エンタープライズは消息を絶ったU.S.S.ブリテン号の捜索を行うため二連恒星系へと向かった。発見されたU.S.S.ブリテンは損傷もなく、ほとんどの機能が正常に作動していた。トロイは生存者の存在は感じられるが、なにかが異常だとピカードに報告する。
上陸班がU.S.S.ブリテンに送られた。乗員たちは皆ナイフで刺されたり、フェーザーで撃たれて殺されていた。一人の生存者が発見されたが、茫然としていて呼び掛けにも応じられる状態ではなかった。
救出された男はアンドレス・ヘーガンという名前の科学調査官で、ベタゾイド人だった。トロイは彼の心が激しい恐怖ではっきりと読むことができないと言う。彼はトロイにテレパシーで「向こうに声が。二つのもの、いや、だめだ」と訴える。
調査の結果ではU.S.S.ブリテンにはまったく異常は見つからないが、何故かエンジンが始動しない。また、ビバリーの検死の結果、何等かの理由でブリテンの乗員が殺し合いをはじめたことがわかった。艦長日誌を再生してみると、艦長自身も明らかに異常な妄想に取り憑かれていた。
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トロイは悪夢をみて飛び起きる。夢のなかは、何者かが彼女に「闇で光るもの、月が一つ」と語りかけていた。
宇宙基地までエンタープライズでU.S.S.ブリテンを牽引していくことになった。ジョーディたちがブリテンに乗り移り準備をしていると、一人の少尉が幻聴がきこえると訴える。
トロイは医療室のヘーガンから「明るい」という言葉を聞き出す。
艦内のあちこちに幻覚が現れ、怪現象が起こりはじめていた。ピカードはトロイやビバリーの忠告を受け、この宙域から退避しようとするが、エンジンが始動しない。エンタープライズもブリテンと同じ事態に陥ろうとしていた。
デイタの分析によればエンタープライズは「タイカン断層」と呼ばれる宇宙の亀裂にとらわれてしまったらしい。断層へ巨大なエネルギーを放射すれば理論的には脱出可能だが、あいにく、そのエネルギーを発生させる手段が見つからない。
ピカード、ライカーも幻覚や幻聴に襲われ、精神的に参りはじめていた。ピカードはもしもの事態に備え、デイタを艦長代理に任命する。
ビバリーは乗員を調べ、この宙域に入ってからの十日間、だれも夢を見ていないことに気付く。つまり、REM睡眠が失われ、そのために精神活動に悪影響が出ているのだ。唯一の例外はトロイで、悪夢に苦しめられていた。
トロイはヘーガンから「あわせて」という言葉を聞き出すが、それが何を意味しているのか理解できない。
エネルギーをリフレクターに集中させ、断層へ向けて一気に放出、脱出を試みるが、失敗に終わった。
ウォーフは自殺しようとしている所をトロイに発見され、止められる。「もう勇者ではない。恐怖を感じる」と嘆く彼をトロイはなぐさめる。
医療室を訪れたトロイはヘーガンから「あわせて」という言葉の意味を聞き出そうとしていた。そして彼も自分と同じ悪夢に苦しめられていることを知り、さらに悪夢と思い込んでいたものが、何者かが送っているメッセージではないかと気付く。
「闇に光る目」はこの二連恒星系のことらしい。メッセージの送り主も断層にとらわれていて、エンタープライズに協力を求めているようだ。トロイは眠っている間に、相手にメッセージを伝えるようと決意した。
トロイはデイタと二人でどんなメッセージを伝えるべきか検討している。そして、分子構造をコンピューターで眺めているうちに、「月が一つまわっている」というメッセージから、相手が水素を求めるのではないかと思い付く。デイタはトロイに爆発を起こすタイミングを相手に伝えるよう指示した。
テンフォワードではギレスビーという乗員が暴動を起こそうと騒ぎだし、駆けつけてきた保安部員と乱闘になる。ガイナンが銃を発砲して警告すると、あっけにとられ、乱闘は止んだ。
ハザード・コレクターが始動、水素が断層に向けて放射され始めた。トロイは夢に中に入り、相手に必死に呼び掛けるが、返事はない。水素の放射時間が残り十秒を切り、ピカード達は諦めかける。夢に中ではトロイの目の前に何者かがようやく姿を現した。大爆発が起こり、エンタープライズは断層から脱出することに成功する。そして異星人の艦も断層から飛び出してきた。
デイタは疲れきったピカードの顔を見て、艦長代理として部屋に戻って休むことを命じた。「おやすみなさい。」