■ 鉢の底(シンプル版) 投稿日:2014年06月01日(日)



ぱんけーき

◆タイトル 鉢の底(シンプル版)
◆制作/サイト ぱんけーき
◆ジャンル 現代ホラーノベルゲーム
◆対象  15禁
◆ツール Nscripter


1950年代半ば。春。少女誘拐事件が起きた。

事件は犯人から身代金を要求する手紙が、
少女の母親の元に送りつけられたことで発覚。

母親はすぐに警察へ連絡。
手紙に指示されていた通り、○○県の主要駅に身代金を持参。
警察も勿論その場に何人も待機し、その場の空気は張り詰めていた。

しかし、手紙による指定の場所に犯人は現れず、
以降一切の連絡はなく、完全に消息を絶った。
こうして犯人は捕まらないまま二年が経ち、また春が訪れた。そして。

――新たなる少女が再び、消息を絶った。

〜サイト内ストーリー紹介文引用


拉致された少女が、犯人=他人に初めて優しくされ一種の好意を抱くが、彼は以前同じように関係した自分に良く似た少女(今は頭部分のみ。それが鉢の底に…)と完璧な世界を作り上げており、段々羨ましくなった少女は…

概要だけを追って読み進めていると、似た心理症例あったな…とも思うんですが▽


虐待・暴力等の加害者に刃向かうと、肉体的にも心理的にも更に酷い状態に追い込まれ、耐えられなくなる状態を避ける為、相手に迎合しようとする心理症例(なんとかシンドロームといったと思う)
嫌な対象に害されているのではなく、自分もその加害者に好意を持っていて、好きな対象に好意でされていると思い込もうとする(自己欺瞞状態に逃げ込む)精神防衛本能だとか

この少女は最初こそいきなり拉致され、何されるかわからない恐怖に陥りますが、後は自分からそういった風に見つめて欲しい嫉妬や願望に変化する訳ですから、一寸違いますか
そもそも物語なのだから、犯人も少女もそれぞれの世界観で動いているだけなのでしょうね

変質・犯罪行動もあまりに究極まで達すると一種の「美学」になって、良い悪い以前に我々のような凡人は彼らの美学にそぐわない愚鈍な存在でしかないのねー、しか言えなくなってしまいますが、このお話もそんな感じ
犯人と鉢の底に沈む少女の世界、その世界に入りたい(とって変わりたい)少女の心理世界、さらにもう一周り外にその世界を見ている我々
解るような、解らないような、そもそも中の人たちにはこちらの感想なんてどうでも良いだろう、閉鎖的完全世界
好奇心で垣間見ちゃったこちらは悪酔いしちまったぜ…フラフラ

様子といい、発売元といい、きっとトンでもない味なんだろうと予想できていたのに好奇心で飲んでしまい、予想以上だった某清涼飲料水を思い出した
←普段はチキンハートなくせに、どうでもいいとこでトライ精神を出す
あ、言っとくけど、褒めてるんですよ!
鬱々系やホラー作品は読者の気分を落としてこそ良品ですもの
もうしっかり気持ち悪くさせて頂きました……上手いなあ…うええ

シェア版もあるそうですが、私はフリー版だけでもうお腹一杯
読破後は脱兎の如くシャットダウン(笑)

ぱんけーきさんの病み系作品の定評は方々から漏れ聞いてはいましたが、どのタイプの病み系なのか解らなくて(ホラー&ヤンデレでも好きなものと耐えられないものがあるので)今までロリコンH作品しかプレイした事がなかったんですが、いやはや百聞は一見に…色々と、ええホント色々と(笑)すごいです!
ぱんけーきというサークル名の通り、ホットケーキでもクレープでもない、微妙な材料配分と焼き加減です
また勇気を溜めたら他の病み作品をDLして読みたいと思います


◇他にプレイにしたぱんけーきさんの作品
◆えすえす!・からふる
私はロリコンですが男性向けロリコンとも違うので、どうしても主人公(男)に「ごらぁ!」の気分は拭えませんが、それをいっちゃあ創作全般始まりませんね。ごめんなさい

2009/12/4


■ ちょこっとループ 投稿日:2014年05月31日(土)




◆タイトル ちょこっとループ
◆制作/サイト ちょこっとループ製作委員会
◆ジャンル バレンタインをテーマにしたギャルゲー
◆対象 全年齢
◆ツール NScripter
※ サイトが見つからないので、概要、URL共にDL先にさせて頂きました


年齢=彼女いない暦の主人公は、親からしかチョコをもらったことがない寂しい高校生
2月14日のバレンタインデー、彼は周囲の浮いた空気を恨めしく思いながら、下を向いて過ごしていた
『バレンタインデーなんてなくなればいいのに』
そんな彼が呟いたささやかな願いが、大きな異変を引き起こす引き金になる!?

〜DL先より概要引用


ジャンルの通りバレンタイン系のギャルゲーですが、主人公は凡庸で優柔不断、しかし何故かモテるという、よくあるギャルゲー特徴ではありません
異性への恐怖心や劣等感等を意識しつつも、何か行動をする訳でもなく、漠然とやり過ごしている少年
それがバレンタインのある事件〜同じように親以外からチョコを貰ったことがないまま死亡>今だ成仏できない幽霊にとりつかれた事がきっかけで変化を起こします

前半の「笑った顔がキモい」と引かれて7割対人(異性?)恐怖症気味な心境や、自覚しつつも動けないもどかしさは泣けてきました
後半、少しずつ積極性を持ち、自分やヒロインや周囲に対する思いやりを持って行動し成長していく変化も素直に応援心境になります
いっちゃえば(意味はともかく)最後にはちゃんとチョコを貰えます
それは主人公が勇気もって前進した正当なご褒美なので、誰もが素直に「貰えてよかったね」と共感できる形です
うん、ラスト周辺、おばちゃんホント感動したよ

