The Perfect Mate
クリオス星のブリアム大使が何やら「大事な品」とともにエンタープライズに乗船してきた。あと数日でボルト星との交渉が艦内で開かれる予定だが、その詳細はまだ明らかにされていない。そんな折、救難信号を発していた二人のフェレンギ人が救助された。二人は客室に案内されると「意外と簡単だったな」と意味ありげに目を交わす。
フェレンギ人は密かに貨物室に忍び込み、光る繭状の物体を調べはじめるが、保安部員に発見され、驚いた拍子に繭を倒してしまう。ブリアム大使とピカードの目の前で繭は崩壊をはじめ、中から一人の女性が現れる。そしてピカードに向かい「あなたの妻です、ボルトのオーリック」と告げる。
驚くピカードに大使は、彼女の名はカマラ、クリオス星からボルト星に送られる貢ぎ物であることを告げる。そして彼女はメタモーフであり、どんな男性にとっても理想の女性になれる、と。大使から彼女の外出を禁じられたことを知ったピカードは、一人の人格が物のように扱われるなんて、と憤慨し、外出を許可してしまう。だが、変態の途中で覚醒してしまい、フェロモンをまき散らすカマラは周囲の男(デイタ以外)の目をひき、テンフォワードは大騒ぎになり、ウォーフですら誘惑に負けそうになる。結局再び外出禁止になるが、カマラはその代わりピカードに部屋に来て欲しいと頼む。それはできないと断るピカードに、あなたはそれを望んでいるとほのめかすカマラ。
彼女を手に入れようと狙っていたフェレンギ人はブリアム大使を丸め込もうとするが、もみ合っているうちに大使に大怪我を負わせてしまう。儀式と交渉にはピカードが代理に出席することになった。大使がいなくては詳細が判らないと途方にくれるピカードに、カマラは私も儀式のことは知っているからあなたを助けてあげられると申し出る。ホロデッキに作られた祭壇に二人きりで儀式の練習をするうちにピカードはカマラに気を許しはじめる。そしてカマラは自分の本心が揺らいでいることを告白する。
エンタープライズにボルト星のオーリックが乗船してくるが、カマラのことより交渉内容が気掛かりらしい。複雑な表情のピカード。
じきに契りの儀式が始まる。カマラはピカードに一晩一緒にいて欲しいと懇願し、ピカードはついに一線を越えてしまう。
夜が明け、ピカードはクラッシャーに「儀式が済んでしまえばカマラがオーリック好みの女性に変わってしまいうのが耐えられない」と打ち明ける。だが、契りの儀式に出席するカマラをエスコートしにきたピカードは彼女から驚くべきことを告げられる。「結婚しても、もう彼を愛せない。刷り込みはあなたと過ごしたことで既に済んでしてしまった。」
そして何事もなかったかのようにカマラは契りの儀式にのぞんだ。
「数日間二人きりでいて、よく誘惑に打ち勝てましたね」と尋ねる大使にピカードは、気を付けてお帰り下さい」と返事をするだけだった。