オランダ警察の手を逃れ、無事イタリアはベニスのマルコポーロ空港へ到着。
ベニス観光は後回しにして、レンタカーを借りてサンマリノへ直行。
サンマリノはイタリアの中にある山一つの小さな独立国家で、新潟で言えば弥彦山(標高650m)が一つの国になっている感じだ。
サンマリノは 私にとっては13番目の渡航国。渡航国を増やして自慢したいというのが本音。
ちなみに私の生まれてからの引っ越し回数は19回で、時々自慢している。ベートーベンの56回には及ばないが、私の身の回りでこれに及ぶ人はいないようだ。
麓のリミニという小さな村から入る。くねくねと山道を登っていくと頂上に到着。そこにお城や国会議事堂などの施設がある。
ほぼ平地のないこの国の国技がサッカーだというから驚きだ。坂道で球を蹴るのか?(実際はイタリアの平地で練習するそうです)
車で市街地に入ったが、駐車場の空きがない。ぐるぐると回ってみたが、やはりない。オランダでの悪夢が頭をよぎる。
しかし、ないものはない。ええいままよとその辺に停めた。な〜に捕まったら日本に高飛びするさ、と自分に言い聞かせて。
息子と二人、お城に入り、国会議事堂を一回りし、お土産品をゲット。お城からの眺めは最高で、上々の気分で車に戻る。やっぱり、サンマリノに来て良かった、と思ったその瞬間。
ガビチョ〜〜〜〜ン!!ななななんと、わずかの時間で「駐車違反」のレッテルが・・・・・。
小さな国のこと、このあたりはガッチリしていて罰金を払わないと出国できない仕組み。国境のゲートで罰金を払い、トホホ気分で下山。
その後はフィレンツェへ直行。一泊して翌朝、気分を取り直してウフィッツィー美術館へ。
今度は捕まらない筈。きちんと駐車場に入れ、ダビデ像などをたっぷり堪能して駐車場に戻る。
ななななんと、今度は車がないっ!!!!!荷物、航空券などがすべてトランクに入っている。どどどどうしよう??
盗まれたに違いない。さすがにうろたえた。ふと見ると道を挟んで向い側は警察署。しめた!すぐに届けよう。
警察に行ってびっくり、というかアタリマエなのだが、英語がが全く通じない。
仕方がない。知っている限りのイタリア語を駆使するが、オソマツ極まりない。
警官とのやり取りの一部始終を無理やり日本語に翻訳してお伝えしよう。雰囲気をお察しあれ。
私「マンマミーヤ!ブーブーナイナイ。ブーブー置く、遊ぶ、戻る、見る。ない。泥棒」
警官「お前は何をいっているか」
私「ブーブー置き場、置く。つまり停める。鍵掛ける。去る、戻る、驚く。ナイナイわかるか??」
警官「車のことか。こいつはアホだ。他の警官呼んで来る」
私「おお、おまわり一つ二つ三つくらい来た、大事件。あそこの、ブーブーじゃない、車置き場見るよろし。真空のところ、わかるあるか?」
警官「真空?あそこの駐車場で何かあったようです。部長」
私「泥棒。車と荷物蒸発。お空の船の券も蒸発。今日の次の日お空の船乗れない。助けろ。泥棒」
警官「車がなくなったようです。部長、聞いてきます」
私「おかっ引、行け。泥棒にお縄もらって来い」
戻ってきた警官「あそこは、向かい側の会社の駐車場だ。違法駐車だったのでレッカー移動した」
私「レッカーとは何者あるか?オランダ語なら『美味しい』だぞ。ふざけろ。いや、ふざけるな。どっちだ」
警官(身振り手振りでレッカーの演技)
私「何?そんな手で万引きしたか。ひっとらえろ。国と国の喧嘩になるぞ」
警官(再び演技)
私「納豆食べたぞ。いや、納得した。泥棒ない。おかっ引が車ひっぱたか。スケベだ。拙者どうあるべきあるか?」
警官「レッカー移動した先に行って受け取れ」
私「臭いぞ。いや、ありがとう。お前が移動したか?優しい」
警官「これがその住所だ。行って罰金を払えば即返される」
私「汝わかっても、拙者不明。絵に描くよろし。いやいや、それより足軽呼べ。足軽じゃない飛脚だ」
警官「部長、地図に書けとかタクシー呼べなどと言っているようです」
私「そうだ。タクシーとも言う。それを呼んで、船頭に地図見せびらかせ。わてはわからせられるあたわず、なりけりぞ」
警官「こいつうるさいから言うとおりにしてやりましょう。部長」
私「飛脚呼ぶリンリン代いくらだ。与える。お前ら優しいぞ」
警官「電話代など要りません。おかしな男だ、こいつは」
身振り手振りと片言のイタリア語で何とかタクシーに乗った私は、警察の違反車両置き場に行き罰金を払って、何とか車を取り戻し、フィレンツェを後にした。
オランダでは警察に勝った私は、イタリアでは見事にやられた。
しかし、連続3回も駐車違反で捕まるとは、10年前とはだいぶ様相が変わったものだ。
考えてみれば一時国際問題にまでなったフィレンツェの乞食はほとんどいなく、治安は良かった。そのツケがこっちに来たかな・・・・ そんなことを考えつつ次はローマへ。
ローマで更なる事件が待ち受けていようとは、想像だにできんないまるちゃんでした・・・・・
このあとどうなる? お楽しみに・・・・・