ポケットモンスター ファイアレッド・リーフグリーン

任天堂 2004/01/29

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レビュー

RPGに革命を起こしたと言っても過言ではない、ポケモン第一作(赤・緑)のリメイク。
後述するが、追加バージョン「青」の要素も取り込まれている。
複雑でありながらそれを感じさせない育成や戦闘のシステム、
主人公をファイターではなくコマンダーにすることでプレイヤーとの一体感を強調する演出、
閉じたゲームの世界を開く通信交換、育てたポケモンの晴れの舞台である通信対戦など、
今さら紹介するのも気が引けるような魅力的な要素の数々がGBAで蘇る。

リメイクにあたりグラフィックやサウンドがGBA向けに大幅にアレンジされていることはもちろん、
先行発売されたルビー・サファイアと互換性があり、システムもそれに準拠するよう変更された。
(通信関係の詳細は別ページで述べる)

本作独自の追加要素としてまず目に付くのは、過剰なまでのチュートリアル。
「RPGをやったことがない自分の親でもプレイできるように」等と制作者が言っていた通り、
ゲームに慣れている人には暗黙の了解となっているような部分までヘルプ機能で解説してくれる。
さらにはゲーム再開時に前回までの簡易リプレイが表示される「あらすじ」機能があり、
ゲームをあまりやらない人にとっては非常に優しいつくりになっていると思われる。

ルビー・サファイアで大幅に使い勝手が良くなったポケモン預かりシステムは、
まとめて移動する機能とアイテムを付け外しする機能が追加され、本作で完成したと言える。
初心者向け機能と合わせて、とにかく「遊びやすい」ゲームというのが第一印象。

エンディングまでのシナリオは、主人公の性別を選べるようになったことと、
追加エピソード(先送り可能)がある以外は原作と同様。荒削りなシナリオも変わっていない。
セリフの変更も、主人公の性別やリメイクによる仕様変更に関するものの他にはない。
ただしリーフグリーンの図鑑説明文は青のものに変更されている(従来は赤緑で共通)。
シナリオ上の主な変更点は、2回目以降の四天王が強化されてたり、某洞窟に入る為の条件が増えたことくらい。
システム面でも、特攻と特防の分化や、特性の追加以外は、通常のプレイ範囲で目立つような変更点はない。

好きなポケモンで自由にパーティを組み、冒険を進められるのも原作と全く変わらない。
敵トレーナーが使うポケモンの種類やレベルは原作とほぼ同様だが、
技が大幅にパワーアップし、大味だったゲームバランスが見直されている。
とはいえ、こちらも経験値やお金を稼ぐ手段が増えているし(一般トレーナーと再戦可能)、
チュートリアルも充実しているので相対的な難易度はあまり影響していない。
初心者に優しく、原作プレイヤーにとっては新鮮な感覚でプレイできるはずだ。

ルビー・サファイアで基本システム以外に新規追加された要素は、
本作にほとんど継承されていないので、既にプレイした向きには少々ボリューム不足に感じられるだろう。
設定でオフにできるヘルプはまだしも、常に表示されるあらすじ機能も邪魔といえば邪魔。
他バージョンとの通信についても、条件を満たすまでは大きな制限がかかっているのが厄介。
深くやりこむのであればどうしてもルビー・サファイア、及びエメラルドのサブ的な扱いになってしまう。

とはいえ一つのゲームとして、もしくはリメイク作品としては、
原作経験者も、ポケモン(というか、RPG自体の)初心者も楽しめる良作。
ポケモンに初めて触れるのならば、まず最初にプレイすることをお勧めする。
経験者はエメラルド等から入って、本作を拡張パック的な感覚でプレイするのが良いかな。


最終更新日:2010/10/20

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