VOLVO V70 2.5T (5AT) 2004年12月

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試乗車はBasic Packge装着。5本スポークホイールはそれに含まれます。

  北欧人の脚…(T-T)
車高を上げたXC70(こちらは展示車でした)と違い,スムーズに乗り込めたV70。シートに腰をおろし,ドライビングポジションを合わせて…んン…? あ,合いませんね,これは。シートをいっぱいに下げても床からの高さがあり,たっぷりとした寸法の座面せいもあって,ペダルを踏込むと膝裏に強く当りすぎます。かといって,シートを前に出すとステアリングホイールが近づきすぎるし…やっぱり北欧の人って,脚が長いんでしょうねぇ。それに引き換え自分の脚の短かさよ…(T-T) オプションのベーシックパッケージに含まれる本皮シートは,最近のドイツ車(例えばゴルフX)なんかに較べると結構柔らかめですが,国産車の本皮シートにありがちな,つるつるしてホールドが悪いなんてことはありませんでした。さすがは椅子の伝統が長い欧州製!ゆったりと座れて,なおかつしっかりと支えてくれるという,なかなか優れ物のシートでした。当然後席にも座ってみました。足入れ性はいいのですが,思ったほど膝の余裕がありませんでした。

試乗に用意されていたのは,例の直列5気筒を横置きにし,ライトプレッシャーターボで過給したFWDの2.5T。本当は駆動輪が7分の1回転スリップするだけでリアに駆動力がかかるという,ハルデックス・カップリングを搭載したAWDに乗ってみたかったのですが,ま,贅沢はいえません。XC70のようなオーバーフェンダーがないとはいえ,全幅は1,815mm!BPレガシィが3ナンバー幅になったといっても,これより85mmも狭い…。全長は4,720mmと,小型車枠をわずかに超えるだけですが,この幅では狭い日本の道路での取りまわしは苦労しそうです。試乗コースは広い国道中心だったので問題にはなりませんでしたが…

  ハンドの重さがちょっとでもいい脚です
ステアリングは思ったよりかなり重めでした。軽すぎ?のBH-C型レガシィと比較してはもちろん,以前に乗ったV50に較べてもかなり重い印象は,試乗の最後まで拭えませんでした。単に重いだけでなく,微妙な粘り気が感じられたせいもありそうです。まぁ決定的な問題という感じではなく,慣れの許容範囲内といえばいえそうですが,ちょっと気になりました。しかし速度や舵角によって重さが急変することはなく,その意味ではとても自然な味付けです。足周りはやや固めの設定で,荒れた路面ではうちのBH-C型250T-V+MICHELIN ENERGY MXV8の組み合わせより確実に凹凸を拾います。やはり1610kgの軽からぬ重量と,209ps/32.6kgmの出力とを支えてキビキビと走らせるには,このくらいの硬さが必要になるのでしょうか。とはいえ,比較的平坦な舗装の国道では快適に走れました。ドシンバタンが気になったV50とはえらい違いです。

キビキビといえば,60km/h+αでのレーンチェンジでは実に滑らかな動きを示しましたし,交差点でもフラットな姿勢を保ってなかなか綺麗に回ります。けっこう大き目の車としては,ちょっと感動ものの動きといったら誉めすぎですか?中央に高速道路の橋脚が並ぶ国道でUターン。ちょっとアクセルを開けながら回ったら,さすがに前輪が暴れました。似たようなシチュエーションでは日産のフーガも後輪から悲鳴を上げましたが,こういう時はFWDよりFRの方が制御しやすいですね。AWDだとどうなんでしょうか。AWDといえば,ハルデックス・カップリングについてボルボのセールス氏(名刺を見たら課長でした)も,オンデマンドという表現を知らず,フルタイムだといっていました。本当の(笑…常時結合の,の意味でしょう)フルタイムより燃費がいいから…が採用の理由だとか。

  トルクフルだけど振動が…
軽く(笑)ターボ過給されたエンジンは,2,000rpmも回せば著しい力感を持って1610kg+大人2人を加速させました。ほんと,この回転域でこんな加速Gを感じるなんて!と少なからず驚きを感じました。正直,吃驚。ただ4,500rpmまで回してやっても,それ以上の加速感はありません。ちょっと期待外れ…と思って今,カタログを確認したら,上記のトルクを1,500rpm〜4,500rpmで発生することになっています。ん〜カタログ値をこんなに分りやすく感じられる車も珍しいかもしれませんね。5気筒横置きエンジンはアイドリングでは顕著なゴロゴロ感が気になりました。ステアリング・ホイールやペダルに,明確な振動が感じられます。基本的にV50と同じエンジンでしょうから,V50よりさらに振動を感じたのは,過給するために圧縮比を下げたためなのか,単にエンジンマウントの違いなのか…。回してやれば振動はそんなに気にならなくなります。90km/hちょっとまで加速しましたが,シフトアップ時のシフトショックは小さめでした。今回はマニュアル・シフトも試してみましたが,反応が早くて快適です。クラウンには負けそうですが,ヒュンダイ・クーペ辺りとはえらい違い(較べるのが間違いですか?)。もっとも,シフトダウン時には作動は速いのですが,シフトショックはそれなりに出ていました。

  パーテーションネット…(嬉し涙)
V50と違ってカーゴルームからのドラミングもなく,完全にクラスが二つばかり違って造りが違う…という感じです。BG/BHレガシィの手本となった巻き取り式パーテーションネットもちゃんと付いています。ネットを引き出すのにカバーを開けるというのはやりすぎのような気がしますが。ところで最近,うちのBH9に積み込んだ荷物の例ですが,
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@ほぼウエストラインの高さまでにダンボール箱大小20個を隙間なく並べ,その上に着替えなどが入った比較的ソフトなバッグ類10個を,ヘッドレストの高さまでにびっしり押し込みました。
Aバリトンサックス×1,テナーサックス×2,アルトサックス×4,バスクラリネット×1,バストロンボーン×1,トロンボーン×3,フレンチホルン×5,トランペット×3 全てケース入りです。ウエストライを少々越えて積み上げました。
Bチューバ×1,ユーフォニウム×1,バスクラリネット×1,トロンボーン×1,フレンチホルン×1,トランペット×2。ここまでは楽々ですが,その上になんとコントラバス(ストリングバス)を乗せました。さすがに後方視界に若干支障が出ましたが…
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こんな荷物の積み方をしていると,パーテーションネット無しではとても怖くて走れません。ましてやBG9で横転事故を経験している私としては,万が一の際に荷物の直撃を受ける可能性を考えずにいられないので…。BP型レガシィには巻き取り式のパーテ−ションネットが付かないとなると,後継車問題は深刻です。もっとも,巻き取り式パーテーションネットが付くのはVOLVOでもV70だけで,車高を上げただけのXC70にも付きません。最近は欧州車でも積載性を重視しなくなった…というのが,輸入車好きの友人の言(げん)ですが,「VOLVOよ,お前もか」って感じですね。(Test:2004/12/19)

追記:V50にはオプションでパーテーションネットが付くようで,標準状態では上部の「受け」だけが前後2組付いています。しかしカーゴルーム拡大時に,ネット本体が何処にどのように付くのかカタログでには示されていませんし,セールス氏も「分りません」と言っていました。XC70にも同様のオプション設定があるようですが,詳細はいまいち…これまで買ったお客の中で,パーテーションネットを一人もつけなかったという,私からすれば信じられないような話でした。逆に,V50には標準で付くトノカバーが,V70ではオプション設定。スウェーデンって,よほど治安がいいんでしょうか。(2005/01/10)