ビリー・ザ・キッド映画


『つむじ風のキッド』(1967年/監督:ジュリオ・ブックス)

母(グロリア・ミランダ)を辱めようとした男をナイフで殺したビリー(ピーター・リー・ローレンス)は、シルバー・シティからメキコへ逃げて無法者になる。牛を盗んで官憲に捕まるが、牛の所有者のタンストールはビリーを許して自由にする。恩義を感じたビリーは牛泥簿の仲間から抜け、ニューメイキシコのタンストールの牧場で働く決意をする。牧場に行く途中で、タンストールを目の敵にしているマーフィ牧場の牧童にからかわれて、ビリーは彼らを射ち殺す。タンストール牧場で働きはじめたビリーは、タンストールの娘ヘレン(ディアニク・ズラコフスカ)に惹かれ、ヘレンもビリーが好きになる。しかし、ビリーの昔の仲間がマーフィに雇われ、タンストールを殺す。タンストール牧場の牧童たちは犯人を捕まえるためにリンカンの町に乗り込み、マーフィ一味と激しい銃撃戦を繰り広げ、牧童頭が乱戦の中で死ぬ。リーダーとなったビリーは、犯人たちを殺してタンストール牧場に立て篭もる。マーフィが軍隊を要請したため、ビリーは牧場を捨て二人の友人と牛泥棒の生活に戻り、ヘレンはフォート・サマーの叔父夫婦の家に身を寄せる。

左:ディアニク・ズラコフスカ

中:ピーター・リー・ローレンス

右:ファースト・トッツィ

シルバー・シティの保安官パット・ギャレット(ファースト・トッツィ)は死んだビリーの父親と友人だったので、常にビリーの身を案じており、リンカン軍に争いはマーフィに原因があることを知事に伝える。知事はビリーに恩赦を与え、ビリーは自由になる。今度こそ堅気になろうと母親に会いにシルバー・シティに戻るが、母は3ヶ月前に死んでいた。ショックを受けたビリーは、母親は心労をかけたお前が殺したと詰る町民を衝動的に殺してしまう。ビリーは愛するヘレンに会いにフォート・サマーへ。そして、殺人犯のビリーを追ってパット・ギャレットもフォート・サマーへ……

細かいところは別にして、マカロニ・ウエスタンにしては史実に即した展開になっています。チラッと出てくるビリーのお尋ね者ポスターの賞金額がちゃんと5000ドルとなっているのも嬉しくなりますね。

ピーター・リー・ローレンスはオーディ・マーフィのスタイル(帽子や服装)に極めて似ており、パット・ギャレットのキャラも古いアメリカ西部劇に出てくるタイプです。全体としてはアメリカ西部劇的なのですが、ラストの扱いは宗教的情念に基づいたマカロニ的な処理となっていますね。

原題の『The Man Who Killed Billy The Kid』は、直接的にビリーを殺した男を指しているのでなく、最後のパット・ギャレットのセリフに表れていると思いますよ。それが、この作品のテーマなので〜す。

 

※あれれ、背景が……

 

左がロビーカードで右がスチール写真なのですが、よく見ると背景が違うでしょう。

映画の中に出てくるシーンは、右のスチール写真です。

 

 

トップへ   シネマ館へ  目次へ  史実へ  ページ