〜と、感動した箇所を挙げた後で、少々気になった事が二つ

レビューするに辺り検索かけた先で、ずっと自分が見つけられないだけだと思っていたサブヒロイン達のルートは実は作られていないと初めて知りました

←この作品にはルートのあるメインヒロイン以外にかなり意味ありげに女生徒が二名程登場するのですが、「いるだけ」で話には絡んでこないんです

そういう理由なら…追加ルート予定は今のところないそうですから、話の流れとしても現行バージョンではこの子達は外しておいた方がいいと思います(選択支を無駄に迷う)

もう一つは…それを言っちゃ話は始まらないってのを踏まえ、あえて言うだけ言ってみますが

霊に取り付かれた時点〜後半の心境ではチョコを欲しい理由や主人公からヒロインへの気持ちがはっきりしてくるのでチョコ所望行動も理解できます
しかし…冒頭時点では何故そんなにまでチョコが欲しいのかが、ちと解りませんでした
思春期の誰かから貰ってみたい、思われてみたい憧れがあるにしても、彼の環境を見ると「親にしか…」という環境自体が(「偶には自分以外から貰ってきなさいよ」と、侮蔑を込めてからかう様な親ならいざ知らず)自分と同年代に惚れられるくらい可愛く魅力的な母親で、母子家庭という環境を除いても主人公本人、かなりマザコンで…マザコンがいけないという事ではありませんよ。(親思いなのは大切です)
ただこの時点で他者の入る隙間や必要性って、あるのかしら?もうコレで良くない?何が不満?

むしろ誰かがもしこの主人公を密かに思っていて、チョコを渡そうと赴いたとしても、この環境を知った時点で「私、お門違いでした。ごめんなさい」って踵を返して、泣きながら自分で食うしかないと思う
この親子の完璧なループを、生半かな片思い程度で崩せるとは思えない(笑)

いや、きっと男にはプライドとか女にはどーでもいいことが…イヤイヤ色々あるのよね

2009/12/4


■ 本当の願い事 投稿日:2014年05月31日(土)



NOSTALGIC GARDEN

◆タイトル 本当の願い事
◆制作/サイト NOSTALGIC GARDEN
◆ジャンル 一般向け
◆対象 12歳以上推奨
◆ツール 吉里吉里2/KAG3



「願いが叶う本」を巡って、残酷で、我侭な普通の少年少女が織り成す青春ノベル

まずタイトルと、アイテム要素の「願いが叶う本」の単語だけに注目すると、ファンタジーを交えた学園青春物のようですが、実際は相当ブラック&ネガティブなお話です
普通の明るく爽やかな男女青春ノベルをご所望の場合はお奨めできません

主人公もヒロインも正当に共感できる、あるいは共感を誘うタイプではありません
はっきりいえばむしろ真逆、かなり嫌な子達です
若者特有の、ある意味純心で真摯な欲望と毒を持っています
内容については、あえて触れないようにしますが、こういった二人なので真EDであろう、ED5(ハッピーエンド)より、他のブラック要素入りなEDの方が断然輝いています
←特にED2は凄い
けれど、そのキャラクターや背景要素がものすごく上手く書かれていて、毒におかされながらも引きこまれてしまう、ふぐみたいな煙草のような(ふぐを食べない土地に育ち、煙草も吸わないのでわからないですが)中毒性を含む作品です
他の作品にも言えますが、この作者さん本当に文章がお上手です

かくゆう私も「共感する」シーンは殆どありませんでした
だからこそ自分では絶対に思いもつかない、描けない世界でぐいぐい引きこまれました

とはいえ登場人物達と同じ十代の頃なら、途中でシャットダウンしたと思います
現実では内外問わず攻撃性の高いタイプの傍にいるだけでエネルギーが吸い取られますし(笑)
今こういった物を読み進められるようになったのは、そういった「合わない物」に囲まれ育った慣れの部分と、若い頃、物を見る時も考え方も、共感出来る物、近い物、好みな物だけを近づけたかった自分の脳が、段々と避けがちだった「カテゴリー外を吸収する面白さ」を覚えたからです

そんな感じでかなり好みが分かれるでしょうが、ブラック要素が好きな方には堪らない作品だと思うし、逆に嗜好が逆でも、その部分にとっかかりを決めないタイプの方には物の良さを痛感する作品だと思います

こちらの作品は自分のパソコンには合わないツールである事も多いのですが、この作品のシステムは吉里吉里のせいか快適でした
グラフィック面は全体綺麗で安定しているので、その辺に拘る方も大丈夫です

そうそう、一点だけ、ヒロインと共感した部分〜
男子達の会話を立ち聞きするシーンの心情、私もあんな風に(むしろもっと辛辣に 笑)思っていました
十代の頃って自分の毒ももの凄く強いのに(←だからか?)他人の毒は許せなかった
今はもう、何もかも生温い目で見られるようになりましたが(笑)


◇他にプレイにしたNOSTALGIC GARDENさんの作品
◆僕らの中のロビンソン
サバイバルって駄目そー…とびびりましたが、意外にいけました
いざという時の為にアナログ時計が欲しくなる
このヒロインもかなり強烈ですね
男性には嫌われそうですが、今日の生死よりアイドルライブ(欲望)。こういう女子の勝手さが大好きです
実際近くにいると困るんですけど、自分が掃除をサボることも出来ないタイプだったもんで、憧れでもあるんですよね〜
あのキャラも(笑)よかったです
18禁版も期待してます
◆NOSTALGIC MEMORY
メインの二人が可愛ゆうて!
同人誌までDL買いしたというアホです

2009/11/29


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