VOLVO V50 2.4i (5AT) 2004年6月

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  430万円なり
ボルボの親会社がフォードになって,ベース車両がV40当時の三菱カリスマ(ま,ランサーですね)から,マツダのアクセラに変わったら名前もV50になりました(名前の変更をセールス氏に尋ねたら,セダンを偶数,ワゴンを奇数に統一したとのこと。なるほどね)。ボルボお得意の直列5気筒横置きのFWDです。アクセラも最近のCセグメントの流行に違わず,幅が1,745oにもなっていますから,5気筒が押し込めたのかも。もっともV50では1,770oと,アテンザに近い値です。試乗車は自然吸気エンジンながら170psを発揮する高性能版の方のV50 2.4i,税別車両本体価格395万円。これにベーシック・パッケージというセットオプション(税別35万円)がついて,〆て430万円というお値段でした。これって,クラウン・エステート3.0アスリートGの420万円より高いんですね。ベースはアクセラでも,さすがはVOLVO!

  エンジン,ハンドリングは良好
シートは前後長はあるものの幅は小さめという,SAAB9-3と同じ傾向。ただし前後長は9-3ほど余裕たっぷりというわけではありません。でもホールド感はさすがにしっかりしています。しかし,あのAピラーはいただけません。デザイン重視なのでしょうが,急傾斜で額に迫り,圧迫感がひしひしと…。それはさておきエンジンはまずまず滑らかで,必要充分な加速を見せました。2.5gで170ps/23.5kgmですから,うちのBH型レガシィ250T-Vの167ps/24.0kgmとほぼ同じ。おまけに車両重量も1,470kgと奇しくも同じですから,慣れた加速感が自然に感じられたのかも。発進から80km/h程度まで,シフトショックは小さめで,ストレス無く加速します(マニュアル・シフトは試せませんでした)。もっとも,シリンダーが1つ多いわりには,滑らかさはBH9のEJ25と大差ありません。やはり6気筒と違って5気筒は振動対策が難しいのでしょうか。

ステアリングは非常に素直で,切った分だけきちんと曲がっていくという印象です。パワーアシストは比較的強めで,片手で楽々運転できました。その上,スバルのように途中で妙に重さが変わる,なんてこともありません。速めのスピードで進入したコーナリングでも,またレーンチェンジの連続でも,実に安定していて気持ちのいい操舵感を伴って曲がりました。急制動は試しませんでしたが,普通に踏んでいる限りではきちんと減速します。

  ドシン,バタン…(T_T)
と,誉めてみたのですが,この安定感はガチガチに固めたサスペンションの功績のようで,路面の継ぎ目などの入力があると,ドンッ!と強烈な突き上げがあります。ほんと,いまどきのクルマとしては珍しいくらいのショックでした。オプションの17inホイールに履いたタイヤは205/50R17ですから,現代としては超扁平というほどでもないのに…。BP型レガシィGTの17in仕様もビシバシと突き上げがありましたが(あ,1年目の改良でどうなったか確かめていません),細かな振動が気になるあちらと違って,腹に響くようなショックです。カーゴルームからのドラミングもあるようで,乗っていて正直いってかなり不快でした。アクセラ・スポーツ23S(4AT)の195万円ならともかく,430万円のクルマですよ。こうした値付けがでくるのも,“VOLVO”という記号性だけに対して,これだけの出費を容認できる人がいるからなんでしょうね。

さて,V70と違って後席のヘッドレストは脱着式。例の巻き取り式パーテーションネットもなし。ルーフレールもオプション。後席はダブル・フォールドですが,起こした座面は固定できずにぶらぶら。カーゴルームも汚れが床下に入りそうなど,ワゴンとしての使い勝手を追及したともいえないようでした。買い物袋を倒れないように保持する“グローサリーバッグ・ホルダー”は笑えましたが…。でも好きな人にとっては,やっぱり“VOLVO”は別格なんすかねぇ。(Test:2004/06/19)

追記:パーテーションネットについては,オプションで後付け風の物がつくようですね。(2005/01/10)