歯の塚や歯に関するモニュメント

歯科医院での抜去歯牙や脱落乳歯のための,歯の供養塔や塚などが,数多く建立されているようです.
参考:「歯の塚探訪」
   加藤増夫 著
   医歯薬出版株式会社
   1988.05.10第1版第1刷発行
   4000円
此の本は1988年発行ですので,取り上げられている塚などは,今どうなっているのか確認したくなりました.
暇なときに近い所を訪れてみようと思いますが,由来や詳細なデータは「歯の塚探訪」におまかせいたします.
他に歯に関するモニュメントなど,ぼちぼち載せていくつもりです.







「歯の供養塔」
  市ヶ谷歯科医師会館前
東京都千代田区九段北4
一番先に訪れたのは,歯の供養をするための供養塔で,市ヶ谷の歯科医師会館にあります.
昭和52年建立,「歯の塚探訪」の写真では旧会館前のもののようで,現在は新会館前の駐車場左手にあります.(1988年に移転か?)
歯科医師会で建立したような感じがしますが,会員の久野星之助先生建立なのだそうです.大雪の翌日訪れたので,まだ雪が残っていました.
2001.01.28
「妍斎落歯塚」 養福寺境内
東京都荒川区西日暮里3丁目3-8
日暮里駅西口に出て坂を上り,最初の交差点を右折し諏訪台通(狭い道)を行くと,じきに養福寺が右手にあります.画像は山門から見た所で,「妍斎落歯塚」は画像左の石の柵の先,左折する付近にあります.


本の写真ではポツンと寂しく立っていた塚ですが,だいぶ緑も増えまた手入れも行き届いて気持ちがよかった.
塚の左の丸い窪みが気になった・・水が溜まっていましたが.


1797年(寛政九年)建立.

「妍」の字がよくわからない(^_^;ゞ

2001.02.10
「痙歯誌碑」
  金剛寺境内(もみじ寺)
東京都北区滝野川3丁目88-17
王子駅を降りたら石神井川(もみじ川?)沿いに上っていくと,紅葉橋があります.画像は橋の反対側から金剛寺を望んだところ.




山門に入るとすぐ右に回り込む形で進むとすぐ,ブロック塀の前にあります.
やはり掃除も行き届いていて気持ちがいい.
碑はやたらと漢字が多くて,ちょっとめまいが.(^_^;ゞ

「66才になって歯が27枚脱けた」とか書いてあるそうだが,詳しくは「歯の塚探訪」をご覧ください.





碑の上の方には横になった老人(村山得翁先生)の絵がみえる.
また画像では判りにくいが一番右の漢字部分は縦に「痙歯誌」と書いてある.







碑の裏には大きく建立者の名前が「伍石」と掘られていました.
1825年(文政8年)建立






2001.02.10
「むし歯地蔵と二つの橋」
 神奈川県厚木市飯山
厚木市街から県道?60号厚木清川線を宮ヶ瀬方面に行くと,信号「宮の里入口」の先,橋場バス停手前の道路右側にあります.
「よはひ草」第1輯に出ていた記事を基に「歯の塚探訪」著作の際に探し当てた地蔵の一部が橋の再建記念碑といっしょにありました.
本の写真ではもうすぐにも絶滅しそうな感じでしたので,まだあるか心配でしたが,かえって基部が補強されていて,当分これなら大丈夫だろうと思いました.画像左後方に見えるのは,橋場バス停.

***「よはひ草」第1輯 
「其三むしば地蔵と二つの橋」
『相模国愛甲郡小鮎村と云ふのは,名に負ふ「相模川の鮎」を産するので聞こえたところだ.だが相模川はここでは村名のとおりに呼ばれて,村道を横切るので,大橋,小橋が二つ架かってゐる.橋は「よろずよばし」と云ふので,傍らに大きな石の地蔵が二体立ってゐる.若しむし歯に悩む者が自分平常使用の箸を此地蔵様にあげて,川を渡る時に小橋を渡れば歯痛が治るが,大橋を渡れば癒つた歯も痛み出すと云はれてゐる.それで橋の広い方があいてゐる時でも,狭いほうに人通が多い.』***
「歯の塚探訪」でも触れられていたように,右側の小さな石がむし歯地蔵の一部ではないかということですが,はっきりしません.
此の道は思ったより交通量が多く,写真を撮っていると皆が見ていくようだ.(^_^;ゞ
小鮎川はここを下り,厚木市街の246号を横切り相模川に合流しています.
2001.02.11
「歯の痛みをとる如意輪観音」
 八王子市台町 信松院
「歯の塚探訪」からは離れるが,調べものをするために図書棺で資料を漁っていたら,八王子にも歯に関する碑があることが判った.
境内の北西の隅に「武田信玄公息女松姫君御手植ノ松」という碑の右に頬をおさえている小さな石仏がある.江戸時代初期にまつられたといわれ,この仏様におまいりすると歯の痛みが直るという.
右の頬をおさえているが,表情はよくわからない.

信松院は八王子の七福神めぐりで有名な所で,こちらには布袋尊があります.
1590年創建の寺院.郷土資料館や市民会館のそば
また,よはひ草第一輯に「四谷宋福寺境内の石垣に如意輪観音の石像あり.歯痛に霊験がある.」とあるので,ここの如意輪観音と関連はあるのか,また調べてみようと思う.

参照:ごりやくマップin八王子
たぶん市内の郵便局が出した簡単な絵地図. 2001.03.03
「歯吹尊」
 八王子市大横町 極楽寺
またまた「歯の塚探訪」からは離れるが,いろいろ調べていたら,八王子には歯に関する如来があることも判った.
中央道八王子インターから16号線を市街に向かい,浅川橋を渡るとすぐ左手に見える極楽寺には,「歯吹尊」といわれる如来があります.

普通,阿弥陀如来は口を閉じていて歯が見えることはありません.
ここの歯吹尊(歯吹如来)は歯が見えていることにより,怒ったようにも笑ったようにも見えるのだそうです.
しかしながら,せっかく訪れたにもかかわらず,説明書によると公開はしていないそうだ.
いつ公開するのかはいずれ調べるにしても,ここで画像を見せることは出来ないでしょう.


参照:歯医者さんの待合室 2001年 1号 p74~75
   歯吹如来像(把富喜)(1) 長谷川正康 著
   クインテッセンス出版株式会社 ¥1200+α

2001.03.04




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