MAZDA VERISA (4AT) 2004年7月

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  BMW Mini の向こうを張る?
ユーノス・ロードスターの面倒を見てもらってるディーラーの若いセールス君によると「ライバルはBMW Mini」なんだとか。大きく張り出したフレアフェンダー,立ち気味のウィンドゥグラフィック,水平を基調としたデザイン。なるほど,言われてみればそうですね。デザインのコンセプトは良く似ています。ただ,Miniが若さと玩具っぽさを強調しているのに対して,こちらはやや落ち着いた印象。桐島ローランドと川原亜矢子のイメージ? まぁ,この手の小さな高級車というのは,それこそ初代Mini由来のヴァンデンプラ・プリンセス(正しくはADO16ベースでしたっけ?)から始まり,国産ではローレル・スピリットなんていうのもありましたね。キャデラック・セビルやトヨタ・プログレも,クラスは違うけれど「比較的」小さな高級車かも…(^0^)

  座ってみると…
さて,比較的ボクシーなアウトラインのおかげか,室内の広さは充分です。ウィンドゥシールドが立っているため,ドライビングポジションのままでは接着式のルームミラーに手が届かないのはご愛嬌でしょうか。そういえば,ダイハツ・タントも届きませんでしたねぇ(全然関係ありませんけど)。クラシカルなデザインのシートは,このクラスのコンパクトカーとしてはまずまずの寸法とホールド性を得ています。カタログにはソファーの写真が出ていますが,同じソファーをイメージした日産キューブのグニィ〜っとしたシートとは大違いです。でも,キューブって結構売れているんですよね。センターコンソール周りのパーツは,まんまデミオの流用。ただ,色を落ち着いたものに変えているので,大人が(おじさんが)乗っても恥ずかしくはないかも。インパネは久々に見る絶壁仕様でした。シートを低めにセットすると,かなり圧迫感があります。

  走ってみて…充分じゃない?
走ってみると,これがなかなかの優れ物。基本的にはデミオの1.5gとのことなのですが,なかなか落ち着いたいい走りをします。インプレッサWRX Sti やレガシィ2.0GT spec.Bなどの試乗に使うワインディングでも,すんなりと曲がってゆきました。絶対的な限界性能云々ではなく,比較的フラットで安定したコーナリング姿勢を示すという意味ですが。そして軽く引き締まってはいるけれど,しっとりとして揺すられない良好な乗り心地。185/55R15という,コンパクトカーとしては大きめのタイヤを履いているにも関らず,です。アクセラ・ベースのボルボのV50は,それこそびしっとしたコーナリングを示すものの,ドタドタした酷い乗り心地でしたが,こちらは日常の使用でも何ら気に障らないものでした。

エンジン性能も,まず必要充分でしょう。もちろん特段にパワフルというわけではありませんが,低速からトルクが出ていて,流れにそって走る限りストレスを感じないどころか,余裕しゃくしゃくです。アクセラの1.5gでもそこそこ走りましたから,それより140sも軽ければ走って当然かも。街中を走る分にはそんなに回さずにすみますから,静粛性という点でも合格が出せそうです。ホンダ・フィットの1.5gよりうんと静かです。少し前に乗ったトヨタ・パッソの1gとは同じくコンパクトカーとは言ってもさすがにクラスが違うなぁと思わされました。80km/hくらいでの加速の仕方が全く違いますね(比較すること自体,あまり意味がありませんが…)。

  実用よりお洒落
もっとも,リアシートはシングルフォールドしかしないし(フレキシブル・ボートとやらを付けて,シートバックを倒した時に無理やりフラットにはしていますが),ラゲッジルームにはタイダウン・フックやコンビ二・フックも付かないし…デミオに較べて,実用的な装備の削減の数々はちょっと残念ですね。あ,川原亜矢子はホームセンターやスーパーマーケットになんかは行かない,という意味ですか・・・?(笑) 替わりに鏡がそこいらじゅうに付いている印象なのも,お洒落路線?

ところでカタログの主要諸元を見ていて吃驚。ボディタイプがステーションワゴンになっています。確かにリアゲートは付いていますが,こういう車って5ドアハッチバックとか,欧州流には5ドアセダンって言ったのでは…?ステーションワゴンねぇ。でも,このクラスのコンパクトカーの中では(少なくとも走りに関しては),デミオ/ベリーサは一番まともじゃないかな?,と再確認しました。やはりまともに走るパッソ&プーンでは小さいという向きには,結構いいのかも。ただし,ベリーサはデミオ1.5gの約20万円高とか。あれだけ装備を削ったのに…何に価値を求めるかは,人それぞれなんでしょう。(Test:2004/07/19)

  ちょっと気がかりな追記
と…まぁ,そこそこましな評価を書いたのですが,悪友の乗った試乗車はエンジンがもっさりしていて,とても誉められたものではなかったそうです。車内のきしみも酷かったとのこと。私が乗ったアクセラの2gのエンジンも回りたがらなかった記憶がありますから,マツダの車って,まだまだ個体差が大きいのかもしれません。どんなエンジンに当るか分らないのでは,怖くて買えませんよね。スイカを買うみたいにポンポン叩いてみる訳にもいかないし…(2004/09/02記)