TOYOTA VITZ 1.0“F”(i-CVT) 2005年2月
▲MENU
実質的には,これがボトムグレードでしょうか?3気筒エンジンの振動
エンジンを始動した時に感じた顕著な振動。1gの3気筒1KRエンジンはパッソ&ブーンと同じはずなのですが,アイドリングで妙にひどいブルブル感が出ていました。エンジンマウントやトランスミッションの違いなのでしょうか。前日下ろしたばかりの試乗車だということなので,そのせいもあったのかもしれません。でもアクセルを踏んでやるとそれなりにおさまり,前モデルが積んでいた1g4気筒の1SZのようなざらつき感はありませんし,少排気量ながら3気筒らしく低速からしっかりとトルク感がありました(較べてはなんですが,SUBARU R1の660cc4気筒自然吸気エンジンとの違いがよく感じられましたね)。中速域でのもたつき
で,その3気筒1KRエンジン。「先代の4気筒とは違います」とセールス氏の言うとおり,発進加速はなかなかのものでした。しかし40〜50km/hあたりでもたつきが出るのは,あれっ?という感じです。その後80km/h程度までの加速はリッターカーとしては文句のない水準ですが,街乗りOnlyの使い方ならともかく,郊外をハイペースで飛ばすのはちょっと辛そうです。ま,そうした用途が多い人には1.3gや1.5gもあるからそちらを,ということなのでしょうね。でもこのCVTは煩いですね。同じ日に乗った1.5gのNOTEのCVTと較べてしまうとその差が顕著です。三菱コルトのCVTも煩かったけれど,それに匹敵しする騒々しさでした。ブレーキ性能はまずまずでした。下ろし立ての車ということもあってやや遠慮し,それほどのハードブレーキングを試みた訳ではありませんが,なかなか適度な減速感が得られていました。走りはいいけど,乗り心地が…
乗り心地はお世辞にもいいとはいえません。ポンポントントンと跳ね気味で,なんとも興ざめな乗り味です。バネ下が重たい感じで,同じBセグメントの日産のNOTEよりかなり落ちると感じました。これも下ろし立てで,サスが滑らかに動いていなかったせいもあるのかしらん…?しかしゆるいS字では不快なロールもなく,思ったよりに滑らかに駆け抜けました。先行車がいたため,いつものテストスピードより遅かったからかも知れませんが…。レーンチェンジもスムーズで変な揺り戻しもなく,不安感はありません。先代(の特に初期型)に見られた直進時のチョロつきやコーナーでの腰砕け感は,きっちりとなくなっていました。これは確実に進歩!えらい!ただ,ハンドルのアシストは操舵時(切る時ですね)には適当なのですが,戻す時のセルフセンタリングが強すぎる印象でちょっと厭な感じがありました。車庫入れ性は良好で,丸っこいシルエットで車両感覚が掴みにくいかな?と思ったにもかかわらず,あっさりと駐車スペースの真中に,直角バックで一発で真っ直ぐに入れることができました。サイドミラーの視野の設定がいいのかもしれませんね。パーキングスピードでのステアリングの操作性も問題のないものでした。
カーゴスペースは要工夫
室内は比較的タイトな感じですが,フロントシート,リアシートとも座りごこちはOKです。フロントシートは寸法的にはぎりぎりですが,ホールド性はまずます良好ですし,リアシートの膝回りの余裕は十分で,足入れ性も許容範囲です。このリアシート,脚を下ろした時に自然に姿勢が決まってGoodでした。ただ,リアシートのシートバックは少々高さが不足気味なのが残念です。カーゴスペース拡大は,試乗した“F”というグレードではシートバックが一体でパタンと倒れるだけ。トランクスペースとの段差も大きく,大きな荷物を積むのは不得意みたい。カタログにある1.3gや1.5gのチルトダウンシートを見てみたいですね。あ,4WD車につくというダブルフォールドのシートにも興味がありますが…。ちなみにトノカバーは,ハードボードタイプがオプション設定ということでした。(Test:2005/02/06) 試乗からアップロードまで3ヶ月…我ながら情けないです…(^-^;