嘆くように自分の娘の名前をつぶやいた。

食事が終わるとトカスはウォーフを呼んだ。トカスは「お前の偏狭な価値観を若者に押し付けるな」と言い、ウォーフは「本当の自分を目覚めさせてやったんだ」と言い返す。トカスは「広い宇宙のなかでここだけがロミュランとクリンゴンが平和に暮らしている世界なんだぞ」と諭すように続ける。だがウォーフには、それを受け入れる事ができないのだ。トカスは「仲間としてここに残るか、抵抗を続け殺されるか、どちらかを選べ」とウォーフに告げた。ウォーフは「後者だ。若者たちにクリンゴン人として死ぬ事の名誉を教えてやる」と答えた。

自室に戻ったウォーフはモクバラをし、精神統一を計ろうとしていた。そこへバイエルがやってきた。彼女はウォーフに埋め込まれた発振装置をはずそうとするが、ウォーフは断る。「クリンゴン人は戦いに屈服する事はない」と言うウォーフ。「ロミュラン人を愛する事ができたじゃないの。もう一歩、踏み越えることはできないの?」とバイエル。ウォーフが首を振ると、彼女は「もしあなたがここに来なかったら、自分に欠けていた物に気がつかないまま幸せ暮らしていく事ができたのに」と叫ぶ。ウォーフは「バイエル」と優しく呼び、二人はキスをした。バイエルは「さよなら」と言い、部屋から出ていった。

翌朝、皆の目の前でウォーフは処刑されようとしていた。トカスは「自分でもこれが正しいのか確信は持てないが、ウォーフが我々の秩序を壊す事をゆるすことはできない」と語り、ウォーフに「気持ちは同じままか?」と尋ねた。ウォーフが「トカスは皆の心を真実から背けようとしている」と話し出すと、トカスはウォーフの言葉を遮り、処刑の実行を命じた。
ロミュラン人の看守が銃を構えた。バイエルはすがるように「父さん」とトカスに言う。その時、「止めろ」と若者が怒鳴った。クリンゴンの戦闘服を着てギンタクの槍を構えたトクだ。「ウォーフを殺すなら、まず俺を殺せ」とトカスに詰め寄る。そしてウォーフの前に立ちはだかった。「俺はここを出て行きたい。止めるのなら殺すしかない。お前たちもそうだろう」と叫ぶトク。ルコーの制止にも耳を貸す様子はない。仕方なく銃を構えるトカス。ルコーもウォーフの側に立った。そして他のクリンゴン人たちやバイエルまでも。長老はトカスの腕に手をかけ、銃を降ろさせる。そして「牢獄に閉じ込められるのは私たちで十分かもしれないわね」と語り掛けた。トカスは諦めたようにため息をついた。ウォーフは「彼らは以前、子孫を守るために自らを犠牲にした。そして今、再びお前たちのために犠牲になろうとしている。彼らの名誉を守るため、この星の秘密を守ると誓え」と若者たちに告げた。

エンタープライズはロミュラン帝国からの通信を受け、ウォーバードとランデブーした。転送されてきたのはウォーフと若きクリンゴン人たち。ピカードに「探し物は見つかったのかね?」と質問されたウォーフは「いいえ、彼らは遭難した貨物船の生存者です」と答え、ピカードもそれ以上、詮索しようとはしなかった。




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