HYUNDAI TB GL (4AT) 2003年1月
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卓越した(^0^)ハンドリング!
ちょっと重めで切り始めがややスローながら,しっかり感のあるステアリングが印象的。交差点でもS字カーブでも,安心して追い込んでいくことができる足回り。レーンチェンジを試みても,全く不安感がありません。フツーの大衆車ですからロールはそれなりに出ますが,グラッときてヒヤッとするような動きではないんですね,これが。乗り心地も固めながら,ごつごつした感じはしません。大韓民国は“まじめ”に車作りをしているなぁ,という感じが伝わってきます。フィットをはじめ,ヴィッツ,マーチ,デミオ,そしてコルトと,国産のコンパクトカーは一通り乗ってみましたが,少なくとも足回りはTBが一番じゃないでしょうか。日本車って,いったいどうなっちゃったんだろ?エンジンは×に近いが…
残念ながらエンジンは誉められたものではありません。流れに乗って発進し…というところまでは問題がないのですが,ちょいと加速を,と思っても音が大きくなるだけで,ちっとも走ってくれません。あれっ?と思って更に踏みこむと,あっさりキックダウンするのですが,ゴーゴーと耳を聾せんばかりの騒音で会話が辛くなるくらいなのに,加速はあれれ? 本当に遅い! シフトアップ時のショックが気にならなかったのは,動力関係の中では良い点でしょう。また,ボディ前後の絞込みが少なく,ウェストラインのウェッジシェイプも強くないせいか,車庫入れ性はまずまず良好でした。質実剛健…これで何が不足!
内装の仕上げは本当にチャチ。樹脂部品のシボなんか,目を覆いたくなるような低質感です。試乗車のGLは最廉価版ですが,上級仕様のGSLでも基本的には一緒。造形もいま一つ垢抜けません。垢抜けないといえばエクステリアデザインもそう。特にリアクオーターあたりはなんだかなぁという線です。でも,国産車によくある女性に媚びたようなわざとらしさがない,質実剛健なデザインには好感が持てます。また,運転席のシートの寸法には余裕があり,上記のようにそこそこ元気に走ったのですが,ホールド性にも不満はありませんでした。この点も国産車にしばしば見られる,ケチったようなシートとは大違いです。リアシートの折りたたみも自然にできるし…エンジンの非力さ,やかましさを除けば,本当によい車です。大韓民国が日本の車作りに追いつくのには20年かかるとか,いや追いつくのは難しいだろうといわれましたが,少なくともコンパクトカーに限れば,追い越されるのは時間の問題じゃぁないか…という気がしてきます。韓国が今後,ちゃらけた皮相的文化に流れてしまわなければ,の話ですが。ちなみにTBとはThink Basicの意だとか。ミニバンやワゴンまがいでなく,ましてや,どこぞのキャラクターグッズか!というカッコでもない,ただただまっとうな5ドアハッチバック。名は体をあらわす…いや,ほんとうに感心しました。(2003/01/07)